「粗食信仰」が寝たきりを招く!?「高齢者は粗食がよい」は命取り【DON’T DIE 100歳まで健康に生きるアルブミンの法則】
「高齢者は粗食がよい」は命取り
「年を取ったら粗食がいい」「あっさりした食事が体にやさしい」という考え方は、高齢者の間で根強く信じられています。実際、多くの高齢者は「粗食こそが健康長寿の秘訣」と考え、自分の栄養状態について「十分足りている」と思い込んでいます。
しかし、この「粗食信仰」が、実は高齢者の健康寿命を縮める大きな原因になっていることが、明らかになってきました。
厚生労働省の令和5年国民健康・栄養調査では、65歳以上の高齢者のうち、低栄養傾向にある人(BMI20kg/㎡以下)の割合は、男性12.2%、女性22.4%に上ることが報告されています。特に85歳以上になると、その割合はさらに高くなります。低栄養状態が続けば、体の機能全体が低下し、さまざまな健康障害が現れます。
では、なぜ高齢者は低栄養に陥るのでしょうか。背景には「年を取ったら食事量を減らすべき」「肉や油は体に悪い」といった誤った健康観があります。さらに問題なのは、多くの高齢者が「自分は十分に栄養を摂れている」と過信していることです。
特に問題なのは、かつて健康のために推奨された「コレステロール制限」や「脂質制限」の考え方を、高齢になっても続けてしまうことです。働き盛りの頃に高コレステロールや高脂質を指摘された経験から、卵や肉を避け続けている高齢者は少なくありません。しかし、高齢期に必要な栄養は、若い頃とは異なります。むしろ、意識的にタンパク質を摂取しなければ、体を維持することができないのです。
高齢になると食欲が低下し、消化吸収能力も衰えます。そこに「粗食がよい」という思い込みが加わり、タンパク質源を避けてしまう人が多いのです。結果として、栄養不足に陥り、さらに食欲がなくなるという悪循環が生まれます。
低栄養状態は、血液中のアルブミン値の低下としても表れます。アルブミン値が低い状態は、体の栄養状態が悪化しているサインであり、体力や回復力の低下と深く関係しています。
「粗食」ではなく「バランス食」を心がけることが、健康寿命を延ばすカギとなります。高齢者に必要な栄養、特にタンパク質をしっかり摂取することで、アルブミン値を適切に保ち、元気に長生きすることができるのです。
【出典】『DON’T DIE 100歳まで健康に生きるアルブミンの法則』著:栗原毅/栗原丈徳