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【樂土舎(袋井市)の柳澤紀子さん個展「未-在Ⅱ」】ギャラリートークで作品の「内幕」を感じ取った

アットエス

静岡県のアートやカルチャーに関するコラム。今回は4月4日に袋井市のアートスペース「樂土舎」で開幕した現代美術家柳澤紀子さん(掛川市)の個展「未-在Ⅱ」を題材に。
(写真・文=論説委員・橋爪充)

1996年に袋井市の豊沢地区で始まった「樂土の森アートプロジェクト」の30周年を記念した美術展。柳澤さんの作品展が県内で開かれるのは8年ぶりという。

4月5日に同会場で行われた、県立美術館上席学芸員の植松篤さんを迎えたギャラリートークを聞いた。柳澤さんは16点の出品作を一つ一つ映像として映し出し、モチーフや技法について語った。約60人の聴衆とともに「柳澤芸術」の内幕めいたものを感じとった。

柳澤さんはハンドメイドの建築が連なる樂土舎での展示について、次のように述べた。
「本当のことを言うと、この空間に作品を置くことは勇気が入り用でした。でも、結果的には満足しています。ちょっと他ではできない展示になっている。美しい鳥の声が降ってくるように聞こえ、風が吹くと入口がガタガタ言う。音も楽しい空間です。そして、一歩外に出ると田園風景が広がっている。そういう場所に作品を置くことで、気持ちが高ぶっています」

近年の「動物のことば」シリーズについてはこんな話をした。
「 2011年に福島の原発事故があって、私は2015年、本当に背中を押されるようにチョルノービリ(旧ソ連チェルノブイリ)に行ったんです。(原発)周辺の村は無残な様子だったけれど、皆さん貧しいながらも頑張って生活してらして。みんな農家ですから、動物を飼ってるんですよね。そこにいた牛や豚はもう本当に元気だった。人間よりもたくましく、堂々と生きていて。人間が情けない戦争ばっかりやってるのを見てどう思ってるかなという気持ちで作りました」

柳澤さんの作品は人類と自然の関わりについて語りかける。原発事故や戦争といった、現在進行形のトピックを背景にした作品だとしても、私たちがともすると忘れがちな「自然への畏敬」のような感覚を呼び覚ます。世界中で評価される理由は、柳澤さんが常に「人類の普遍的問題」を扱ってきたからではないか。

<DATA>
■柳澤紀子さん個展「未-在Ⅱ」
会場:樂土舎(袋井市豊沢227-2-2)
会期:4月19日(日)までの金・土・日曜
時間:正午~午後6時
入場料:一般500円、大学生以下200円、小学生以下無料
今後のイベント:
4月11日(土) 柳澤さんのギャラリートーク  午後2時~
4月19日(日) スガダイローソロピアノライブ  午後2時~ 参加費一般4000円、大学生以下2000円、小学生以下無料(美術展入場料含む) 
問い合わせ:樂土舎(電話090-2774-3782、E-mail:rakudonomori1212@gmail.com)

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