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藤ヶ谷太輔が稀代の色男ドン・ジュアンに再び挑む! ミュージカル『ドン・ジュアン』東京公演いよいよ開幕

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ミュージカル『ドン・ジュアン』舞台写真

2021年10月21日(木)、藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)主演のミュージカル『ドン・ジュアン』東京公演がTBS赤坂ACTシアターにて開幕した。本作はモーツァルト作のオペラ『ドン・ジョヴァンニ』などで知られる「ドン・ジュアン伝説」を基に、フェリックス・グレイが作詞・作曲を手掛けミュージカル化した作品。2004年にカナダで初演され、日本では2016年に生田大和(宝塚歌劇団)の潤色・演出により宝塚歌劇団にて初演、2019年には藤ヶ谷を主演に迎えてTBS赤坂ACTシアターにて上演された。

今回は藤ヶ谷と生田が再びタッグを組み、10月7日(木)〜17日(日)の大阪公演を経てさらにパワーアップして東京での初日を迎えることとなった。この東京公演初日直前に行われたゲネプロと囲み取材の模様を、写真と共にレポートする。

【あらすじ】
スペイン・アンダルシア地方。赤い砂塵の舞うセビリア。
そこにあらゆる女を魅了して、悪徳と放蕩の限りを尽くす男がいた。
男の名はドン・ジュアン。彼は今宵も欲望の赴くまま、騎士団長の娘を毒牙にかける。
娘を穢されたと知った騎士団長は激怒し、決闘を挑むが、
彼は騎士団長をせせら笑うかのようにその剣をかわし、相手の命を奪う。
それが愛という名の呪いを招くとも知らず……。

スペイン南部の街、セビリアの大地が舞台上に広がっている。赤い風の音が聞こえてくるとドン・ジュアンを取り巻く大勢の人々が登場し、彼の名を口にする。情熱の国スペインのフラメンコをベースとしたラテン・ミュージック、そしてアンサンブルキャスト陣による華やかなダンスが物語を盛り上げる。

そこに一人の男が舞台奥から現れる。漆黒の衣裳を身にまとい、女と酒に溺れながら刹那的に生きる男、ドン・ジュアンだ。

荒々しいセリフ回し、鋭い眼光、自信に満ち溢れた堂々とした振る舞いのドン・ジュアン。一挙手一投足から、男の色気が漂う。一体どれほどの女たちを泣かせてきたのだろうか。そんな色男ドン・ジュアンを、初演からさらに深化させて演じきったのは藤ヶ谷太輔だ。持ち前の色気を惜しみなく舞台上で放出し、圧倒的な存在感を見せた。何よりも見どころは、ドン・ジュアンが真実の愛を知って変貌していくその姿である。初めて触れた愛に戸惑う様は実に人間味があり、人を人とも思っていなかったであろう彼が愛らしいとさえ思える。愛の喜びを知ってからの彼は、表情のみならず歌声にさえ煌めきが感じられた。

それ程までにドン・ジュアンを変えてしまったのが、真彩希帆演じる彫刻家のマリアだ。凛とした瞳が印象的な真彩は、確固たる意志を持って生きる自由な芸術家を好演。伸びやかで美しい歌声で劇場中を魅了した。

戦地に赴く間に、婚約者のマリアをドン・ジュアンに奪われてしまうラファエルを演じたのは、本作二度目の出演となる平間壮一。戦場に行く前にマリアに見せていた幸せそうな笑顔は一変し、ドン・ジュアンと死物狂いで決闘するシーンは鬼気迫るものがある。

ドン・ジュアンを友人と呼び、彼の身を案じて世話を焼いてくれるただ一人の人物、ドン・カルロ。誰よりもジェントルマンな彼は、奔放に生きるドン・ジュアンを複雑な想いで支え続けた。そんな優しい男を、上口耕平は慈しみが感じられるあたたかい歌声で表現していた。

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(2021年)のジュリエット役に大抜擢された天翔愛は、ドン・ジュアンを愛してしまったが故に愛と憎しみの間で揺れ動く元修道女エルヴィラを熱演。純朴で世間知らずな若い女という枠に収まらない、女の魅力を振りまく体当たりなシーンは必見だ。

本公演は、バレエ界の女王・上野水香(東京バレエ団)が出演することでも注目を集めている。上野はドン・ジュアンが通う酒場に突如現れるアンダルシアの美女として、力強くも軽やかな舞いを披露。怪しげな美しさを放ち、ドン・ジュアンはもちろん、その場にいる大勢の男たちを魅了した。

本作の脇を固めるベテラン陣も紹介しよう。騎士団長/亡霊役の吉野圭吾は、亡霊となって以降はおどろおどろしい姿となり、生身の人間とは異なる独特の存在感で舞台上の空気を支配。ドン・ジュアンのかつての女イザベルを演じる春野寿美礼は、酸いも甘いも知り尽くしている大人の女を説得力ある演技で見せてくれた。鶴見辰吾扮するドン・ジュアンの父ドン・ルイ・テノリオからは、厳格な父としての言葉の奥にある息子への愛がひしひしと伝わってきた。

