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全国でわずか3例 木製の甲(よろい)保存処理終え公開

赤穂民報

有年考古館で公開中の全国で3例しかない木製甲

 赤穂市教育委員会は、75年前に上郡町の西野山3号墳で発掘され、全国で3例しかない木製甲(よろい)の保存処理をこのほど完了。有年楢原の赤穂市立有年考古館で開催中の企画展「西野山3号墳―赤穂郡の前期古墳―」で公開している。

 西野山3号墳は古墳時代前期後半(4世紀後半ごろ)に築造されたとみられる全長32メートルの古墳。1950年に有年考古館初代館長の松岡秀夫と京都大学考古学研究室によって発掘調査が行われ、三角縁神獣鏡や鉄製品などとともに木製の短甲が出土した。

 木は腐って完全になくなっており、表面や裏面に塗られた漆だけが薄い膜として土にこびりついて残った状態。発掘当時は保存処理の技術が確立されておらず、薄めた接着剤を塗布して剥離を抑えるといった応急の処置しかされていなかった。時代が進み、適切な保存処理が可能になったことから、市教委は2022年度から作業に着手した。

 保存処理に伴い、顕微鏡を使った構造分析も行い、改めて材質が繊維や皮革ではなく木製であることの確証を得た。表面には「鋸歯文」と呼ばれる、のこぎりの刃のようにギザギザした文様が施されていることなどもわかった。また、漆の層に挟まれて朱(顔料)が確認され、魔除けや死者の復活などを願って埋葬時に散布されたものとみられる。

 市教委によると、他に木製甲が見つかった例は滋賀県の雪野山古墳、奈良県の上殿古墳の2例のみ。西野山3号墳に木製甲が副葬されていたことについて「当時最新の葬儀の方法を取っていたと考えられる」とする。また、古墳時代よりも古い弥生時代の玉類も出土していることから、「被葬者は地域の有力者としての系譜を持つ人物だったのでは」と推測している。

 企画展では木製甲、三角縁神獣鏡など100点近い資料を展示。赤穂郡内の主な古墳についてパネルで解説している。5月11日(月)まで午前10時〜午後4時(入館は3時半)。入館無料。TEL49・3488。

木製甲のイメージ図=市教委提供

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