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引退する「職人」加賀、G後藤、矢野、岡田 一芸でファンに愛された男たち

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野球ボール,ⒸShutterstock.com

一芸でプロの世界に生き残った「職人」たち

今シーズンは例年以上に大物選手の引退が目立つ。独立リーグでプレーしていた村田修一にはじまり、杉内俊哉、新井貴浩、岩瀬仁紀、松井稼頭央など、レジェンドクラスの選手が次々とグラウンドを去ろうとしている。

上記の選手たちは、偉大な成績や数々のタイトルでその活躍を振り返ることができる。岩瀬は前人未到の通算1000登板を達成し、「数字」でも彼らの功績は後世に語り継がれていくことだろう。

しかし、「数字」だけではその功績を表しきれない選手というのも、今シーズンの引退組には何名かいる。レギュラーとして長く活躍できたわけではないが、一芸でプロの世界を生き抜き、「職人」的な活躍でファンに愛された男たちだ。

DeNAの試合終盤を盛り上げた加賀、後藤コンビ

9月下旬に引退試合を行い、ファンに惜しまれながらグラウンドを去った二人のDeNA戦士。サイドハンド右腕の加賀繁と2012年に西武からトレード入団した後藤武敏は、暗黒期を脱しチームが少しずつ強くなっていった時期に、職人的な働きで試合終盤を盛り上げた。

加賀は先発、セットアッパー、ビハインド、ワンポイントとどんな役割もこなし、チームに必要とされる場所で投げ続けた。故障の影響もあり、成績としては3年目がピークとなってしまうが、その後もサイド特有の切れ味抜群のスライダーを武器に、右打者には無類の強さを誇った。

語り草となっているのがヤクルト・バレンティンとの対戦だ。2012年の初対戦から2017年途中まで20打席ノーヒットに封じ込める。右キラー、バレンティンキラーとして、何度もピンチを救ってきた。

後藤は「代打の切り札」として勝負強さを発揮する。代打本塁打通算11本は現役トップ。印象的なのは2015年7月阪神戦の2打席連続代打本塁打だろう。7月3日は9回に同点2ランでサヨナラ勝利を呼び込み、4日も9回に1点差へ迫るソロ弾。現在メジャーで活躍している、当時阪神クローザーの呉昇桓を2日続けて打ち崩した。試合終盤に出てくる好投手を一打席で仕留める打撃は職人技といえるものだった。

日本ハム・矢野「代打の神様」とまで呼ばれた勝負強さ

後藤と同じ松坂世代の日本ハム・矢野謙次も代打のスペシャリストとして活躍。巨人時代からキャリアを通じて、原辰徳監督に「代打の神様」と称されるほど、とにかく代打で勝負強かった。

巨人にドラフト6位の下位指名入団。3年目、4年目と打率2割後半をマークして出場機会を増やしていくが、怪我が多く、届きかけたレギュラーの座を手放してしまう。しかし5年目の2007年、「代打逆転満塁本塁打」を放ち、球団では監督の原が1987年に記録して以来の一打をきっかけに、居場所を確立していった。

2011年は自身2度目の代打満塁本塁打、2012年は自身初の代打サヨナラ本塁打。2013年には代打打率.358を記録し、シーズン代打安打19本の球団新記録を樹立した。ついにレギュラーは掴めなかったが、巨人在籍中2度の3連覇を誇った常勝軍団の中、そして2015年途中からトレード移籍した日本ハムでも、「代打男」として代わりのいない存在だった。

ロッテ・岡田の「エリア66」も今シーズンで見納め

守備の職人といえばロッテの岡田幸文だ。育成契約から這い上がり、3年目の2011年と4年目の2012年は中堅手レギュラーとしてゴールデングラブ賞を連続受賞。さらに3年目ではシーズン失策「0」を達成し、連続守備機会無失策359のリーグ新記録も樹立している。

肩は特別強いタイプではないが、瞬時に予測したフライの落下地点まで一直線に走っていくスピードや、ダイビングキャッチしたあとの受け身の華麗さには岡田にしかないものがあった。その広い守備範囲は背番号から「エリア66」と呼ばれる。2011年の巨人戦でみせたロングランのファインプレー3連発は、巨人ファンにも強烈な印象を残した。

反して不名誉な記録もある。打撃では初打席から2501打席連続無本塁打、10月8日の引退試合で2打席ともに凡退で59打席連続無安打という二つのプロ野球記録を更新した。しかしこの記録も、10年間「守備職人」としてプロの世界を生き抜いた証でもある。

彼らのような個性的な選手が見られなくなってしまうのはやはり寂しい。しかしその職人的なプレーは、これからもファンからファンへ語り継がれていくはずだ。

記事:青木スラッガー

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