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【リンゴ病】ほっぺが赤くなる前が危険! 妊娠中にやるべき感染対策と受診の目安とは[医師監修]

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【リンゴ病】ほっぺが赤くなる前が危険! 妊娠中にやるべき感染対策と受診の目安とは[医師監修]

2024年から感染拡大が続く「リンゴ病」について産婦人科医・柴田綾子先生が解説/第2回。感染力の強い時期や家庭内での感染対策、妊婦が受診すべき「胎動の変化」などのサインについて。全2回。

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2024年から感染拡大している「リンゴ病(伝染性紅斑)」。妊婦の場合、胎児への影響も考えられるため、周囲の人や上の子が感染して不安になる人も少なくありません。今回は、リンゴ病の予防と家庭でできる感染対策、妊婦が医療機関を受診する目安について、産婦人科医の柴田綾子先生にお話を伺いました。

もっとも感染力が強いのは頰が赤くなる前

──昨年(2025年)はリンゴ病(伝染性紅斑)の流行派生警報が各地で相次ぎました。リンゴ病は、どのように感染拡大するのでしょうか。

柴田綾子先生(以下、柴田先生):リンゴ病の原因は「ヒトパルボウイルスB19」の感染で、おもに接触や飛沫によって広がります。

咳や発熱、鼻水といった風邪のような症状が出ているときがもっともウイルスの感染力が強く、気をつけるべき時期です。

そこから1週間から10日ほどたって風邪症状が落ち着くと、頬に赤い発疹があらわれます。いわゆる“リンゴのほっぺ”です。この時期に「リンゴ病かも!?」と気づく人が多いですが、このころにはほとんど感染力がありません。なので学校や保育園を休ませる必要もありません。

──感染から発症まで、どのくらいかかるのでしょうか。

柴田先生:リンゴ病の潜伏期間は、およそ10日から、長い場合で20日ほどとされています。ご家族に風邪のような症状が出た場合には、目安として約3週間はうつらないよう気をつけてください。妊婦さんの場合、ご本人はもちろん、おなかの赤ちゃんの様子にも注意して過ごしましょう。

家庭でできるリンゴ病の感染対策

──リンゴ病は予防できるのでしょうか。

柴田先生:2026年現在、リンゴ病の「ヒトパルボウイルスB19」にはワクチンがありません。そのため、日常生活の中での感染対策が重要です。

予防の基本は、石けんを使った手洗いです。「ヒトパルボウイルスB19」は、アルコール消毒では効果がありません。帰宅時や調理時・食事前、トイレ・おむつ交換後など、石けんでこまめにウイルスを洗い流すことを心がけてください。また、接触や飛沫によって感染するため、マスクの着用も有効です。

ご家族に感染が疑われる場合は、食器やタオルを分ける、お風呂はできるだけ別のタイミングで入るなど、接触感染の機会を減らす工夫も、できる範囲で取り入れてください。

お子さんがリンゴ病に感染した場合、頰に発疹が出てしまえば、一緒にお風呂に入っても大丈夫です。ただし、入浴によって発疹部分にかゆみが出ることもあるため、短時間の入浴にとどめるか、入浴後にワセリンなどでしっかり保湿してあげることをおすすめします。

──家族の協力は欠かせませんね。

柴田先生:そうですね。妊娠中は免疫力も下がりやすく、長時間子どもと接していると感染リスクが高くなります。看病や入浴、寝かしつけなど、風邪症状のある子どもとの接触が多くなる場面は、パートナーと交代して対応するとよいと思います。ご家庭の状況に応じて、役割分担を調整することも検討してください。

「抗体はある?」「検査は必要?」妊娠中の判断ポイント

──リンゴ病は過去にかかっていると感染しにくいそうですが、自分がこれまでかかったかどうかがわからない人も多くいます。妊娠の可能性がある世代の女性は、どの程度の割合で抗体を持っているのでしょうか。

柴田先生:基本的に子どものころにかかった方は、免疫があると考えてもらえればよいです。日本の妊娠する可能性がある世代の女性のうち、リンゴ病の抗体を持っている人は約20~50%と言われています。つまり、半分以上の方がリンゴ病の抗体を持っていない可能性があるということですね。

