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珍しい全国の「修道院のお菓子」が銀座の教文館に集合! 子供の頃の思い出の味に再会して感動…

ロケットニュース24

子供の頃、カトリック系の幼稚園に通っていた私。

年に一度のバザーやクリスマスの時期に楽しみにしていたのが修道院のシスターが作るお菓子だった。まさに、修道院のお菓子は思い出の味。

そんな、素朴な味わいでなんとも言えず美味しい修道院のお菓子が、銀座の老舗書店・教文館の4階に全国各地から大集合している。

修道院のお菓子は秘伝レシピ! 教会によって味が異なる

・修道院が作るお菓子

私は長崎の出身で身近に教会がたくさんあったが、そもそも「修道院のお菓子」と聞いてピンとくる人はどれくらいいるのだろうか。社内で「修道院がお菓子を作っていることを知っているか」と聞いてみたところ、一人をのぞいて全員が「知らなかった」との回答。

たしかに、お土産で有名な北海道の「トラピストクッキー」とか「トラピストバター」を除けば、修道院のお菓子は大々的に販売しているものは少ない。売店や、地域の限られたお店で密やかに売られている印象がある。

実は昔から教会とお菓子には深い関係があり、中世では大きなオーブンがあったのが修道院や教会だけだったそうな。また、卵や砂糖も手に入りやすかったことから、修道院からお菓子作りが広まっていったとのこと。

今でも神に捧げる労働のため、修道士やシスターが祈りをこめながらお菓子作りを行なっているという。

シスターたちの手仕事で作られているので生産数自体も決して多くはないし、密やかに販売されている……。しかも、レシピは各地の修道院によって異なる。

・全国各地の修道院のお菓子が集合

修道院のお菓子が集められたのは教文館の4階「エインカレム」というグッズショップ。ちなみに教文館はキリスト教の出版社・書店でもある。

これは「修道院のお菓子とレシピ本ミニフェア」という企画のため。

なんと、このフェアのために全国の修道院に直接電話をかけて注文したという。北は北海道から南は鹿児島まで。全国の修道院からお菓子が集まっている。

修道院のお菓子は、パッケージもお菓子も手作り感あふれる、素朴な雰囲気。

見ていると懐かしく、子供のころを思い出して優しい気持ちになってくる。

教文館のエインカレムではこうした修道院のお菓子フェアを何度かやっているそうで、人気商品を聞いてみたところ、1番人気は長崎レデンプトリスチン修道院の「クッキー缶」(数量限定)だという。

実はこの長崎レデンプトリスチン修道院のクッキーこそが、私の幼い頃の思い出の品だったのでびっくり。教会の近くからは引っ越してしまい、もう二度と食べられないと思っていたから、再会できただけでも嬉しいのに、人気商品だなんて。

そして、函館の天使園(天使の聖母トラピスチヌ修道院)のクッキーも人気商品とのこと。天使がほほえむパッケージが愛らしい。

・素朴で美しいお菓子たち

どれもめったに買えないものばかりなので目移りした結果……。

・長崎レデンプトリスチン修道院「クッキー缶」
・北海道 天使園 「プレーンクッキー」
・京都カルメル会修道院の「ちーずごふれっと」「まるろっと」「シャルロット」
・愛知 ドミニコ会聖ヨゼフ修道院の「ガレット」
・鎌倉レデンプトリスチン修道院のクッキー
・大分 安心院(あじむ)トラピスト修道院 ハナクッキー

などを購入。買いすぎである。ちなみに、各修道院のお菓子レシピは門外不出らしい。昔から変わらない製法と、安心安全でシンプルな材料から作られている。

さて、思い出の味である長崎レデンプトリスチン修道院のクッキー缶はこのような感じ。

素朴な型抜きクッキーが12種類詰め合わせになっている。お花型やチョコとバニラのボックスクッキーなど意外なほど種類が豊富。味も少しずつ違う。

その中の、少し茶色クッキーを食べた瞬間、昔の記憶が一気に思い出された。素朴な甘さの奥から、鼻にぬけるコーヒーのほのかな香り! これはまさに子供の頃に食べたあのクッキーだ!

・香ばしいゴーフレット系

不思議なのは、教会によって伝わったレシピが違うのか、クッキー系を作る教会と、ゴーフル系を作る教会があること。

ゴーフルが豊富なのは、京都のカルメル会修道院と愛知のドミニコ会修道院。

似たような味かと思いきや、微妙に味や食感が違う! 京都よりも愛知の「ガレット」のほうが香ばしさが強い感じ。どれもカリッと香ばしくてとても美味しい……! 癖になる味わい。

もちろん、クッキー系も教会によって味や食感、甘さが違う。

人気だという函館・天使園のクッキーは、しっかりと厚みがあって、バターのミルキーな甘さが口の中に広がる。北海道っぽい味!

大分県の安心院トラピスト修道院の絞り出しクッキーはちょっぴり硬めで、甘さも控えめ。ココアの香ばしさが引き立つ感じ。

どこの修道院のお菓子も、素朴でシンプルな味わい、そしてシンプルだからこそ美味しいというのは変わらない。今は見た目も素材も贅沢なお菓子も多いけれど、こうした飽きのこない味わいは、日常の中の安らぎの時間にぴったりだと思う。

お菓子を食べて一休みする時間は小さな喜びに満ちているし、幸福の祈りが届いている時間と言えるかもしれない……と思ったのだった。

修道院のお菓子フェアは2025年8月31日まで。ちなみに、7月4日に会期が始まったばかりで今は全国のお菓子が集まっているので、早めに訪れることをお勧めします。

ちなみに、教文館エインカレムのwebショップで販売されているお菓子も! 地方にお住まいの方もチェックしてみてくださいませ。

※京都カルメル会のお菓子は、この時期の生産が終了したため、在庫限りです
※長崎レデンプリスチン修道院のクッキー缶も数量限定入荷のため、入荷数に限りがあります
※記事をご覧になって来店されても買えない場合もありますのでご理解ください

【今回紹介したイベント】
修道院のお菓子とレシピ本ミニフェア
期日: 2025年7月4日(金)~ 年8月31日(日)
場所: 東京都中央区銀座4-5-1 教文館4階 エインカレム
営業時間: 10時〜19時

参考リンク:教文館、エインカレム BASE shop
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.

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