企業が不安を抱える、オフィス防災の「はじめの一歩」を支援 キングジム、新ブランドを発表
キングジム(東京都千代田区)は8月5日、防災ブランド「KOKOBO(ココボ)」を立ち上げた。新ブランドの第一弾として、「縦横使える防災テント」「屋根が開く防災テント」「自動で膨らむ防災マット」を10月10日に、「災害トイレセット(100回分)」を8月27日に発売する。併せて、防災診断コンテンツや製品情報を集約したブランドサイトも公開した。
同社が実施した調査によれば、オフィス防災に不安を感じる人は約6割。新ブランドは、企業が取り組みやすい「はじめの一歩」を後押しする。
「はじめての企業防災」を支援 キングジム「KOKOBO」の4製品
「何を備えたらいいかわからない」という声に応え、日常生活に取り入れやすく、継続しやすい防災用品をラインアップした。第一弾の製品は以下のとおり。
「6人×3日分を備蓄」 災害トイレセット
1人あたり1日平均5回とされるトイレ使用に対し、3日分・約6人分の備蓄が可能。便座やバケツに汚物収納袋をかぶせるだけで設置でき、水を使わずに使用できる簡易トイレだ。抗菌仕様の凝固剤が汚物を素早く固め、ニオイの抑制や衛生面にも配慮している。
オフィス単位での備蓄にも適しており、A4ファイルサイズでロッカーや書棚にも収納できる。
着替えも休憩も1つで対応 多目的防災テント
着替え時には縦置き、休息時には横置きと、用途に応じて使い分けできる1人用テント。誰でも簡単に設営でき、収納時はコンパクトに折りたためる。ホルダーにはトイレットペーパーやタオルなどを掛けることができ、トイレ用スペースとしても利用可能だ。
バルブを開くだけ 自動膨張マットで避難所も快適に
バルブを開けるだけで自動的に膨らむマット。厚さは約5cmで、避難所など硬い床面でも底冷えや振動を和らげる。折りたたむとコンパクトになり、限られたスペースでも備えやすい。5か所の連結ボタンを使えば、複数枚を連結して使用できる。
屋根が開閉できる新型防災テント
通気性を高めるため、屋根部分を開閉できる仕様の3人用テント。換気がしやすく、熱がこもりやすい避難環境でも快適に過ごせる。
防災市場は600%成長 企業防災の備えを阻む心理的ハードルとは
キングジムは2008年より防災用品を販売しており、防災用品カテゴリの売上は2020年度から2025年度にかけて約6倍に成長した。
一方で、防災用品を備えることに心理的ハードルを感じる人も多い。同社が国内企業に勤務する施設管理・防災担当者450人を対象としたアンケート調査では、約60%がオフィス防災に不安を抱えつつも、具体的な備蓄を行えていない現状が浮き彫りになった。
この課題を解消するため、日常に溶け込む「特別感のない防災」を提案する新ブランド「KOKOBO」を立ち上げた。今後も「フェーズフリー」の考え方を取り入れながら、生活になじむアイテムの拡充を進め、企業や個人の防災対策を後押ししていく方針だ。
診断コンテンツで防災レベルを可視化 「自分らしい備え」を提案するブランドサイト
ブランドサイトでは「KOKOBOとは何か」を紹介し、オフィス防災意識や備えに関する調査結果を掲載。さらに、防災アドバイザー・高荷智也氏監修の「防災診断コンテンツ」を用意しており、簡単な質問に答えるだけで自身の防災レベルや備えの傾向を把握できる。
商品ラインアップも閲覧でき、職場や家庭環境に合わせた「自分らしい備え」を選べる。
企業防災を強化するための関連コンテンツ
月刊総務オンラインでは、防災士による連載「災害時ライフハック:防災士が紹介する『もしも』のための裏技・アイテム」を掲載している。
また、本誌8月号の第2特集「BCPの見直しに向けて企業が備えるべき新たな視点」では、民間企業が取り組むべきBCP対策のポイントを解説。企業の防災対策見直しに活用できる内容となっている。
キングジムの発表および「KOKOBO」の詳細は、同社公式リリースおよびブランドサイトで確認できる。