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天才物理学者の生涯を描いた映画「オッペンハイマー」の見どころは?

文化放送

4月19日「長野智子アップデート」(文化放送)、午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは、詩人のアーサー・ビナードさんを招き、世界初の原子爆弾を開発した「原爆の父」として知られる理論物理学者ロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた伝記映画「オッペンハイマー」について話を伺った。

長野智子「アーサーさんが今日のお話のテーマで映画『オッペンハイマー』を選んでくださったのは、これはどういう思いからですか?」

アーサー「たぶん人生でハリウッド映画を褒めるのは、これが一番最初かな(笑)」

鈴木敏夫「(アーサーさんが)映画褒めてるのを聞いたことないです、いままで」

長野「あらっ!すごいね、『オッペンハイマー』。どこが一番褒めたいところですか?」

アーサー「物理学を映画で面白く描くってありえないと思っていたんですよね。物理学って、いちばん具体性を持たない学問なのに、その技術的なところもセリフと映像で描けているんですよ。しかも面白いんですよ。この映画は、核兵器を使った時の話とかキューバ危機をギリギリ回避したとか、そういうところじゃなくて『開発』なんですよ」

長野「はい。科学者たちの話ですもんね」

アーサー「開発プロジェクトって面白いの?だいたい面白くないんですよ。だけどこの映画は大きな予算がついて大きなプロジェクトが組まれて、しかもフィクションの次元でストーリーと大義名分が作られて、そういう開発プロジェクトの仕組みを描いているんですよ、面白く。セリフがアクションの代わりに起きる」

長野「あと、ちょっと時代が行ったり来たりしながらね?」

アーサー「行ったり来たりしすぎ!!『ノーラン何やってる!?またタイムスリップするか?あぁー!!』って、3時間の中で何回行ったり来たりするかわかんないんですよ」

長野「だからちょっと混乱する人もいますよね?」

アーサー「混乱しない人が不思議なんだけど、それでもついていっちゃうわけ。なんでかっていうと、この人たちがやってることがとっても大事なことなんだけど、ある意味とってもくだらないことなんだよ。でも、みんな一人一人の登場人物が、オッペンハイマーも含めて板挟みなんだよね」

長野「そうですそうです」

アーサー「巨大な国家権力、科学技術、自分の持ってる倫理、自分の恋愛中の女性、それが全部絡み合うわけ。だから自分もその中に身を置くことができる。そうすると結果的に、僕らが80年前のアメリカ最大の国家機密、そして人類史上最大の粉飾決算によって行われた前代未聞の開発プロジェクトのインサイダーになれるんですよね」

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