Yahoo! JAPAN

雪は減り続けている。それでもスノー業界は、気候変動に対して本当に声を上げているのか。

Backside

BACKSIDE 編集部

アメリカの気候変動メディア「Yale Climate Connections」が今年3月、スノースポーツ業界と気候変動に関する踏み込んだ記事を公開した。その内容は、業界関係者には耳の痛い話だ。

記事執筆時点で、アメリカ西部全域のすべての河川流域で積雪量が平均を下回っていた。コロラド、ユタ、ワシントン、オレゴン、カリフォルニア、ネバダ。平年比15~65%という数字が並ぶ。シーズン中に閉鎖を余儀なくされたエリアもあり、スタッフの労働時間を削減したリゾートも多かった。

アスペン・スキー・カンパニーで26年間サステナビリティプログラムを率いてきたオーデン・シェンドラーはこう語っている。「壊滅的なシーズンだった。気候変動が進む世界では、異常な年が複数重なって続く可能性が高い」。

問題は雪不足だけではない。2000年から2019年の間に、アメリカのスノーリゾートはシーズン短縮や来客数の減少、人工雪製造コストの増大によって、合計50億ドル以上の損失を被っている。この数字は、温暖化が進むにつれてさらに膨らんでいく。

では、業界はこの問題にどう向き合っているのか。全米スキーエリア協会は「クライメート・チャレンジ」というフレームワークを設け、各リゾートが自発的に温室効果ガスの排出量を追跡・削減する取り組みを進めている。

しかし記事の分析によれば、その内容は脅威の規模と緊急性に見合っていない。たとえばゲレンデへの移動・通勤による排出量は計測対象に含まれておらず、リゾートによってはその数字が施設運営による排出量を上回るケースもあるという。

シェンドラー自身も認めている。「業界のサステナビリティ活動は、気候変動という地球規模のシステム問題の解決とは、何ひとつ結びついていない」。

雪が減っている。そのスピードに、業界の対応が追いついていない。もちろん、多くのリゾートや企業が取り組みを進めている。しかし、記事が問いかけているのは、その努力の有無ではない。

気候変動がスノースポーツそのものを脅かしている今、その危機感は本当に業界全体で共有されているのか。アメリカから投げかけられたこの問いは、日本の雪山やスノーボーダーたちにとっても、決して他人事ではない。

text:Daisuke Nogami(Chief Editor)

 
画像はイメージです

おすすめの記事

新着記事

  1. 福島市「福島県庁」裏の阿武隈川を約6,000個の灯ろうが照らす

    日刊CJ Monmo Web(シティ情報ふくしま)
  2. 「おいしい」は「幸せ」をかなえる。守谷で牧場を営む『藤井商店』は、人にやさしくお肉にやさしく

    さんたつ by 散歩の達人
  3. 秋のごちそうが勢揃い!河原町三条にある[ヒルトン京都]で実りの季節を味わい尽くす秋ビュッフェに注目

    Leaf KYOTO
  4. 【益城町】熊本地震を乗り越えて…!清らかな湧水で家族みんなで遊べる「潮井自然公園」

    肥後ジャーナル
  5. うしとらブルワリー ー 栃木県 ー 真面目にふざけるブルワリー

    酒蔵プレス
  6. 【9/20(日)開催】磯田道史氏歴史講演会 ~ 郷土への愛着を深める機会作りを/早島町

    倉敷とことこ
  7. 3年かけて完成!まるでバラの花束のように美しい手作りグミ「ブーケ・ミニヨン・ビジュ」

    おとりよせネット
  8. 【和歌山発】初心者が「落し込み釣り」に初挑戦!実釣で分かった魅力と楽しみ方

    WEBマガジン HEAT
  9. 猫への愛情が『伝わった』と噛みしめる瞬間3選 心を開いてくれたサインや行動の意味も

    ねこちゃんホンポ
  10. 【Weekly animatetimes】今週注目を集めた記事はコレ! 話題のニュースをまとめておさらい【8/3〜8/9】

    アニメイトタイムズ