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「今日だけ特別に釣りOK!」 水深120mの本栖湖にカヤックジギングで挑戦!

TSURINEWS

本栖湖レイクトラウト釣り大会で使用された足漕ぎのホビーカヤック(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

2025年10月5日、山梨県本栖湖にて「Lake Trout Fishing Competition &Food Festival at Lake Motosu」(本栖湖レイクトラウト釣り大会)が開催されました。 岸釣りと湖上釣り合わせて169人が参加した釣り大会に、今回のみ特別に許可されたホビーカヤックに乗って参加してきました。その模様をレポートします。

本栖湖レイクトラウト釣り大会ルール

2025年10月5日、山梨県本栖湖にて開催された『本栖湖レイクトラウト釣り大会』に参戦してきました。

この大会、ターゲットがレイクトラウトな点はもちろん、ルールもちょっとユニークなんです。

レギュレーション

本大会は、ルアー釣りのみでエサ釣りは禁止。サイズに関係なく、釣った匹数が多いほど上位になり、同数の場合はくじ引きにて順位を決定します。競技時間は6:00から12:00までです。

3部門あり

釣りスタイルは、岸釣りと湖上釣りに分かれます。さらに湖上釣りに2部門あり、貸しボートにエレキモーターを搭載した「ボート(湖上釣りA)」と、「ホビー(湖上釣りB)」を含む構成です。

賞金あり!

通常時から実施されているレイクトラウト「駆除協力金」は、釣り大会開催時にも有効です。1匹につき1,000円ですから、入賞できなくても7匹釣ればホビー部門の参加費がチャラになる計算……。欲張るとあまり良い結果にならないことが多いですが、ついつい意識せずにはいられません。

レイクトラウトに賞金あり(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

いざ釣り大会会場へ!

まだ暗い早朝4:30ごろ、指定された駐車スペースが解放され、続々と参加者の車が入っていきます。その後を追って、筆者も無事に会場へ到着することができました。

岸釣り部門とは別会場なので、それほどの大人数ではありません。ですが、黙々と釣りの準備をこなす姿からは、各参加者たちの静かなる闘志がヒシヒシと感じられ、こちらも気合いが入ります。

ホビーカヤックがズラリ!

そして、道路を一本はさんだ湖岸に出てみると、薄暗い湖岸にホビーカヤックがズラリと並べられた、壮観な眺めが目に飛び込んできました。日頃、釣り仲間3人でホビーカヤックを並べることはありますが、さすがに20艇となると迫力が違いますね。

静かな本栖湖畔とホビーカヤック(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

今日も相棒はアウトバック

筆者が今回レンタルするのは、自身が所有しており慣れ親しんでいるホビーカヤック・アウトバック。使用に関してとくに不安はありません。ですが、レンタル艇は艤装されていないので、魚探やロッドホルダーなどを設置していつも通りに釣りができるように調整します。

ホビーカヤックがずらり20艇(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

いよいよ出艇

準備が完了した後、開会式や注意事項の伝達などがあり、6:00の大会開始時間を迎えました。

曇り空ではあるものの、風は弱くカヤックフィッシングをするのに問題ない天候。大雨や強風により中止にならず、無事に釣り大会が開催された幸運に感謝しながら出艇です。

いざ出艇(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

カヤックジギングスタート!

筆者はレイクトラウトを釣ったことがありません。大会出場にあたり、レイクトラウトの釣り方をいろいろと調べてみたのですが、やはり情報は少ないです。

そもそも、カヤックでレイクトラウトを狙えるフィールド自体が日本にはないですからね。そのため、カヤックフィッシングにもっとも近いと思われる中禅寺湖のボート釣りを参考にしました。

釣り方は、魚探で魚の反応を探しながら、魚影が映ればジグを真下に落としていくバーチカルなジギングです。着底後、ゆったり大きくロッドをしゃくったり、小刻みなワンピッチジャークを混ぜたり、さまざまなアクションを試します。

ポイントや水深

本栖湖の水深は深く、岸からちょっと漕ぐだけで50m以上ある場所も珍しくなく、最深部は121mもありますよ。低水温を好むレイクトラウトは、おそらく深場にいるだろうと推測して40mから60m付近を探っていきます。

