つばきの会(逗子市被爆者の会)が 逗子市立沼間小で被爆者証言授業を実施
逗子市被爆者の会(つばきの会/藤原功紹会長)は7月9日、沼間小学校(雨宮彰子校長)で6年生を対象に被爆者証言授業を行った。
広島で11歳の時に被爆した同会の宮川千恵子さん(90)が証言授業向けに2年前に撮影したビデオを上映。映像の中で宮川さんは、「原爆が落とされた時、爆心地から離れた八幡村(現広島市佐伯区)の学校にいたが、B29が頭上を通り過ぎる音を聞くと同時に、『ピカッ』と光り、『ドンッ』と大きな音がして窓ガラスが粉々になった」と証言。その後、上空からごみや真っ黒な雨が降ってきたことなどにも触れた。さらに、被爆から3年後に父親が亡くなったことも話し、放射能の恐ろしさを伝えた。
宮川さんは「原爆の悲惨さを伝える手段として写真があるが、写真からは熱さ、臭い、苦しみのうめき声などは伝わらないことから、こうした証言で残すことが大切だ」と訴えた。
『焼き場に立つ少年』
ビデオ上映後、宮川さんはジョー・オダネルという元米海兵隊のカメラマンが撮影した『焼き場に立つ少年』の写真を紹介。児童らと同じ小学6年の少年が、亡くなった2歳にもならない小さな弟を背負って、焼き場の前で直立不動の姿勢で立つ写真で、後にローマ教皇が「戦争で子どもがこうした目にあってはならない」と、世界中に広めるように呼びかけたという話を披露した。
授業を受けた女子児童は「自分たちが到底実感することのないことを宮川さんが体験していることを知って、戦争は絶対にしてはいけないと思った。今もロシアとウクライナの戦争でたくさんの人が亡くなっているニュースを聞いて嫌だと思う」と感想を述べた。
授業で使われた証言ビデオとは別に、宮川さんが被曝について証言した映像が国立広島長崎原爆死没者追悼平和祈念館のウェブサイトで見ることができる。