上演時間は1幕90分、休憩25分、2幕65分の計3時間。11月6日(土)まで東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演が続く。情熱的で刹那的、まるで薔薇のようなドン・ジュアンの生き様をその目に焼き付けてほしい。

ゲネプロ終了後には興奮冷めやらぬまま囲み取材が開催され、藤ヶ谷、真彩、鶴見、生田(演出)らが姿を見せた。

(左から)鶴見辰吾、藤ヶ谷太輔、真彩希帆

自身二度目のミュージカル、そしてドン・ジュアン役に再び挑む藤ヶ谷は「再演なので前回よりも全てにおいてパワーアップしていなきゃいけないというプレッシャーはありますが、このカンパニー・スタッフならそれを乗り越えていけるという自信があります」と意気込む。

藤ヶ谷太輔

そんな藤ヶ谷と初演時から“いくちゃん”、“たいちゃん”と呼び合う演出家の生田は、「たいちゃんの演技、そしてカンパニー全体も、2年前に比べますとより奥行きと深みを感じております」とし、十分手応えを感じている様子だ。

生田大和

本作が宝塚歌劇団退団後初の舞台出演となる真彩は、男性と抱き合うシーンについて問われると「人というものを男性・女性としてあまり見ていなくて。パフォーマーとして舞台上でやる仲間として見ているので、男性だからドキドキするというよりかは、マリアとしてドン・ジュアンに対してのトキメキを毎日感じさせていただいております」と愛らしい笑顔で答えた。

真彩希帆

また、藤ヶ谷について「パフォーマーとしてもとてもスターだなと。人を引きつけるその魅力がドン・ジュアンに繋がるのだと、稽古場から思っていました」と熱く語ると、初演から引き続きドン・ジュアンの父親役を担う鶴見も「ドン・ジュアンは芝居がうまくて歌がうまいだけじゃダメなんですよ。できる人はねえ、今考えると藤ヶ谷くんしかいないんじゃないかなって。大分板についてきて、もう自分のものにしてる」と大絶賛。続けて「人間の深みがドン・ジュアンに出てきた。そこがやっぱり今回のグレードアップした一番大きな見どころじゃないですかね」と、再演の見どころをアピールした。

鶴見辰吾

初演と違ってコロナ禍での再演となった今回の公演。藤ヶ谷からは、カンパニーでZoomを使ったコミュニケーションを取ったというエピソードや、自身のデザインで薔薇をモチーフにしたチームウェアを作ったというエピソードが飛び出した。するとすかさず鶴見が、チームウェアは初演のメンバー分も作られたことに触れ、「そういう気遣いが藤ヶ谷くんのハートの良さですね」と座長の心遣いを讃えた。藤ヶ谷は「作らないと、前回のマリアと今のマリアがバチバチしちゃうので(笑)」と、モテ男ドン・ジュアンらしいコメントを返して笑いを誘った。

(左から)鶴見辰吾、藤ヶ谷太輔、真彩希帆

囲み取材の最後は、登壇者一人ずつからのコメントで締め括られた。

生田:このセットは初演からずっと我々のセビリアで、床も初演のまま。この床の上に無数の傷跡がついているんですね。カンパニーのメンバーの足跡なんですけど、きっと初演メンバーの足跡もあるんだろうなと。初演、再演メンバー含めて一丸となって今日の東京公演初日から大千穐楽まで駆け抜けていこうと思いますので、ぜひみなさま引き続きご支援よろしくお願いします。

鶴見:このようにみなさんの前で演じて舞台の上に立つ喜びをお届けして、千穐楽まで藤ヶ谷くんとスタッフ、キャストと共に、ミュージカル、演劇、エンターテインメントの力をみなさんにお届けしたいと思います。

真彩:退団後初舞台ですが、こんなに幸せなことがあっていいのかというくらい、本当に素敵なスタッフ・キャストのみなさまと出会えて毎日が幸せです。劇場で上演することの大切さを今回改めて感じました。千穐楽まで無事に届けられるように精一杯頑張りますので、最後までよろしくお願いいたします。

藤ヶ谷:再演という形で、初演のときよりも全てにおいて深さや奥行きを出そうと今回やっていますし、命を削ってその日にできることを全部出し切るという想いでやっています。本当にエネルギーのある作品だと思います。ぜひ劇場に観に来てくだされば嬉しいですし、来られない方も心の中で応援してくださればすごく嬉しいなと。誰一人欠けることなく大千穐楽まで走り抜けたいなと思っておりますので、ぜひぜひ応援の程よろしくお願いします!

なお、本公演は待望のDVD化が決定。2022年4月15日(金)に発売を予定している。劇場へ足を運べなかった方もこのチャンスをお見逃しなく。

取材・文・写真=松村 蘭(らんねえ)

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