時折、レイクトラウトらしき魚影や、ワカサギらしき小魚の群れが魚探に映りますが反応は単発。水深があるためジグを直撃させるのが難しく、着底する頃には魚がいなくなることもしばしば。厳しい戦いになる予感が漂います。

レイクトラウトの反応?(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

使用タックルとルアー

ここで一旦、使用タックルをご紹介しておきましょう。レイクトラウト釣りは基本的にジギングメインということで、比較的ライトなジギングタックルを準備しました。

ジグは、深場狙いであることやルアーのシルエットを小さくできるため、タングステン製のメタルジグ、ダイワのTGベイトを用意。水深に合わせて45g・60g・80gを使い分けました。

レイクトラウト釣りに用意したタックル(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

奮闘の結果は?

開始後4時間ほど。あれこれ試しますがコレといった手掛かりは無く、アタリ一つありません。周囲のホビーカヤックを見ても、釣れている様子はなく「水深が違うのか?ルアーが違うのか?魚探に映る魚がレイクトラウトではないのか?」と、あれこれ考えながら暗中模索の状況です。

開始前、賞金で元を取ろうなどと妄想していた自分が恥ずかしい……。「せめて1匹だけでも!」との想いを支えに、本栖湖の上を漕ぎまわります。

しかし、無情にも合図の花火が鳴り響き、12時の競技終了時間に。最後まであきらめずに奮闘はしたつもりですが、ノーバイト・ノーフィッシュという悔しい結果に終わりました。

他のカヤックにも釣れている気配は無い(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

実釣終了と大会の結果

筆者個人はまったく良いところなしでしたが、他の参加者はどうだったのでしょうか?

注目の全体結果は、釣られたレイクトラウトの総数が19匹で、釣果をあげた参加者は13人でした。想像以上に少ない釣果で、多くの参加者が苦戦した様子がうかがえます。

ですが、サイズに注目すると良型が釣られており、最大で76cmのレイクトラウトが計量されていました。丸々と太った体型で、たくさんのエサ(ヒメマス?)を食べていることがわかりますね。

ちなみに、見事4匹釣り上げて優勝したボート部門参加者の話をチラッと聞いたところによると、重たいバイブレーションのリフト&フォールで仕留めたとのこと。

がむしゃらにメタルジグのみで突き通した筆者に、バイブレーションを使う発想はありませんでした。やはり、レイクトラウトを熟知している人にはかないません。

検量に持ちこまれたレイクトラウト(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

ゴミ拾い

実釣終了から表彰式の間には、参加者によるゴミ拾いも行われました。一見キレイに見える本栖湖の湖畔にも、注意深く見ていけば空き缶やビニール袋、タバコの吸い殻などのゴミが散見されます。短時間とはいえ大勢が本気で取り組んだ結果、あっという間に意外なほどたくさんのゴミが集まりました。

大会終了後はゴミ拾い(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

表彰式

大会の締めくくりである表彰式では、岸釣り部門と湖上釣り部門それぞれ順位に応じて表彰され、賞金も授与されます。1位に3万円、2位に2万円、3位に1万円です。それに加え、入賞者には本栖湖の年間遊漁券も贈呈されました。

なかなか魚に出会うのが難しく、複数匹釣った参加者は2名だけでしたので、1匹の価値が非常に高い釣り大会となりましたね。

湖上の部の表彰式(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

レイクトラウト料理

レイクトラウトを釣ることはできませんでしたが、せめて食味だけでも知っておこうと思い、出店をのぞいてみます。すると、まさかの売り切れ……。これはとても残念でした。ノンビリと釣りの後片付けをしたことが悔やまれます。

レイクトラウト料理の数々(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

釣り大会を終えて

それでは、ホビーカヤック乗りとして、本栖湖レイクトラウト釣り大会に参加した感想などを述べたいと思います。

次回の開催希望が多数

大会後、ホビー部門の参加者の口から多く聞こえたのが、「来年も本栖湖で釣り大会を開催してほしい!」という声。筆者も含め、ノーフィッシュだったアングラーが大半だったので、次こそはレイクトラウトを釣り上げたいと思うアングラーが多いのも納得です。

