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もしもコンサート中に揺れたらどうする?避難訓練コンサート

TBSラジオ

9月1日は「防災の日」でしたが、8月30日、横浜市の「関内ホール」で行われたちょっと変わった避難訓練を取材しました。

もしも、コンサート中に揺れたらどうする?

どんな避難訓練だったのか?関内ホールの小野 良さんに伺いました。

関内ホール・施設部 小野 良さん

「避難訓練コンサート」というコンサートを行いまして、コンサートの最中に災害が発生したと想定。

実際にご来場のお客様を、職員が避難誘導して、安全なところまで案内するというコンサートを開催しました。規模としては「マグニチュード9、最大震度7の地震が発生。

そして、高さ5メートルの大津波警報も発令された」という想定をしています。

やったこととしては「緊急地震速報」の音源を流しまして、音が鳴ってる間は、「地震が起きているので安全を確保して身を低くしてもらって、頭などを守ってくださいね」っていうのを、事前にお伝えした。

<「避難訓練コンサート」は、横浜市「関内ホール」の小ホールで行われました>

<無料開催>

東日本大震災をきかっけに、少しずつ広がっている「避難訓練コンサート」。関内ホールでは初の試みです。

この取り組みは、お客さんは着席して音楽を聴くんですが、その演奏の最中に「揺れた!」という想定で、避難訓練も同時に行います。ただ、どのタイミングで地震が起きるのかはわからず、緊張感のある状態で鑑賞します。

地震→大津波警報

ではここから、実際の訓練の様子をお聴きいただきます。当日は、「横浜市消防音楽隊」による演奏が流れたあとに、曲に割り込む形で緊急地震速報が流れました。

演奏の様子(横浜市消防音楽隊)

(拍手)

♪~『愛のあいさつ』

♪~『君の瞳に恋してる』

<フルート・オーボエ アンサンブル&マリンバアンサンブルが演奏されました(横浜市消防音楽隊)>

スタッフ

ただいま、大きな地震が発生いたしました。安全確保のために、一時、公演を中断します。

お怪我ございませんか…?

訓練、訓練、ただいま、大津波警報が発表されました。施設の職員は地下にいる方を、上の階まで避難誘導してください。

<会場の小ホールに30人ほどのお客さんが入っていました>

まず、地震速報が流れている時間は揺れが続いているという想定なので、スタッフの呼びかけで、「お客さんは身を低くして安全を確保すること」、「演奏者は舞台袖に避難すること」が伝えられます。

そして地震速報が鳴り終わったら、こんどは「大津波警報」が出たことがアナウンスされます。

階段が大変

小ホールは地下1階にあるため、お客さんは3階(海抜9・4メートル)の地点まで避難することになります。参加したお客さんの感想も聞いてみました。

避難訓練があるって聞いていたので、そろそろかなと思ったきだった。でもこれが本当に急に来たときは大変だったかなと思う。

実際起こってみたらわかんないですけど、とりあえず指示通りに動けたと思います。

階段を登るというのは疲れましたけど。避難のときはしょうがないと思ってましたけど、大変でしたね。

どうなるのかっていうのは頭ではイメージできても、まだちょっとドキドキしてます。アナウンスが聞こえない、怖くなっちゃって。最初は「どうしよう、どうしよう」みたいな。

エレベーターが止まって階段を使う際は、車いすの方はどうするのかなど、バリアフリーの問題も考える必要があります。ちなみに、避難訓練が終わった後は、客席に戻って、再びコンサートの続きを聴くという流れ。ぜんぶが終わっても、まだ緊張が解けない人もいました。

「非日常の空間」でも災害は起こり得る

関内ホールの小野さんは、普段から意識を高めていくことが、逃げ遅れを防ぐことにつながると話していました。

関内ホール・施設部 小野 良さん

よくあるのが「非常灯を消すので、最寄りの非常口を確認してください」っていうのは、アナウンスあると思います。

あと映画館さんとかで、必ず映画が始まる前に「非常口の案内」って流れると思うんですよ。

実はあんまり意識してないけどあれ、すごい重要なところで。

映画館だったら映像であれの案内ができるけど、生のコンサートとかライブとかはそこまではなかなかできない。お客さん自身が確認する。

「非日常」にいると、日常のことを忘れるので、災害が起きる場所でもあるんだよっていうところは、ご来館の皆様にも普及をしたいなというふうに考えております。

たしかに「非常口を確認してください」とよく聞きますが、実際にきちんと把握していない人も多いと思います。とくに人が大勢いる場所だと集団心理が働いて、「これくらいなら大丈夫」と言って逃げ遅れる恐れもあります。

こうした避難訓練を通して、備えを見直す契機に繋がったと、小野さんも手ごたえを感じていました。

(TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」取材:田中ひとみ)

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