【菊池市】こんな所に廃プール!?菊池市に眠る廃プールは、故郷の子供達を想う医師の美しい心だった~稗方のプール~
天気の良い12月。菊池市をドライブしていたら、道の途中に突然の廃プールを見つけました!その歴史を辿ってたみたいと思います。
場所は菊池市稗方
田舎道の続く、菊池市稗方(ひえがた)。道の途中に、
プ、プールです!
民家が隣接する、廃プールです。辺りは静かで、
鬱蒼とした中で緑色のプールが浮かび上がっているように、現れます。
故郷を想う柴田医師の心
きちんと飛び込み台もあります。素晴らしい作りのこちらのプールは、「稗方のプール」(ひえかたのプール)と言い、1964年(昭和39年8月13日)に完成しました。 稗方出身の柴田元喜さんという医師が、「地元の子供たちが馬糞の浮いているような汚水で泳いでいるのを何とかしたい」と、75万円余りの寄付をされ完成したとの事。 昭和30年代の1万円は10~15万に相当すると言われておりますので、現在で置き換えると750万~1120万程度の金額であったかと思われます。
完成したのが立派な25mプール。
大人が飛び込み台に乗るとこんな感じです。落ちないように気を付けましょう。
当時のお写真
(菊池市デジタルアーカイブより) 当時のお写真です。すごくいいお写真!子供たちの嬉しいはしゃぎ声が聞こえてきそうです。
(菊池市デジタルアーカイブより) 緑の中に綺麗なプールが出来て、子供も大人もさぞかし嬉しかった事でしょうね。 寄付をされた稗方出身の柴田元喜さんは、若い頃から東京やドイツで医学を学び、79歳当時は東京都太田区に大きな総合病院を経営されていたそうです。 遠く離れていても、故郷の子供たちの事を想ってこのような行動をされる素晴らしい方がいらっしゃった事に感動いたしました。
プールの横には小屋があり、
少量ながら湧き水が湧き出ているようでした。プールを維持する程の湧き水ではなさそうで、地域の方々の農業用水なのかと思います。
立ち入り禁止でしたのでよく見えませんでしたが、柴田元喜医師の銅像が建てたられているのかなと思いました。
濁っていたプールの水も、角度によっては空が写り、木々が写り、ぱっともう一つの世界が現れて、このプールが使われていた頃の子供たちの声が聞こえてきそうな気がしました。 美しい人の心と、不思議な風景を見た菊池市のドライブでした。