──妊娠前や妊娠中に抗体検査を受けたほうがよいのでしょうか。

柴田先生:無症状で検査を受けることはむずかしく、身近にリンゴ病の感染者がいるなど、医師が必要性を判断した場合にかぎって、抗体検査を受けることが可能です。

IgM検査は、以前は妊婦のみに制限されていましたが、2020年から紅斑(顔や体に赤いプツプツ)が出ている15歳以上の成人であれば保険適用になりました。

抗体検査は2種類あり、ひとつはIgM、もうひとつはIgGと言われるものです。IgMは「現在、感染しているか」を確認する検査です。

一方、IgGは「過去に感染し、すでに抗体を持っているか」を確認するもので、保険適用外の自費検査です。費用は医療機関によって異なりますが、3500円~1万1000円ほどでしょう。

いずれにしても、検査の要否は医師の判断となるため、もし心配な事情があれば、まず医療機関に相談いただくとよいと思います。

──SNSなどでは「上の子がリンゴ病だと診断されたら、すぐ抗体検査して安心したい」という声も多いです。検査はどのタイミングで受けるべきなのでしょうか。

柴田先生:リンゴ病は感染してすぐに検査をおこなっても、正確な結果が出ないため注意が必要です。現在感染しているかを調べるIgM抗体が陽性になるのは、本人が感染してからおよそ10日後とされています。

そのため、上の子がリンゴ病と診断され、濃厚接触があった場合でも、検査は一定期間後におこなう必要があります。

「早く調べて安心したい」と焦って受診される方も多いのですが、状況によっては、検査実施を待っていただくことも少なくありません。

妊婦の受診目安は「腹痛・性器出血・胎動」の変化

──妊娠中はどんな症状があったら病院へ行くべきですか。

柴田先生:関節痛や手足のむくみ、強い倦怠感、発熱、発疹など、妊婦さんに体調の変化がみられる場合は、一度、医療機関に電話などで相談していただくとよいと思います。

とくに、腹痛や性器出血がある場合は、注意が必要なサインですので、できるだけ早めに産婦人科へ連絡してください。

また、妊娠20週以降など、すでに胎動を感じている方で、「昨日までは胎動を感じていたのに、今日は感じない」「いつもより明らかに少ない」といった変化がある場合も、受診してください。

大人のリンゴ病は、子どものような典型的な赤い発疹が出ないことも多く、症状だけで判断するのが難しい病気です。心配な症状があるときは、自己判断で抱え込まず、まずはかかりつけの産婦人科に電話で相談し、受診のタイミングを一緒に確認しましょう。

家族や社会で守るという視点を

──妊婦本人だけでなく、周囲の大人が意識すべきことはありますか。

柴田先生:社会全体で、感染症予防を意識していくことが大切です。妊婦さんやご家族が予防に気を配ることはもちろん大切ですが、それだけで守りきれるものではありません。妊婦さんは免疫のバランスが変化しやすい時期にあり、周囲の行動が大きく影響します。

電車や人混みではマスクを着用する、体調がすぐれないときは無理をせず人との接触を控えるなど、「うつさない側に回る」という行動が、妊婦さんを守ることにつながります。

また、もしリンゴ病に感染した場合であっても、かならず胎児に影響が出るわけではありません。心配な症状や不安があるときは、ひとりで抱え込まず、医療機関に早めに相談してみてください。

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妊娠中は、体調の変化や感染症のニュースなどには、どうしても心が揺れやすくなります。とくにリンゴ病のように、「胎児へ感染する可能性がある」「自覚症状が出ないことも」と聞くと、ますます不安になります。

家庭でできる対策に加えて、周囲の大人、そして社会全体が「うつさない側に回る」意識を持つと、妊婦とおなかの赤ちゃんを守る力になることがわかりました。社会全体で予防につとめ、安心して過ごせる子育て環境をつくっていきたいですね。

取材・文/牧野 未衣菜

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