“40カ国以上で上映禁止”の超・悪趣味映画『ジャンク』が30年ぶりに復活!メタ視点で描くSNSホラーに
悪趣味モキュメンタリー『ジャンク』の衝撃
70年代の映画『ジャンク 死と惨劇』をご存知の方は、おそらく40歳代半ば以上ではないだろうか。原題は『Faces of Death』で、その後90年代末までに全7作が制作された知る人ぞ知る“悪趣味”シリーズだ。白髪で痩せぎすの医学博士風の男性が登場し、“死”にまつわる様々な映像を紹介していくオムニバス的なスタイルだった(※製作には日本の制作会社が深く関わっている)。
『ジャンク』が2026年にメタ的ホラーで復活
そんな『ジャンク』が、2026年に驚きのかたちで復活を果たした。手がけたのは『カムガール』(2018年)や、日本でも話題を呼んだ『HOW TO BLOW UP』(2022年)のダニエル・ゴールドヘイバー監督と、共同脚本のイザ・マッゼイ。二人が選んだのは“メタ的なスラッシャー・リメイク”というアプローチだ。
原題はズバリ『Faces of Death』ながら、あくまでオリジナルの映像や設定を活かしつつ「それに触発されたシリアルキラーが現れたら」という構成。つまりオリジナル版の続編とかリメイクではなく、オリジナルそのものを題材にしたメタ的作品であり、しっかり時代性のある設定とストーリーでホラー映画としての説得力をもたせている。
“コンテンツモデレーター”という現代的な視点
主人公のマーゴ(バービー・フェレイラ)は、TikTok風のSNS企業でコンテンツモデレーター(違反動画の審査員)として働いている。ある日、凄惨な斬首シーンを収めた動画が彼女のもとに流れ込んでくる。フェイクだと思いたい。だが、かつて自身の悲劇がネットに拡散された経験を持つ彼女は、その映像を本物だと直感し、独自に追跡を始め――。
フェレイラはこの役のために実際のモデレーターのインタビューを大量に視聴したそうで、米スクリーンラント等の取材に対し「数ヶ月でやめた人たちが口をそろえて『今も悪夢を見る、人生で最悪の経験だった』と言っていた」と語っている。そのモデレーターたちの証言が気になりすぎるが、ドキュメンタリー等で観られるのだろうか……。
『ジャンク』を“台本”にする殺人鬼の恐怖
対するシリアルキラー役を演じるのは『ストレンジャー・シングス』シリーズで知られるデイカー・モンゴメリー。オリジナルの『ジャンク』に収録された死の場面を一つひとつ“再現”し、その映像をネットに投稿し続ける男だ。評論家からは「ボディランゲージひとつで、ただの人畜無害な男からテッド・バンディも恐れるような存在へと変貌する」と絶賛されており、『ストシン』出演後にアート映画方面に舵を切ったモンゴメリーにとってキャリアの転換点になるかもしれない。
かつて劇場で異例のヒットを飛ばし、VHS化によって伝説のカルト映画となった恐るべき低予算モキュメンタリーは、現代のインターネット、AI、アルゴリズム社会をテーマにした作品にどう反映されたのか?『Faces of Death』の全米公開は4月10日とのことだが、いち早い日本公開を願うばかりだ。