【知られざる神戸名物・野球カステラの歴史を紐解く】長田『八木新月堂』の野球カステラ 神戸市
多様な交流が行われ、誇るべき文化が数多く生まれてきた神戸。その中でも長い歴史を持ち、地元民から愛されてきた「野球カステラ」をご存じでしょうか?
現在、神戸市内で販売を続けているのは7、8軒になっているとのこと。今回は実際に店舗を巡り、店と野球カステラの歴史を紐解きます。【「野球カステラ愛好会」に関する記事はこちら】
今回お邪魔したのは、高速長田駅から歩いて5分ほどの場所にあるせんべい店『八木新月堂』。店は70年以上の歴史を持ち、野球カステラのほか瓦せんべいや瓦まんじゅうなど様々な商品が並びます。
店の奥には焼き場がありますが、驚くべきことに全ての商品がここで“手焼き”で製造されているのだとか。手焼きにこだわる理由は、味やしっとり感の違いなのだそう。
今回は特別に野球カステラが焼きあがる様子を見せていただきました。
生地を型に流し込み、型を移動させながらひっくり返していくのですが、煙が出たり焼き目を確認できるわけではないので、完成のタイミングは素人の記者には全く分かりません。
ですが、出来上がったカステラはどれも焼きむらがなく、形も美しい!まさに職人のなせる業です。
特別に焼き立てのカステラをパクリ。しっとりふわふわな食感に加え、卵の味わいと香ばしさがたまりません。冷えると少ししっかりとした食感になるものの、しっとりさは変わらずです。
ちなみに全種類並べてみるとこんな感じ。以前伺った福進堂さんと型は違っていましたが、道具の形や大きさはほぼ同じです。
焼きあがったカステラは、全ての種類が楽しめるようにまんべんなく袋詰めされます。野球カステラは月曜日、水曜日、金曜日に製造されているので、該当日の朝10時くらいに店に行けば焼き立てのカステラを購入することができますよ♡
また同店では「格子せんべい」や「おかき巻せんべい」も人気が高いのだとか。特に優しい甘さの瓦せんべいでおかきを包んだ「おかき巻せんべい」は甘じょっぱさがクセになる初めての感覚!これはぜひ食べてほしいです。
「一番嬉しいのは“ここのおいしい!”と言ってもらえること。店によって違う味わいがあると思うが、今の味を守っていきたいなと思っている」と話してくれた店主。ほっこりとした気持ちになれる”地元のあの味”がこれからも続いて行ってほしいなと願う記者なのでした。
場所
八木新月堂
(神戸市長田区長田町1丁目3-1)
営業時間
9:00~18:00
定休日
日曜日