ヤクルトの1位指名は競合上等 今年も投手の目玉へ特攻なら6年連続【球団別ドラフト指名傾向】
1位は投手が基本線
今年は10月24日に開催されるプロ野球ドラフト会議。本番まであと数日となり、各球団の編成担当は当日に向けて候補選手の最終確認、絞り込みに追われていることだろう。
本記事ではそのドラフトに向けてSPAIAに掲載している「ドラフト歴代指名選手一覧」を使用し、球団ごとにどのような指名傾向があるのか、過去のドラフトから探ってみたい。今回はヤクルト編。
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はじめに、全体の指名傾向を見ていく。2004年以降、ヤクルトは合計145人(育成含む)の選手を指名しており、そのうち投手が82人で全体の約57%と半分以上を占めている。高校生、大学生、社会人(独立リーグ含む)の割合は、それぞれ約33%、34%、33%とほぼ均等に指名していた。
2004年以降の各分類別指名人数
次に、より具体的に近年の傾向を探るため、2014年以降の過去10年間において、上位指名(3位以上)を中心にどのような傾向があるのか見ていく。
まずは1位指名について。ヤクルトは2014年からの10年間でなんと8度も競合している。2022年の単独指名は2016年以来6年ぶりだった。とにかく競合上等で、一番評価した選手に入札する姿勢が見てとれる。ただ、抽選で当たった確率は1勝7敗(再抽選も入れると3勝9敗)と低い。ちなみに、過去をさらに遡ると、2009~2015年まで7連敗を喫している(再抽選含まず)。
過去10年のドラフト1位(青色で塗られている選手は投手)
また、ポジション別でみると、村上宗隆を獲得した2017年以外、投手を指名している。2015年は髙山俊(外野手)、2018年は根尾昂(内野手)の抽選を外しての投手指名となったが、それにしても偏っている。突き抜けた野手がいない限りは、基本的に1位は投手という方針なのだろう。
2017年以来の野手1位指名となるか
ここからは上位指名(3位以上)について見ていく。1位指名は投手に重きを置いているヤクルトだが、2位はというと10年中4度は野手を指名していた。3位まで範囲を広げると、「投手2・野手1」が6度、「投手1・野手2」は2022年の1度だけ。投手が上位を独占した年が昨年含め3度もあった。ちなみに、そのうち2016、2019年はともに4位まで投手を指名している。
過去10年ドラフト3位までの指名選手(青色で塗られている選手は投手)
では、数少ない野手の指名はどうなっているかというと、その内訳は捕手2人、内野手2人、外野手4人。珍しく外野手を内野手よりも多く指名している。外野手は他のポジションからのコンバートも多く、優先度が低いのが一般的。ヤクルトは基本的に評価した選手は迷いなく高い順位で指名する傾向にあると言えそうだ。
以上よりヤクルトの指名傾向をまとめると、以下の通りとなる。
・高校生、大学生、社会人バランス良く指名
・1位は競合上等で評価した選手を指名
・上位は「投手2・野手1」が基本型
・定期的に投手が上位独占
・高評価なら高順位で指名
今季もチーム防御率3.64でリーグワーストと投手が振るわなかったヤクルト。現状を考えると、今ドラフトでの1位指名も投手が濃厚だろう。豊作と言われる大学生投手から競合覚悟で一番評価の高い投手を指名する可能性が高い。ただ、主砲の村上宗隆が来年オフにもメジャーへ移籍する可能性があるだけに、後継候補の獲得も必要となる。その村上が指名された2017年以来となる野手の1位指名もあるかもしれない。
※選手のポジションは指名当時
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記事:SPAIA編集部