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Vol.78 DJI Avata 2を屋内で楽しみ尽くす!DJI空撮機しかふれてこなかった人もAvata 2でFPVデビューできるのか!?~後編[Reviews]

DRONE

DJI Avata 2のリリースは、FPVドローンを業務利用するための準備、操縦訓練の煩わしさをクリアにしました。空撮機しかふれてこなかった人がAvata 2でFPVデビューできるのか!?をテーマに同機の操縦感をレポートします

普段、DJI空撮機をメインに活動する筆者ですが、「ここでFPVドローンがあれば…」と現場で思うことがよくあります。とはいえ、FPVドローンを業務利用するには、最適なパーツの選定から始まる機体の自作や設定、無線局の開局(電波法上の手続き)、業務利用のための無線免許取得、そして何より姿勢制御センサーが完全にOFFの中で操縦するアクロモード(DJIでは「マニュアルモード」)の操縦訓練が必要になります。

しかし、DJI Avata 2 のリリースは上記の"言い訳"を全てクリアするFPVドローンを誰もが手にすることができることを意味します。ということで、"空撮機しかふれてこなかったヒトがAvata 2 でFPVデビューできるのか!?"をテーマにAvata 2 の操縦感をレポートします。

https://www.drone.jp/column/2024041122043485918.html

https://www.drone.jp/news/2024041122000185823.html

Avata 2をまずは準備。意外すぎるほどの直感的な操作性ですぐに楽しめる

では、さっそくAvata 2を準備します。フライトはこの日が初めてなので、まずは簡単なテストフライトから行います。飛行モードは「Nモード(標準的な飛行モード)」、設定関連は全てデフォルトのまま、DJI RC Motion 3 を使って操縦してみます。

操縦方法は前回ご紹介した通り、スティックに慣れた指にはちょっと初めは戸惑うかもしれません。しかし、少しフライトしただけで意外と直感的に操縦ができるようになりました。ホバリングの安定性はいつものDJI機という感じで、低空でもとても安定しています。

DJI Motion 3の基本的な操作方法。コントローラー自体の傾きとボタン類を組み合わせて操縦する

Avata 2のホバリングはとても安定しており、DJIの空撮機とかわらない精度の高さを感じさせる

RC Motion 3の操縦で簡易的に用意したフラフープも簡単にくぐることができました(多少ぶつかりながらですが…)。狭いところをくぐり抜けるFPV映像の没入感はやはり最高です。しかも、ほぼぶっつけ本番でこれくらいできます。

難点は、微妙なコントロールができるようになるにはやはりRC Motion 3を使った操縦の練習が必要…というところでしょうか。ロール(ラダー)が手首のひねり、エルロンや上昇下降がジョイスティックとなると今まで空撮機で行ってきた微妙なコントロールの再現が難しく感じました。しかし、初めてドローンを楽しむ場合は逆に操縦しやすいかもしれません。

DJI RC Motion 3 で操縦練習をする様子。微妙なコントロール(ラダー+エルロン少々など)はコントローラーにまだ慣れず難しかったが、直感的に飛行ができた

RC Motion 3で操縦するメリットは直感的な操縦感覚だけではありません。姿勢制御センサーをOFFにしたアクロモードで操縦しないとできないフリップ(宙返り)などのアクロバティックな飛行が「簡単ACRO」でワンタッチでできることです。180°クルッと回転する「180°ドリフト」もジョイスティックの操作ひとつでできてしまいます。フリップは映像にするとどのように見えるのか楽しみだったのですが、映像カットの切替時に使う「トランジション効果(エフェクト)」にも使えそうです。ただ、ゆったりと大きな宙返りは簡単ACROではできないので、マニュアルモードでの練習が必要ですね…。

アクロバティックな飛行もモード選択後にジョイスティックの入力だけで自由自在!

Avata 2の熟慮された安全とリカバリ機能

トリガーレバーを引くことにより前進、引けば引くほど速度が上がりますが、トリガーを離すと強いブレーキが効いてくれます(RC Motion 3のオレンジボタンを1回押しても同様)。ちょっと危険を感じた際には、トリガーを離すだけでブレーキが掛かり、その場でホバリングをしてくれますので、FPV初心者でも安心して飛行できます。

ただし、初めのうちは減速しようとしても急ブレーキがかかってしまったことも多々あり、RC Motion 3 での減速コントロールの難しさがありました。

DJI RC Motion 3 のトリガーレバーを離すと強いブレーキが自動でかかる。DJI FPV送信機 3でも同様に試したが、標準設定の場合 RC Motion 3 のほうが出る速度もかかるブレーキも強いようだ

