俳優から転身の新鋭監督が「バズり欲求」を題材にした理由とは?『#スージー・サーチ』撮影舞台裏を明かす濃厚インタビュー映像
第47回トロント国際映画祭のワールドプレミアで話題となった、新鋭ソフィー・カーグマン監督の最新作『#スージー・サーチ』が8月9日(金)より全国順次公開中。このたび本作の「撮影の舞台裏」についてカーグマン監督が語る、貴重なインタビュー映像が解禁となった。
“バズり”が狂気を呼び覚ます、予測不能なダークスリラー
ポッドキャストで未解決事件の考察を配信するもフォロワーの増えないスージー。ある日、インフルエンサーとして人気を集める同級生ジェシーの失踪事件を得意の推理で解決したスージーは、一躍世間から注目を集める存在となるが、事態は思わぬ方向に転がっていき——。
「いいね!」やフォロワー獲得に魅入られていくインフルエンサーと、それを欲する現代社会をブラックかつコミカルに描いた『#スージー・サーチ』は、トロント国際映画祭でのワールドプレミアを皮切りに「インスタントな名声と称賛を求める SNS 文化を鋭く風刺している」、「独創的でサスペンスフル!」「衝撃のラスト」と大きな注目を集めた。
俳優から監督へ転身し鮮烈デビュー
「いいね!」やフォロワー獲得に魅入られていくインフルエンサーと、それを欲する現代社会をブラックかつコミカルに描いた映画『#スージー・サーチ』。メガホンをとったのは、本作が長編デビュー作となる新鋭ソフィー・カーグマンだ。
カーグマン監督はこれまで俳優としてキャリアを築いてきた一方で、『#スージー・サーチ』の前身となる短編『Susie Searches』(原題:2020年)で映画監督デビュー。監督と脚本を手がけ、自ら主人公も演じた。
そして、満を持しての長編デビュー作となる『#スージー・サーチ』では、主演に『ザ・フラッシュ』のカーシー・クレモンズ、共演に『ヘレディタリー/継承』のアレックス・ウルフを迎え、スリリングに加速していく狂気に満ちた予測不能なダークスリラーとして誕生させた。
このたび解禁されたのは、そんなカーグマン監督が制作の舞台裏を赤裸々に語る、貴重なインタビュー映像だ。
カーグマン監督が制作の舞台裏を赤裸々に語る貴重なインタビュー映像解禁
過熱するSNS文化に警鐘を鳴らす本作について、カーグマン監督は「ジャンル映画であると同時に、登場人物の内面を掘り下げる映画を作りたかったんです。現代社会は行き過ぎなほど、“承認欲求”を求めています」と、現代を生きる誰もが抱える普遍的な題材を選んだ理由を明かす。
また、キャストたちとの話し合いを重ねて作り上げていったという登場人物たちのキャラクター造形についても言及。キーパーソンのジェシーを演じたアレックス・ウルフからの提案を積極的に採用したそうで、「彼はジェシーという キャラクターを完璧に体現し、次の次元へと昇華してくれました」と大絶賛する。
主演のカーシー・クレモンズについても、「スージーがどんな服装をしているのか話し合いを重ねました。例えば、彼女が着ている服の多くは古着屋で買いました。それは彼女は母のお下がりを着ているだろうという発想からでした」と、主人公の生活背景や設定などディティールを一緒に掘り下げ、衣装面の演出に繋げたことを明かした。
さらに、テンポ感のある編集や独創的なカメラワークについて、「動きのある映画を撮ってみたかったんです。カメラの動きであったり、シーンの転換ポイント、トラジションなど、様々な手法で観客には動的なエネルギーを感じてほしいと思っていました」と、個性あふれる映画表現を形にすべくスタッフと綿密に打ち合わせをして挑んだエピソードを披露。そのほか、インスピレーションを受けた映画や、劇中曲についてなど、ここでしか聞くことができない貴重な制作の舞台裏について熱く語っている。
最後にカーグマン監督は、「この映画を観ていただけることをとても楽しみにしています。この作品を観て笑ったり、ハラハラドキドキして楽しんで頂ければと思います。最後まで気が抜けない予測不能感を楽しんでもらいたいです」と観客に向けてメッセージを送った。
独創的な映画表現とツイストの効いた物語に世界が衝撃を受けた、気鋭監督の長編デビュー作『#スージー・サーチ』は2024年8月9日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋HUMAXシネマズほか全国順次公開中