神戸三宮『茜屋珈琲店』が愛される理由―創業60年のゆるがぬ美学 神戸市
質の高いコーヒーを、ハイブランドのカップで提供する珈琲店の先駆けであり、全国に姉妹店を持つ『茜屋珈琲店』(神戸市中央区)が、2026年に創業60年を迎えました。
お店は阪急線・神戸三宮駅の西口を出てすぐのビルの2階。チェーン店の並ぶにぎやかな通りにたたずむ、年季の入った木の看板が目印です。
お店に続く階段の壁に掲げられたメニュー表にも歴史を感じます。「高いがうまいお菓子」…これは心をくすぐられますね。
まずはコーヒーを。使用しているコーヒー豆は、創業当時からずっと変わらず萩原珈琲のもの。
豆の鮮度とお湯の温度、そしてタイミング。どれが欠けてもこのように豆が膨らむことはありません。
丁寧に入れられた一杯からは、苦みとコクがしっかり感じられます。そして余韻がとってもまろやか。これは濃厚なお菓子と相性抜群のはず…!
そこで気になっていた「高いがうまいお菓子」を。ガトーショコラとザッハトルテ、ブラウニーをかけ合わせたイメージで、いまも先代店主の奥様が手作りされているそうです。ねっとりと濃厚なチョコレート生地に、くるみの香ばしさがアクセントになっていて、やはり深煎りコーヒーとの相性は抜群です♡
クラシック音楽の流れる店内で、歴史あるインテリアと名だたるブランドのコーヒーカップを目で楽しみ、手に取って、コーヒーやデザートの香りと風味を楽しむ。まさに五感で味わうひとときですね。
ちなみに今回記者がコーヒーをいただいたのは、創業60周年を記念して作られた大倉陶園の特製カップ。と言っても、単に記念品として作られたわけではありません。実はこちらのカップでコーヒーを楽しんだあとは、コーヒー代込みの10,000円(税抜)でお持ち帰りができるのです。
茜屋珈琲店といえば、コーヒー1杯が80円だった時代に995円で提供していたというエピソードをご存じの方もおられるかも知れません。実はそれだけでなく、一時はカップのお持ち帰りがセットになった9,900円のコーヒーも提供されていたとのこと。
いずれも初代店主のアイデアから生まれた商品ということですが、特に広告を打たなくても、粋な試みは神戸っ子たちの心をつかんで、あっという間に評判になったのだとか。
「創業者のこだわりを守りながら、新しいことにチャレンジしていきたい」と語る3代目店主の森さん。老舗でありながら挑戦を忘れない姿勢に、これからの展開への期待が高まります。みなさんもぜひ、上質で特別な一杯を味わいに訪れてみてくださいね。
場所
茜屋珈琲店
(神戸市中央区北長狭通1丁目9-4 岸卯)
営業時間
12:00~22:00(L.O.21:30)