有能すぎる?!「酢酸菌」が他の菌とはひと味違う理由とは?【1週間で勝手に最強の免疫力がつくすごい方法】
他の菌とはひと味違う、有能すぎる「酢酸菌」【1週間で勝手に最強の免疫力がつくすごい方法】
酢酸菌は免疫細胞を活性化させる
にごり酢などに含まれる酢酸菌が免疫細胞の活性化に有効なのは、その特別な構造に秘密が隠されています。菌は微生物学的に言えば、「グラム陽性菌」と「グラム陰性菌」に分けられます。違いは細胞壁。陽性菌は分厚く、陰性菌は薄い膜で覆われています。
発酵食品に使われる乳酸菌や納豆菌などのメジャーなものの多くは、壁の厚い陽性菌。一方、酢酸菌は数少ない陰性菌に分類されます。このグラム陰性菌特有の薄い膜には、脂質と多糖で構成される「LPS(リポ多糖)」という固有の成分が含まれ、免疫細胞の一種「マクロファージ」を活性化させるのに役立ちます。
たとえば、食中毒などの原因となる大腸菌やサルモネラ菌が入ってきたとしましょう。マクロファージにはこれらを見つけるセンサーがあり、LPSはそのセンサーを動かす機能を持っています。LPSからの信号を受けたマクロファージは「有毒な菌」と気づき、免疫機能の活性化が促されるという仕組みです。
このマクロファージのセンサーとは、細胞の表面に存在する「TLR(トル様受容体)」と呼ばれる免疫スイッチです。病原体を感知して免疫機能を作動させるTLRには10種類以上あり、特にカギを握るのは「TLR2」と「TLR4」。TLR2は細菌と原虫を認識し、TLR4はそれに加えてウイルスも判別します。そして、乳酸菌や納豆菌といったグラム陽性菌がTLR2のスイッチしか押せないのに対し、酢酸菌はどちらも押すことができます。免疫機能の働きという点においては非常に優秀な菌なのです。
出典:『1週間で勝手に最強の免疫力がつくすごい方法』