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【PFFアワード2020】グランプリは『へんしんっ!』齋藤工「監督の感性に支配され、魅了された」

ウレぴあ総研

第77回ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した黒沢清監督(『スパイの妻』)をはじめ、犬童一心、園子温、李相日、石井裕也らを輩出し、新人監督の登竜門として名高い第42回『PFF(ぴあフィルムフェスティバル)』が開催中の国立映画アーカイブにて9月25日、「PFFアワード2020」表彰式が行われ、石田智哉監督の『へんしんっ!』が見事グランプリに輝いた。

新しい才能の発見と育成、新しい映画の環境づくりをテーマに1977年にスタートした自主映画のコンペティションをメインプログラムとした映画祭。

第42回を迎える今年は、PFF アワードに480本の応募があり、17作品が入選。最終審査員として、大森立嗣(映画監督・俳優)をはじめ、齊藤工(俳優・映画監督)、樋口泰人(プロデューサー)、平松麻(画家)、古厩智之(映画監督)が審査にあたった。

『へんしんっ!』は車椅子に乗った石田監督が、障がい者の表現活動の可能性を探ったドキュメンタリー。映画製作を通して、さまざまな人と関わりあう中で、多様な違いを発見していく。

1997年生まれ、東京都出身。中学生の頃、自分に合った学習方法としてiPadを紹介され、映像制作に興味を持つように。

立教大学入学後、映像制作系のゼミに所属し、ボランティアサークルでは、バリアフリー映画上映会も行っている。

本作が初監督作品となり、「自分が監督すること、表現することに葛藤もありましたが、作っていて楽しく、自分らしい作品になりました」と受賞の喜びを語っていた。

グランプリを発表した大森監督は「とにかく興奮しました」と『へんしんっ!』を激賞。

「画面の中の(石田監督の)姿に最初はビックリして、でも、問われているのは僕ら観客なんじゃないかなと。彼が楽しんでいる姿が、本当に好きでしたし、思い焦がれていたものを見た気がしました」と作品が放つ魅力に圧倒された様子だった。

また、齊藤は準グランプリを受賞した『屋根裏の巳已己』(監督:寺西涼)について、「完全に一目ぼれでした」とこちらも興奮しきり。

「理屈ではわからない何かが、自分の中でこびりついて、すぐにもう1度見たくなった。監督の感性に支配され、魅了され、心地よい時間をいただいた」と振り返っていた。

第42回を迎えた今年は、新型コロナウイルス感染予防のための消毒や検温、換気を徹底し、定員数を約3分の1に制限し、ソーシャル・ディスタンスを確保して実施。

世界三大映画祭を制した映画作家ロイ・アンダーソンの特集、PFFスカラシップ作品のお披露目など、オンライン配信を含めた貴重なプログラムで、「withコロナ」時代における映画祭の新たな可能性が模索された。

<グランプリ>
『へんしんっ!』(監督:石田智哉)

<準グランプリ>
『屋根裏の巳已己』(監督:寺西涼)

<審査員特別賞>
『未亡人』(監督:野村陽介)
『頭痛が痛い』(監督:守田悠人)
『MOTHERS』(監督:関麻衣子)

<エンタテインメント賞(ホリプロ賞)>
『こちら放送室よりトム少佐へ』(監督:千阪拓也)

<映画ファン賞(ぴあニスト賞)>
『LUGINSKY』(監督:haiena)

<観客賞>
『アスタースクールデイズ』(監督:稲田百音)

<入選作17作品>
『アスタースクールデイズ』38分 監督:稲田百音(18歳/東京都出身/成蹊高等学校)
『霞姫霊異記』57分 監督:高階匠(31歳/東京都出身/映像制作会社勤務)
『こちら放送室よりトム少佐へ』10分 監督:千阪拓也(22歳/兵庫県出身/日本大学 藝術学部)
『頭痛が痛い』131分 監督:守田悠人(22歳/愛知県出身/酒屋アルバイト)
『タヌキ計画』41分 監督:チェ・ユシン(24歳/台湾出身/東放学園映画専門学校)
『追憶と槌』8分 監督:金井啓太(25歳/東京都出身/東京藝術大学 映像研究科メディア映像専攻)
『遠上恵未(24)』26分 監督:遠上恵未(26歳/東京都出身/ENBUゼミナール 映画監督コース)
『パンク』44分 監督:鈴木順也(31歳/神奈川県出身/横浜シネマ・ジャック&ベティ勤務)
『Fear of missing out』36分 監督:河内彰(32歳/兵庫県出身/会社員)
『フィン』36分 監督:小池茅(26歳/東京都出身/会社員)
『冬のほつれまで』67分 監督:多持大輔(24歳/茨城県出身/武蔵野美術大学大学院 造形研究科)
『へんしんっ!』93分 監督:石田智哉(22歳/東京都出身/立教大学 現代心理学部)
『MOTHERS』63分 監督:関麻衣子(22歳/東京都出身/会社員)
『未亡人』54分 監督:野村陽介(23歳/埼玉県出身/東京藝術大学 美術学部)
『もとめたせい』30分 監督:矢部凜(22歳/滋賀県出身/京都造形芸術大学 芸術学部映画学科)
『屋根裏の巳已己』102分 監督:寺西涼(24歳/神奈川県出身/清掃員アルバイト)
『LUGINSKY』63分 監督:haiena(42歳/東京都出身/フリーランス)
※作品名50音順。上映時間、年齢、職業(学校名)は応募時のもの

「第42回ぴあフィルムフェスティバル」
【会期】2020年9月12日(土)から26日(土)まで※月曜休館
【会場】国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋3-7-6)

(ぴあWEB/内田 涼)

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