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【川崎市高津区】たちばなふれあいの森「ホタル観賞会」 20余年の歴史に幕 5月末開催を以て終了へ

タウンニュース

最終回の日程はホタル生育状況により変更の場合あり(開催時間などを含め同会HPにて要確認)

 区民の憩いの場として広く親しまれている「高津区市民健康の森」(通称・たちばなふれあいの森)を会場に長年行われてきた「ホタル観賞会」。初夏の風物詩として親しまれてきたこの催しが、環境の変化や飼育の難航などに伴い、5月末に予定されている開催を最後に終了せざるを得ない状況となったことが分かった。

20余年もの歩み

 この鑑賞会は、同所の保全管理を担うボランティア団体「高津区市民健康の森を育てる会」(村上寛会長)などが、20年以上にわたって手掛けてきたもの。同会メンバーは例年、水温管理やエサの与え方が難しいとされる幼虫の飼育に取り組み、時には業者からの購入で個体数を補いながら、無事に成虫へと羽化させて飛翔するまでの生育環境の整備に尽力。近年ではホタルの主食となるカワニナの入手も困難を極める中、会員自らが採集のために千葉県にまで出向くなど、その献身的な支えによって活動を地道に継続してきた。

 また、イベント運営における安全確保や集客、近隣住民への配慮についても可能な範囲で力を尽くした結果、期間中には延べ約2500人が来場し、幻想的な光の舞に酔いしれる人気イベントに成長。開催後には次世代へ命を繋ぐためにメスホタルの捕獲を試みるなど、年間を通じた作業が繰り返されていた。

 さらに、会場近くの川崎市立橘小学校では、同会のメンバーが卵の採取や孵化から育成までを手掛けた幼虫を同校の2年生児童たちの手によって「ホタルの沢」へ放流する行事が恒例に。放流前には、メンバーが小学校へ出向いて「ホタルの話」と題した出前授業を実施し、生態をしっかりと学んだ子どもたちが、紙コップに入れられた幼虫を愛おしそうに沢へと放流する微笑ましい姿が、多く見られてきた。

環境悪化、抗えず

 しかし、長年にわたり紡がれてきたメンバーの熱意と子ども達の笑顔のバトンも、深刻な環境の変化には抗えず、その歴史に幕を下ろすことになった。同会関係者は「苦渋の決断をせざるを得なくなった背景には2つの大きな理由がある。1つ目は、地球温暖化の影響とみられるホタル幼虫の飼育難化。近年は気候変動の煽りを受け、専門の飼育業者でさえ育成に失敗するほど、年々終齢まで健やかに育てる環境整備が厳しくなっている。2つ目は、ホタルの生息地である『ふれあいの森』内の環境悪化。かつて豊かな水をたたえていた『ホタルの沢』の水量が著しく減少し、現在は枯れかけている状況にある。ホタルの幼虫が生育するための持続可能な水環境が維持できなくなったことは(鑑賞会終了の)決定打となってしまった」と説明する。その上で「地域の方に長く親しまれた行事であるからこそ、有終の美を多くの人に見届けてもらえれば」と話し、5月29日(金)から31日(日)の予定で行われる最後の鑑賞会へ来場を呼び掛けている。

橘小児童による放流の様子

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