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「氷下待ち網漁」が開幕 わざわざ氷に穴を開けて漁を行うワケとは?

TSURINEWS

氷の下に大きな網を設置(提供:PhotoAC)

春になっても寒さの厳しい北海道・道東地域で、とある伝統漁が開幕しました。その漁ではなんと「湖に張った氷の下に大きな網を設置する」という大変手間のかかることを行うといいます。

氷に穴を開けて行う漁

北海道・道東地域の根室市と、隣の別海町にまたがる風蓮湖。根室湾に面する汽水湖であるこの湖は、様々な魚介類が漁獲することで知られています。

この風蓮湖でいま、氷の下に網を仕掛けて魚をとる伝統的な漁「氷下待ち網漁」が最盛期を迎えています。これは、数日間氷の下に仕掛けていた網を引き揚げるという手間のかかる漁です。

風蓮湖(提供:PhotoAC)

毎年12月下旬から実施されるのですが、今シーズンはなかなか湖面が結氷せず、漁を断念する時期もあったといいます。ようやくハイシーズンとなった氷下待ち網漁ですが、例年3月ごろまでと漁期は短くなっています。

氷下待ち網漁

風蓮湖の氷下待ち網漁は、氷の下に大きな建網を設置するという非常にユニークなもの。凍った湖の上をスノーモービルでポイントまで移動し、6、7mごとに開けた穴から網や仕掛けるための支柱を通して沈めていきます。

一夜干しも人気が高いコマイ(提供:PhotoAC)

この漁における主なターゲットは、タラの仲間のコマイやワカサギ、チカ、カレイの仲間など。漁網を使った「氷下漁業」は、風蓮湖同様に結氷する長野県の諏訪湖や秋田県八郎潟で江戸時代から盛んに行われて来ましたが、北海道内では明治期以降になって本格的に行われるようになったといいます。

一方で、風蓮湖のような規模の建網で行われる地域は他にはないといいます。

安定した気候

この氷下待ち網漁について「なぜ、わざわざ氷に穴を開けてまで漁を行うのか」と不思議に思う人もいるかも知れません。しかし、これにはちゃんと理由があります。

まず、オホーツク海や根室湾に面した道東の沿岸地域は冬の寒さがとても厳しく、また気候も荒れやすくなっています。それに加えて流氷が押し寄せるため、冬の間海には思うように出漁できないことも多いのです。その点、凍った風蓮湖では波が立つこともなく、ある程度は気候に左右されずに漁を実施することが可能になります。

流氷が押し寄せる(提供:PhotoAC)

氷があるから高活性

また、氷下待ち網漁のメインターゲットのひとつであるコマイは、暗い氷の下で活発に活動する性質があります。そのため、氷の下に網をかけることで効率よく漁獲することができるといいます。

これらの理由から、氷下待ち網漁は風蓮湖の地で長く実施されてきたのです。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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