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0歳から4歳になった今も続く自閉症息子の睡眠の悩み。低年齢のうちは薬に頼りたくないと思っていたけれど

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0歳から4歳になった今も続く自閉症息子の睡眠の悩み。低年齢のうちは薬に頼りたくないと思っていたけれど

監修:鈴木直光

筑波こどものこころクリニック院長

100日を過ぎたころから始まった夜泣き

0歳〜1歳。睡眠に関する問題は産まれたときから顕著に現れていました。

育児記録を読み返すと生後2ヵ月までは〝一日中ぐずり、ぐずって23時にやっと寝る。2時までぐずる。5時までぐずる。〟などと書かれており、夫婦で交代しながら抱っこをして部屋を歩き回っていなければずっと泣いている状態で、疲労と寝不足でイライラし、お互いに余裕が持てず険悪な状態になっていました。

100日を過ぎ、寝返りをするようになったころには夜泣きが始まり、毎日23時ごろから2〜3時間、だいたい決まった時間に泣くようになりました。生後半年ごろには、〝最近、4時から5時に起きる癖がついている。謎。〟と書かれており、このころから1歳までは、事あるごとに自閉スペクトラム症(ASD)を疑ったり、疑ってごめんね、と葛藤する様子が書いてあったり。【ギャン泣き】という言葉や【なぜ泣くのだろう?】という言葉がたくさん出てきて、当時を思い出すとつらくて心がギュ〜ッとなります。

昼間の癇癪と夜驚に悩まされる日々

1歳〜2歳。1歳を過ぎ、クレーン現象が始まったころには、23時に入眠、24時半の夜泣きが3時まで続き、それから朝まで遊び続けるという地獄のような日々が始まりました。

早めに入眠できた日も、〝夜すんなり寝たのだけれど、2時半に起きてしまって6時まで寝なかった…確実に私のせい〟と、起きた原因で自分を責めたり、夫を責めて喧嘩になったりすることも多くなりました。

息子は昼間の癇癪が増え、私は寝不足で余裕もなく、叱ることが増え…第二子妊娠中の眠気もあり、身体がだるくて外に連れ出してあげることもできず、精神的にも肉体的にもつらい日々を過ごしていました。

2歳〜3歳。第二子を出産後、昼間の癇癪や夜泣きは激しさを増しました。夜泣きというより夜驚で、突然泣き叫んで起き、何をしてもおさまらないギャン泣きが数時間続くという感じでした。

出産から2ヵ月後には睡眠不足とストレスから、乳腺炎に。私に40℃近い発熱があっても容赦なく夜驚は起こり、泣いたあとには2時から5時まで騒ぎ、走り回る…。このころは授乳と夜驚で眠れず、昼間も眠れる状況ではなかったため、ほぼ寝た記憶がありません。夜中にパニック状態で数時間泣かれることに耐えられず、車の中に連れて行って泣かせることもありました。

そんな状態で耐えられたのは、先輩ママさんたちの「3歳になったら落ち着くよ」説があったからでした。

3歳になって落ち着いた⁉も束の間

3歳〜4歳。3歳になり幼稚園(プレ)に入園したころ、一瞬、夜泣きがなくなりました。

本当に落ち着いた!!!と思ったのも束の間。秋になり行事が増え、ストレスも溜まってきたころにはまた再開。息子の睡眠障害は3歳になって落ち着くような甘いものではありませんでした。夜中に覚醒して朝になっても全く眠らず、やっと昼寝をしたと思ったら10分で目が覚めてしまうショートスリーパー。さらに寝不足のため 集団生活の中で受ける刺激も多く、過敏は増し、大癇癪を起こすことも多くなりました。

早い段階で医師から薬を勧められてはいましたが、低年齢のうちはまだ薬に頼らず環境を整えることで解決したいと粘っていた私。夜も昼も眠れず、苦しみ悶えながら癇癪を起こすつらそうな息子を見ていることに耐えられず、4歳が近づいてきたころに投薬の決意を固めました。

それと同時に、息子は映像や歌が記憶に残りやすいので、その残像にうなされているのではないかと療育の先生から助言もいただき、テレビやYouTubeなどの映像を観せる時間を大幅に減らしました。

易刺激性の薬を飲み始めて

現在 朝晩に易刺激性の薬を飲み始めて3ヶ月ほど経ちました。入眠はスムーズになり、夜中に一瞬起き上がるタイミングがあったり、夜泣きをしたり、覚醒して遊び始めることも未だにありますが、何もなければ午前5時くらいまで、9時間ほど安定して眠るようになりました。(本当はもう少し寝てほしい…)

あくまでも私個人の考えですが、投薬は親が楽になるためにすることだと思っていたので、自分が我慢をすれば飲ませなくてもよいという気持ちでした。でも、いざ投薬をしても親はぜんぜん楽にはなりません。相変わらず大変です。ただ、息子は入眠が安定し、受けていた刺激も和らぐのか、日中、酷い癇癪が起こることが減りました。夜中に何か恐ろしいものに怯えて突然起き上がり、泣き叫ぶことも減りました。

決して投薬を勧めているわけではありません。今、この瞬間に悩んでいる親御さんの参考になれば幸いです。睡眠の問題といっても症状はみんなそれぞれ違います。

入眠も遅く、夜泣きは酷い。早朝から騒がれて、昼寝もしてくれない。もう何日も寝ていなくて、本当につらくて、こんなことがいつまで続くのかと闇のなかで子どもを眺めながら泣いている人がいたら、一人じゃないよと伝えたい。みんなでこのつらい幼少期をなんとかやり過ごしましょうと伝えたい。あ~!寝過ぎて逆に眠い!!と言える日がきっと来ると信じて。

執筆/かさはらあやこ

(監修:鈴木先生より)
脳内で睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンが分泌される4ヶ月頃から赤ちゃんは夜間中途覚醒なく眠ってくれるようになり、サーカディアンリズム(概日リズム)が確立してきます。メラトニンは光によって抑制されるため、夜更かししているとTV映像や室内の光等でメラトニンが抑制され覚醒状態になり、サーカディアンリズムが乱れてきます。リズムが乱れると癇癪を起こしやすくなります。昼夜の区別をしっかりと分けて早寝早起き朝ごはんがいいのです。お子さんの将来のためには、2歳までの規則的なサーカディアンリズムが必要です。
ただ、自閉スペクトラム症(ASD)のお子さんは感覚に敏感なためなかなか寝てくれません。抱っこして寝ても布団に下ろすと目が覚めて泣いてしまうのです。こうして入眠時刻が遅くなり、サーカディアンリズムが乱れると夜泣きが多くなります。
サーカディアンリズムを乱さず夜泣きを防ぐためには投薬によるコントロールも必要です。昼間の癇癪を抑えて行動を落ち着かせる「リスペリドン」などの抗精神病薬や最近登場したメラトニンホルモンである「メラトベル」などを使用します。また、夜間騒いだり、歩き回ったりするような夜驚症には「ジアゼパム」を使用します。一生飲むわけではありません。日中や夜間の環境が整ってくれば中止できます。親御さんの中には薬の副作用などを心配される方もいるかもしれませんが、投薬によって叱ることが減りお子さんの自尊心を高めることができます。親子ともバタンキューのリズムでぐっすりと眠り、翌朝から元気に活動できる生活が理想なのです。

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