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亀田誠治(東京事変)どうしたら、より良くなるだろう? #7

ほぼ日

東京事変のベーシストであり、椎名林檎、平井堅、スピッツ、GLAY、いきものがかり、JUJU、石川さゆり、ミッキー吉野、山本彩、Creepy Nuts、アイナ・ジ・エンド、yonawoなど、幅広いアーティストのプロデュースやアレンジを手がけてきた亀田誠治さん。
実は、音楽活動のおおもとには、個性的な少年時代の経験があるのだとか。
「ほぼ日刊イトイ新聞」の連載を全10回でおとどけします。
第7回は、多忙な亀田少年が子供時代にしていた路線を引く遊びのこと。


亀田
そんなふうに「FM亀田」をやりながら、僕は小学生からいろいろ音楽にはまっていったんです。
ここから先はめちゃくちゃダイジェストでお送りすると‥‥「彼女ができる」「バンドを組む」「オーディションとかも受けて、いろいろうまくは行かなかったけども、やがて自分は音楽の世界に行く」ということになるんですけど。

亀田
「FM亀田」で設計図とかを書いていた頃。つまり、亀田誠治の方眼紙時代に僕がやっていたことがあって。
この画面にGoogle Mapって出せますか?

──
はい、出せます。

亀田
僕ね、よく地図上に地下鉄を引いたり、高速道路を通したりして遊んでいたんです。
地図を見ていると、たとえば「地下鉄は太い道の下を通っている」といった法則性がわかってくるんです。そこに気づくと、いろんなことについて「どうしたらより良くなるか」とか自分で考えていけるんです。
当時、1975~77年あたりって、バブルでめちゃくちゃ元気な時代だったけど、高度成長のツケで「環境アセスメント」「公害」「人口過密」とかが問題になりはじめた時期なんですね。そういうこともあって、地下鉄の相互乗り入れがはじまったりしました。
それで僕も「混んでいる路線から地下鉄を引っ張るとすごく便利になるんだ」と気づいて、「はー、そうか」と自分で勝手にいろいろ引くプランを立てるわけです。
まず僕が引いたのは、吉祥寺と渋谷をつなぐ京王井の頭線。「渋谷で止まるのはもったいない」と思って、渋谷から地下に下ろして、青山学院大学の地下を通して、東京駅までたどりつく路線を考えたりしました。「青山学院大下」とか駅の名前までつけて、「六本木は繁華街の乗換駅ができるじゃん!」と思ったりとか。
そしたら、今度は時刻表を作るんです。時速60キロで1キロが1分なので、だいたいの配分も計算できるわけですね。そういった遊びを自分でずーっとやっていました。

亀田
あとは「交通渋滞」が問題になっていると、道路についても考えるわけです。「関越道を都心までつなげたい」「目白通りの下なら、じゅうぶん高速道路を通れるぞ」とか。もちろん実際には、いろいろな事情があると思いますが。
そういうことを考えていると、実際に「山手トンネル」が通って、「考えたアイデアと同じだ!」と思ったりとか。
だから自慢じゃないですけど、地下鉄南北線は、僕がもう小学校6年生のときに引いてました。営団地下鉄は、実は小学生の僕の考えを真似したのかもしれません(笑)。
だから「FM亀田」をやっては、地図に地下鉄を引き、方眼紙に時刻表を作り、道路を考え。
そういうことをやっていましたから、子どもなのに、プライベートがもう本当に忙しかったんです。

会場
(笑)

亀田
今でもね、たとえば僕はいつも首都高3号線で移動するんですけど、渋谷の出口の合流でどうしても詰まるんです。だから「ここに右折レーンを作れば」「もうひとつ右折信号を作りたい」とか、そんなことばっかり考えてる。
余計なお世話なんだけど、常に「今ある状況を、より良くできないかな?」ということを考えてるんです。
たぶんそういうことも、いま僕がやっている音楽を作る仕事につながっているんじゃないかな、って思います。

(出典:ほぼ日刊イトイ新聞「 僕と音楽。亀田誠治|(7)どうしたら、より良くなるだろう?」)

亀田誠治(かめだ・せいじ)
1964年生まれ。
これまでに椎名林檎、平井堅、スピッツ、GLAY、いきものがかり、JUJU、石川さゆり、ミッキー吉野、山本彩、Creepy Nuts、アイナ・ジ・エンド、yonawoなど、数多くのアーティストのプロデュース、アレンジを手がける。
2004年に椎名林檎らと東京事変を結成。
2007年と2015年の日本レコード大賞にて編曲賞を受賞。
2021年には映画「糸」にて日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞。同年、森雪之丞氏が手がけたロック・オペラ「ザ・パンデモニアム・ロック・ショー」では舞台音楽を担当。
近年では、J-POPの魅力を解説する音楽教養番組「亀田音楽専門学校(Eテレ)」シリーズが大きな話題を呼んだ。
2019年より開催している、親子孫3世代がジャンルを超えて音楽体験ができるフリーイベント「日比谷音楽祭」の実行委員長を務めるなど、様々な形で音楽の素晴らしさを伝えている。

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