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英政府が新築建物に充電スタンド設置を義務化 EV普及を一気に加速か

ELEMINIST

イギリス政府は、新築する住宅と非住宅建築物に電気自動車(EV)用充電スタンドの設置を義務付けることを発表した。これによりイギリス国内で年間最大14万5,000基の充電スタンドが増えると予測されている。

スーパー・オフィスにも 毎年14万基以上の充電スタンドを増設

イギリスのボリス・ジョンソン首相は2021年11月21日、2022年から新しく建設する住宅とスーパーマーケットやオフィスなどの建物に、電気自動車(EV)用充電スタンドの設置を義務付けることを発表した。

すでに建築された物件であっても、10台以上の駐車場を有する物件の大規模な改築では、充電スタンドの設置が義務付けられる。イギリス政府は、この変更により全国で年間最大14万5000基の充電スタンドが増えるとみている。

ジョンソン首相は、22日に開催された英国産業連盟(CBI)の会議で、ロンドン市長を務めた当時の試みについて語った。

「ロンドン市長時代、EVを普及させようと、市内各所に充電スタンドを設置した。当時は大成功とは言えず、使われていないスタンドもあった。しかしあれから10年が経ち、“転機が訪れた”」

ジョンソン首相はスピーチのなかで、EVの販売台数が増加していることや、COP26会議(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)で自動車メーカーが2035年までに主要市場で排出ガスを出さないEVや燃料電池車に移行すると声明を発表したことに言及。その変化のペースは加速していると延べた。

新しくできる店舗やオフィスに充電スタンドの設置を義務付けることで、EVの充電がガソリン車の給油と同じくらい簡単になると主張している。

イギリス政府の統計によると、同国には現在約2万5000基の公共充電スタンドがある。しかしガソリン車からEVへの移行が進められているため、競争・市場庁は2030年までにその10倍の数が必要になると予測。

ジョンソン首相は、そのためには同国が2020年11月に発表した持続可能な社会・経済を目指す計画「グリーン産業革命」に応じることが必要だと、ビジネスリーダーたちに呼びかけた。

また、ジョンソン首相はこの他にも、グラスゴー近郊にある英国最大の風力発電所に940万ポンド(約14億円)を投じて新たな水素プロジェクトを立ち上げることも発表。水から水素を生成する国内最大の電気分解装置を建設予定であり、資金はその開発費にあてられる。

これも、2035年までにイギリスのすべての電力をクリーンエネルギーにしネットゼロを達成するという目標に向けた、同国の施策の一つだ。

EV普及の鍵となる充電スタンドのインフラ整備

世界各国で、ガソリン車から排出ガスを出さないEVなどへの移行が進んでいる。しかしEVがこれまで以上に普及するためには、EV向けの大容量電池の開発や航続距離の延伸といった技術面での開発のほか、充電スタンドの整備が欠かせない。

日本では、政府が2030年までに急速充電スタンドを国内に3万基設置する目標を掲げている。だが、設置と維持コストの高さから、充電スタンドの拡大がなかなか進まず、これがEV普及の大きな障害になっていると指摘されている。

しかしイギリスが今回発表した施策は、イギリス国内中に充電スタンドを整備させることになるだろう。これによってイギリス政府の計画のように、EVの普及が加速していくと期待できそうだ。

参考
PM to announce electric vehicle revolution|GOV.UK
New buildings in England required to have electric vehicle charging points|Dezeen

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