何より驚いたのは、何度かパイロンやフラフープに接触したのですが、安定した飛行に持ち直すこと。一体型のダクト型プロペラガードの効果も相まって、ちょっとやそっとでは墜落しませんでした。

パイロンに衝突しても姿勢を持ち直して飛行を継続することができた

そして、万が一墜落して逆さまに転倒してしまったときも「タートルモード」を発動するだけで起き上がることができます。アクロモードを操縦できる人には簡単なことですが、FPV初心者にはできない芸当。ちょっと離れた場所で転倒してしまったときに、ダッシュして機体を表向きにする必要はありません。

メニュー画面から「タートルモード」を選択するとひっくり返った機体が起き上がる

Avata 2はDJI空撮機と変わらない操作感と電波干渉強度

体育館を使って、小型のFPVドローン(マイクロドローン)撮影でよく見かける屋内の探検動画を撮ってみました。操縦に微調整が必要と感じたので、こちらは別売りのDJI FPV送信機 3に操縦装置を持ち替えています。ペアリング済みのコントローラーの変更は、使いたいコントローラーの電源を入れ、使わないコントローラーの電源を落とすだけで自動的に切り替わります。

結論、テスト飛行は1度きりで、2回目のぶっつけ本番飛行ですが、スムーズなフライトを楽しむことができました。DJI FPV送信機 3で操縦したAvata 2はDJI空撮機そのもの。もちろん、画角が広かったり、ロールが映像に反映されたりしますが、DJI空撮機をコントロールする感覚でそのまま撮影することができました。

また、通常では伝送映像が乱れがちな舞台裏などの遮蔽物越しのフライト時にも、映像伝送が乱れたり遅延が大きくなったりするようなことはありませんでした。Avata 2の小さなサイズ感は、屋内のゆったりとした空撮ではとても大きな武器となりそうです。

ただ、伝送映像が乱れないということは、それだけAvata 2が発信する電波が強いということでもあります。今回は1機のみの飛行だったので問題はありませんでしたが、ほかにも同時に飛行させる機体がある場合やほかの2.4Ghz帯の通信機器を併用する場合は注意が必要そうです。

画角/超広角、RockSteady/On、カメラ設定/オート、カラー/ノーマル、解像度は4K/60fpsで撮影

Avata 2を使って暗所で演者を撮る

せっかく屋内での撮影なので、薄暗くした環境での撮影も検証してみたいと思います。邪悪なシスに扮したスタッフをどれだけ撮影できるのか試してみたのですが、小型機ならではの距離感や操縦の切り返しに高レスポンスで反応する機動性をいかんなく発揮してくれました。ジンバルも上下操作できるので、画角の自由度も高いのが嬉しいところです。

実は、空撮機でも同じような撮影をしたことがあるのですが、空撮機だと機体の進行方向を変えるとき(前進から後進、ノーズインサークルの右回りを左回りに…など)にどうしても初速が鈍く、動きが止まったようになってしまいました。Avata 2では、スティックを入れた瞬間に次の動きに繋がってくれる高レスポンスな飛行ができ、演者の動きに合わせることにストレスを感じることはありませんでした。

画角/標準、RockSteady/On、カメラ設定/ISO400、SS 1/60、WB 3400、カラー/D-LogMにLUT適用、解像度は4K/60fpsで撮影したものに効果音と音楽を編集にて追加。1/1.3インチセンサー搭載カメラは暗所でもキレイな映像を撮影できる

もちろん、暗い室内なので機体を安定させるポジショニングカメラが機能を発揮できず、ホバリングしながらフラフラと流れてしまいます。このあたりはNモードでの飛行と言えども、ATTIモードでのホバリングの技術は持っていたいところです。

また、環境光が暗かったために安全機能が働き、3~3.5m程度しか上昇することができませんでした。もうちょっと高度を上げた撮影もしたかったのですが、そのためにはマニュアルモードの習得が必要ですね。

結論:Avata 2を買おう!

DJI Avata 2をフライトさせていて感じたのは、Mavic系の機体に慣れた人でも(操縦を自在にできる人ならなおさら)同じ操縦感覚で楽しめること。そして、高画質&安全なDJIならではの高画質で安全なFPVドローンであることです。

加えて、普段メガネを掛けている筆者としては、眼鏡の脱着の煩わしさもFPVゴーグルが億劫な理由のひとつなのですが、視度をソフトウェアで調整でき、ゴーグル右側をダブルタップするだけでゴーグルの外の世界(ようは通常の目視状態)も見ることができるDJI Goggles 3はストレスフリーです。

これまでFPVドローンを始めたくても始められなかった人、いろいろ理由をつけて始めなかった人、ぜひ一度手にとってみてください。MavicシリーズやPhantomシリーズを楽しむのと同じように、FPVドローンを楽しむことができます。

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