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まるで異世界転生したみたい…?中世の雰囲気にどっぷり浸かれるバイエルン地方三大祭りがとっても楽しそう!

Sitakke

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2月4日(日)から11日(日)まで開催中の、冬の風物詩「さっぽろ雪まつり」。
ことしのHBC広場の大雪像は、ドイツ南部に位置するバイエルン州にあるお城「ノイシュヴァンシュタイン城」がテーマ。建設者・バイエルン国王ルートヴィヒ2世の“中世の騎士物語の憧れ”を具現化したお城ともいわれています。

ノイシュヴァンシュタイン城外観©DZT/Deutschland abgelichtet Medienproduktion

というわけで、Sitakkeでは、中世ドイツの雰囲気を味わえるスポットに注目!
ドイツ観光局の広報を担当する大畑悟さんに、おすすめスポットとその楽しみ方を聞く第2弾。

【前回の記事】門をくぐればそこは中世!?冒険物語のような世界にどっぷりハマれるスポット【ドイツ観光】

今回は、バイエルン地方のお祭りについてお届けします。5月〜9月まで、中世の気分が味わえるお祭りが3つも開催されるそうなんです!

その①大酒飲みの市長が英雄に!? ローテンブルクの盛大なお祭り「マイスタートルンク」

ローテンブルクの「マイスタートルンク」のようす©Rothenburg Tourismus Service Meistertrunk W. Pfitzinger RTS388

——前回、大畑さんのお話では、ローテンブルク観光では“中世の人になりきる”のがおすすめで、その絶好のチャンスが「マイスタートルンク」という盛大なお祭りということでしたね。どんなお祭りなんですか?

その前に、今や世界中からやって来る観光客でにぎわうローテンブルクの歴史からちょっとお話ししますね。

19世紀初頭に城壁を壊してはいけないという命令が下り、ローテンブルクは開発から取り残されていきます。特に産業があるわけでもなかったので、ぜんぜん人が来なくて寂れていくんです。鉄道の支線が敷かれた後、観光で人を誘致しようとするのですが、それでも人は来ない。そこで思いついたのが、この中世の街並みを生かした歴史劇の上演です。これが「マイスタートルンク」=市長一気飲みというタイトルの市民劇なんですね。ストーリーは、17世紀が舞台。30年戦争のさなかで、ローテンブルクの街は敵に占領されます。市議全員が打ち首にされそうになったところ、元市長が「このブドウ酒を飲み干すことができたら、全員をお助けください」と言って、大量のブドウ酒を一気飲みし、市議を守ったという伝説に基づいた演劇です。

「マイスタートルンク」祭りのようす©Rothenburg Tourismus Service Meistertrunk W. Pfitzinger RTS402

——大酒飲みの市長が英雄になったというお話ですね。

これは実在の人物です。実際に一気飲みをしたのかは分かりませんが、彼が街を救ったことになっています。このときもやっぱりフランケンワインを飲んだのでしょうね。

この市民劇が、日本でいうところの『婦人画報』のような雑誌『ガルテンラウベ』に紹介されると、ローテンブルクは一気に人気の観光スポットになります。「街を救う物語が、街を救った」なんて言われたそうですよ。

傭兵に続いて楽隊もパレード。街の中では子どもたちが踊る様子も。「マイスタートルンク」祭りのようす©Rothenburg Tourismus Service Meistertrunk W. Pfitzinger RTS387

毎年5月に開催されるローテンブルクの「マイスタートルンク」は、この市民劇がメインイベントです。中世の傭兵たちが街をパレードしながら市庁舎へと入って行き、最後に一気飲みのシーンを上演します。それだけでなく、期間中は市民はもちろん観光客も中世のコスチュームを着て、街の中を歩き、お酒を飲んだり豚の丸焼きを食べたりと、中世の街並みに溶けこみます。

観光客でも中世の格好をしていると、地元の人たちの輪に交ざることができるので、ぜひ着替えて参加することをおすすめします。それでは、次のお祭りに行きましょう。

その②闘いの迫力がすごい!カルテンベルク騎士祭

お祭りのハイライトは、馬上槍試合!「カルテンベルク騎士祭」のようす@Ritterturnier Kaltenberg Veranstaltungs-GmbH

——続いてのお祭りはどんなものですか?

2つめは、カルテンベルクの騎士祭です。毎年7月に開催されるお祭りで、ドイツ最大の中世騎士祭とも呼ばれていて、3週間にわたって毎週金・土・日曜日に騎士のトーナメント戦が行われるんですよ。これがまたすごい迫力なんです。

そもそもカルテンベルクとは、バイエルン王家が住んでいるカルテンベルク城のこと。王制は廃止されましたが、旧王家の人たちは地主として生活を続けています。その人たちが所有している私有の城で、維持するにも経費がかかりますから、こうして催し物をするのが一般的。カルテンベルク騎士祭は1980年に始まったそうです。

メインイベントは、騎士のトーナメント。当主がイギリスで馬上槍試合を見て、ドイツでも復活させたいと思ったのが開催のきっかけだとか。ものすごく危険な闘いですが、その分迫力は満点。一見の価値ありですよ。

その③衣装もカラフルでかっこいい!3年に1度開催されるネルトリンゲンの城壁祭り

カラフルな中世のファッションに身を包み、闘いに挑む様子を再現。「ネルトリンゲンの城壁祭り」@Stadtverwaltung Nördlingen

——中世の出来事を再現するようなお祭りが、バイエルン地方だけでもたくさんあるんですね。3つめはどんなお祭りですか?

特にドイツでは、30年戦争を題材にするのが人気ですね。日本でいうと、織田信長や豊臣秀吉が出てくる戦国時代のようなものです。
3つめは3年に1度、9月に行われるネルトリンゲンの城壁祭りです。これはローテンブルクのマイスタートルンクとよく似ていて、同じ時代にあったネルトリンゲンの戦いという大きな戦争を記念しているお祭りです。

ローテンブルクほど有名な観光地ではないので、3年に一度、観光客よりは市民向けに開催されているお祭りです。マイスタートルンク同様、傭兵のパレードなどが見所で、敵に立ち向かうような陣を築く様子とか、戦いのポーズを決めるところが見応えのあるポイントです。
子どもたちの踊りや屋台がにぎやかで、衣装もカラフルで見ていて楽しいですよ。

ちなみにこのネルトリンゲンも、城壁都市なのですが、実はあの『進撃の巨人』(講談社)に出てくる街のモデルになった場所だとも言われているんですね。城壁が二重になっているあたりも似ています。このネルトリンゲの城壁祭りも、やはり中世の服装で出かけるのが楽しむポイント。

空から見たネルトリンゲン。ぐるりと城壁に囲まれている様子は、どこか見覚えがあるような気がする…? @Romantische Straße Touristik-Arbeitsgemeinschaft GbR

バイエルンの3つのお祭りを紹介しましたが、共通しているのは中世の世界を体験するのが醍醐味、といったところでしょうか。お祭りに合わせて行くのが一番ですが、そうでない時期でも街並みに溶けこんで楽しむには、コスチュームを用意するのがおすすめです。

——大畑さん、ありがとうございました。飛行機に乗ってバイエルン地方に行くだけで、タイムマシーンに乗ったような気分が味わえるということですね。次の旅行は、バイエルンに決めたぞ~っ!

***
取材協力:ドイツ観光局広報マネージャー 大畑悟
文:菅谷 環 
編集:Sitakke編集部ナベ子

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