約8割が荷物を床置きしない席を希望 フリーアドレス勤務経験者が対象の「職場の居心地」の調査
オフィス環境のデザインや施工などを手がけるプラス(東京都渋谷区)は2月4日、職場の居心地について調査結果を発表した。調査の結果、フリーアドレス制で座席を選ぶときには、デスク面の広さよりも、長時間座っても疲れない椅子や机を重視していることがわかった。
約8割が荷物を床置きしない席を希望、サイドキャビネットが減ったことが一因?
フリーアドレスオフィスでの勤務経験者を対象に、座席を選ぶときに重視するポイントについて聞いたところ、84.7%が「長時間座っても疲れない椅子や机がよい」と回答した(とてもそう思う、そう思うの合計)。次に多い「荷物の置き場がある(荷物を床置きせずに済む)席がよい」(同82.6%)とともに8割が希望していることが明らかになった。
調査では「荷物を床置きせずに済む」という項目が、調査担当者の予想よりかなり上位だったと言及。昨今のフリーアドレスオフィスで、サイドキャビネットが置かれないことが多い点を指摘している。
静かな席もザワザワした席もニーズあり 人気の席は個人差が大きい
回答者のオフィスは半数が「全席予約不要」で、その日座る席は「当日決める」人が過半数に達する(57%)。そこで、よく座る席と、その席を選ぶ理由を自由回答で聞いたところ、以下のような意見が寄せられた。
窓際の席
・窓際のソファー席。オンラインで商談をすることが多いので、できるだけ人が周りに少なくて静かな席がよい
・窓の近く、休憩時に外を見てリフレッシュ
静かな席、周りの目が気にならない席
・仕切りが高くて周りの目を気にしない席に座ると集中力が上がる
・少し奥まった席を選んでいる。仕事中にあまり話し掛けてほしくないから
静かすぎない席
・なるべくざわざわしたエリアを選んでいる。電話対応が多く、静かすぎない場所がいいため
・静かすぎない場所が好きだから
コミュニケーションを取りやすい席
・他部門の人と接することも可能なエリアを選べるときには率先して選んでいる
・他部門の情報がさりげなく入手できるところ
チームメンバーの近くの席
・業務で関係のある人の近くに座りたい。1人でやるときは環境がいいところ
テーブルが広い席
・資料などが多く閲覧できる広い机の方が、効率が上がるので、選びたい
フリーアドレスのオフィス勤務でも業務の都合でほぼ固定席、という声も挙がっており、「自分で席を決めることはできない」人も11.6%いた。
オフィスリニューアル時に「ABW」を導入する企業も増加
オフィスリニューアルの際にABWを取り入れる企業が増えており、各企業に合わせた工夫が加えられている。SOMPOひまわり生命保険(東京都新宿区)は本社移転時に、オフィス面積を約40%サイズダウンし、3種類のワークシーンを想定して必要となる設備を各所に設置した。野原グループ(東京都新宿区)は、グループフロアとともにソロワークフロアを確保した。
フリーアドレスの課題として、半数以上が「誰がどの席にいるかわからない」と感じているという調査結果もある。TDCソフト(東京都千代田区)は、組織や事業ドメインごとの専用グループアドレスゾーンを設置した。
月刊総務オンラインでは、オフィスに新たに求められるようになった「居心地」など、職場づくりの重要な要素について詳しく解説している。
プラス「職場の居心地WEB調査」は、従業員数100人以上の職場で働く、フリーアドレスオフィスでの勤務経験があるデスクワーク中心の会社員500人を対象に、インターネット調査で実施。回収日は2024年12月26日。発表の詳細はプラスの公式リリースにて確認できる。