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サッカー以外の視野を広げ「子どもたちの笑顔を増やしたい」|『U-30ホームタウンサロン』1期生 参加者インタビュー vol.1

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スポーツクラブにおいて大切な“ホームタウン”を軸に、若手の人材育成の場として誕生した『U-30ホームタウンサロン』。
モンテディオ山形 相田健太郎社長をはじめ、スポーツクラブ経営者、現役選手、など豪華な登壇者の講義、自身の興味のあるチームに分かれ、スポーツクラブへの事業提案を練りに練ってプレゼンしたグループワーク。

自身の業務もありながら5か月間を駆け抜けたメンバーに、その感想を伺いました。

今回は、株式会社エスパルス(Jリーグ・清水エスパルス)のサッカー・ダンススクール運営・広報担当として働く波多野響子さん(以下、波多野)にお話を伺いました。実際にJクラブで働きながら、地域の子どもたちや保護者に一番近いところで働く彼女が抱く“教育”への想いとはーー。

モンテディオ山形の『エデュケーショナルデー』を経て

ーー波多野さんが『U-30ホームタウンサロン』に参加しようと思ったきっかけは?

波多野)昨年5月に行われた、モンテディオ山形さんの『エデュケーショナルデー』が大きなきっかけです。SNS上で、「平日13時キックオフで教育をテーマにした試合がある」と知り、前職の教育系の企業も関わっていると知った私は、自クラブの試合でもないのに上司にお願いし、視察に行きました。

そこで出会ったのが、今回のサロンを主催する株式会社HAMONZの代表の山﨑蓮さんです。『エデュケーショナルデー』の仕掛けや、noteで書かれていることを見て、いろいろとお話を聞きたいと思っていたところ、このサロンが開講されると知り、「おもしろそうだな」ということと、「29歳の今しかない!」と思って参加することにしました。

ーー『U-30ホームタウンサロン』にどんなことを期待していましたか?

波多野)清水エスパルスというクラブにいて、他のクラブがどのような想いでホームタウン活動をしているのかを聞ける機会はなかなかありませんでした。また、エデュケーショナルデー以降興味を持っていた、モンテディオ山形の相田社長のお話を聞けるというのもすごく楽しみにしていたことでしたね。
私はホームタウン活動の担当ではなく、自分から勉強しようとしないと他クラブや他のスポーツの情報を知ることはできないとも感じていたので。

ーーなるほど。スポーツクラブで働いているからと言って、その業界のことでも新鮮な情報がたくさんあるのですね。

波多野)湘南ベルマーレフットサルクラブの佐藤社長や、秋田ノーザンハピネッツの水野社長の講演など、他競技の話は本当に勉強になりました!

視野が広がった“本気の”講義

ーー講義の中で印象に残ったのはどのようなことですか?

波多野)それぞれ魅力的な講師陣が、経営に関わる話も多い中でいろいろと本気で「こんな話していいの?」ということまで話していただいたことですね。皆さんPCの画面を通してもわかる“本気の顔”をされていました。もしリアルだったら、本当に前のめりでかぶりついて聞いていたと思うくらい、充実していておもしろかったと感じる時間でした。

ーー講師の皆さんは本当に熱量高く話してくださいました。なにか共通する点などはありましたか?

波多野)それぞれの活動が、「ホームタウンにとっていいことをしよう」という単純な話ではなくて、地域の課題を解決し、自チームの課題にもつながり、関わる人たちにとってお互いにハッピーなものにするために真剣に向き合いつつ、持続可能な形を取っていると感じました。
自チームで私が関わるプロジェクトも、いいことだけれど皆が幸せか、誰かが抜けても持続できるかという点は課題を感じています。なので、クラブとしてそうした活動を作り上げてきた過程の話が聞けたことはとてもよかったです。

ーー課題に感じていたことに、答えてくれるのはいいですね。質疑応答でも波多野さんは積極的に発言して、いい言葉をたくさんもらっていましたね。

波多野)そうですね!とくにクリアソン新宿の丸山社長のお話で、「ワクワク」や「いきいき」を大事にされていることが印象的でした。こうした気持ちを軸に本気で取り組むからこそ、クリアソンの楽しそうな空気が第三者からも見えるのなのだなと思いました。

「なぜ」を考え続けたグループワークでの事業提案

ーースポーツクラブへの事業提案を考えたグループワークはいかがでしたか?かなり大変だったのではないかとも想像します(笑)。

波多野)対象となるクラブはBリーグのクラブに決まっていましたが、どんな地域課題に対して取り組むのか、なぜ取り組むのかというところから考え始めました。いままでは、いかにお金を出してくれる企業にとっていいことか?という点で企画を考えることが多かったのですが、「なぜ」にここまで向き合うことが本当に新鮮で、大変ではありましたが(笑)、やってよかったなと思います。

ーー実際に試合観戦にも行ったり、SNSでの発信も感度高く拾っていましたね。

波多野)もはやファンになりました(笑)。本気で向き合い、のめり込んで取り組めました。

ーーメンバーと一緒に取り組んだことはいかがでしたか?

波多野)今回のサロンでは、学生メンバーも参加していました。私自身は、年齢的にも社会人経験的にも引っ張っていかなければという想いもあり、活きのいい学生とのギャップに少し困っていたこともありました。メンバーのみんなも仕事やそれぞれの活動で大変で、なかなか全員そろって話し合いができないときも多かったのですが、こうやってモヤモヤを抱えながらも内容を進め、形にできたことはいい経験になりました。

メンバーとは何度もオンラインで話し合い、「なぜ」に向き合い続けました。

ーー最後のプレゼンでは発表者も務めましたね。ストーリーのあるいい発表でした。

波多野)「なぜ」に向き合い続けたおかげで、メンバーが腑に落ちた状態で「なに」をするかを提案できたことは良かったと思います。我慢した甲斐があったなと。

これからの自分へ

ーーこのU-30ホームタウンサロンが実際の業務に活かせていることはありますか?

波多野)ほかのチームの発表の中で、親子3世代を絡めた提案を行ったチームがありました。これは私たちの清水エスパルスでも取り組もうとしていることで、その課題へのアプローチがいいなと感じたので、実際にプロジェクトを進めているメンバーにもすぐに共有しました。メンター陣からのフィードバックでも気づきがありましたし、刺激をたくさんいただきました。

また、Bリーグクラブをはじめ、サッカー以外のところにアンテナが本当に広がり、SNSのタイムラインも以前と比べてすごく変わるなど、自分に入る情報の量や質が向上したと感じています。

ーー今後、波多野さんの人生ではどんなことを実現していきたいですか?

波多野)サッカー界に限らず、子どもたちやそのお父さんお母さんの笑顔を増やす場所をつくりたいということが一番の目標です。学校でも家でもなく、サッカーやダンスのスクールがそうした場所になればと思いますし、スタジアムにもそうした価値は大きなものを持っていると思います。
競技の枠も超えて、当たり前にスポーツクラブと触れ合う機会があり、わくわくする日々を子どもたちが経験をして大人になっていってほしい。そうしたわくわくを届けられる存在として成長していきたいと思います!

ーーありがとうございました!

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