しかも今回が特例なだけで、「最初で最後の本栖湖でのカヤックフィッシング」になる可能性も高いため、ホビー乗りから本栖湖関係者への「お願い」としての側面も強いと感じました。

大会の将来

釣り大会がさらに盛り上がるためには、もっとレイクトラウトの釣果があってほしいところですが、それではヒメマスを保護したい本栖湖関係者の考えと矛盾してしまいます。なかなか正解が出ない難しい問題ですよね。

レイクトラウトだけでなく、ヒメマスやニジマスなど様々な魚が釣れる本栖湖で釣り大会が開催されるのが理想的なのでしょうが……。

カヤック乗りとしては、たとえ魚種が変わったとしても本栖湖でカヤックフィッシングができる点だけは、ぜひとも継続してほしいのが本音です。

ホビーはホビー?

今回もっとも印象的だったのは、表彰式の時に背後から聞こえた、観光客らしき夫婦の会話でした。

A:「ホビーって何?カヌー?ボート?」
B:「いや、ホビーっていう乗り物らしいよ」

一瞬、筆者の頭の中は「ホビーとは足漕ぎのカヤックで……カヤックとはカヌーの一種で……。」と、教科書的にホビーカヤックの説明をする文言でいっぱいに……。

しかし、釣りもカヤックもしない一般の方に、「あの楽しそうに釣りしてるのがホビー」と認識されること自体がすごく貴重なのだと気付きハッとしました。ホビーカヤックが世の中に認知されていく瞬間に立ち会えたようで、自分のことのようにうれしい気持ちになってしまいました。

今後もホビージャパンの取り組みによって、ホビーカヤックやカヤックフィッシングの世界が広まっていくことに期待したいですね。

使用カヤック紹介

最後に、今回の釣り大会で使用されたホビーカヤックをいくつかご紹介します。

ミラージュ・アウトバック

筆者が常日頃から愛用しているミラージュ・アウトバック。手前味噌ですが、安定性と機動力、釣りのしやすさが非常に優れたフィッシングカヤックです。各部に艤装用のレールやバーが標準装備されているので、穴開けが必要な艤装がほとんどありません。そのおかげで、大会前の魚探設置もスムーズに完了することができました。

ミラージュ・アウトバック(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

ミラージュ・プロアングラー

ホビー最高峰のフィッシングカヤックといえば、プロアングラーシリーズ。とくに360モデルは、文字通り360度全方向に推進する、唯一無二の機構を備えています。

真横にカニのように動いたり、その場でクルリと回転したりもできてしまいますよ。ぜひ一度、動画などでプロアングラー360の動きをチェックしてみてください。ホビーが誇る最先端技術にビックリすること間違いなしです。

ちなみに、写真の奥に見えるのはミラージュ・アイトレック・フィエスタ。4人乗りの巨大なインフレータブル艇です。大会中は、運営スタッフの監視船として活躍していましたよ。

ミラージュ・プロアングラ(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

ミラージュ・コンパス

船体はシンプルな装いながら、上位モデルと同様バック可能なミラージュドライブ180を搭載するのがミラージュ・コンパスです。キュッと絞られた船首は、波を切り裂く性能に優れており、エントリーモデルと侮れない走破性も魅力です。ロッド1本の軽装で気軽に浮かぶのも良し、艤装して自分好みにカスタマイズするのも良しで、幅広い楽しみ方ができるモデルといえるでしょう。

ミラージュ・コンパス(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

ミラージュ・リンクス

ミラージュ・リンクスの大きな特徴は船体の軽さです。船体のみで約21kgの重量なので、階段や急な斜面なども担いでエントリーすることが可能。車の屋根に積む時や、砂浜を引っ張る際も軽ければ軽いほどラクになりますよ。

また、約91cmの幅があり、安定感も抜群で、安心して釣りを楽しむことができます。SUPのような気軽さと、足漕ぎカヤックのメリットを併せ持っているリンクス。初心者はもちろん、すでに他のホビーカヤックを所有している方のセカンド艇としても人気のモデルです。

ミラージュ・リンクス(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

<福永正博/TSURINEWSライター>

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