寺澤百花さん、永瀬アンナさん、山谷祥生さん、亀山陽平監督が制作&収録秘話を公開! 『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』Blu-ray発売記念イベントレポート
2025年7月に配信・放送されるや否や、独創的な世界観と中毒性のあるハイテンポな会話劇で大きな話題を呼んだ『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』。Blu-ray発売を記念したプレミアムイベントに、チハル役・寺澤百花さん、マキナ役・永瀬アンナさん、マックス役・山谷祥生さん、そして亀山陽平監督が登壇しました。
約1200件もの応募の中から選ばれたファンを前に、アニメ制作の裏側やオーディション秘話、キャラクターの設定まで、ここでしか聞けないトークがたっぷりと披露されたこの日。さらに、2026年2月に公開された劇場版『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』Blu-ray発売決定のサプライズ発表も行われ、会場は大きな盛り上がりを見せました。
本稿では、キャスト、スタッフ、そしてファンの作品愛にあふれたイベントの模様をレポートします。
【写真】『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』BD発売記念イベントレポート
「観ていてしんどくならないアニメにしたかった」——本作に込められた想い
『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』Blu-ray発売記念イベントには、チハル役・寺澤百花さん、マキナ役・永瀬アンナさん、マックス役・山谷祥生さん、そして亀山陽平監督が登壇。抽選で選ばれた約200名のファンを前に、作品の裏側や収録秘話をたっぷりと語りました。
イベント冒頭、寺澤さんが「(約1200件の応募から)イベントに当選した方は約200名ということで、ものすごい人気ですね! ご来場の皆様ありがとうございます!」と感謝を伝えると、会場は大きな拍手に包まれます。プレミアムイベントならではの熱気に、永瀬さんも驚いた様子。亀山監督も「期待に応えられるよう頑張ります」とファンに感謝を伝えました。
また、本イベントには本作関連イベントへの出演機会が少なかったという山谷さんも参加。相棒であるカート役・内山昂輝さんの出演がないイベントであることを受け「今日は一人でお邪魔させていただくことになりました」と冗談交じりに挨拶しつつ「今日は色々お話できたら」と笑顔を見せます。
最初のコーナー「振り返りトーク」では、亀山監督から『ミルキー☆サブウェイ』誕生の経緯が明かされました。シリーズの原点は、監督が25歳当時に専門学校の卒業制作として手掛けた短編作品『ミルキー☆ハイウェイ』。
「卒業後は好きなものを作れなくなるかもしれないと思った」「“好きなことを全部やろう”と始めた作品だった」と当時を振り返る亀山監督。その後、制作会社から声が掛かったことで『ミルキー☆サブウェイ』の制作へと繋がっていったそうです。
一方で「一話3分半」「全編3DCG」という異色のスタイルだったこともあり、世間の反応が予想できなかった、とオリジナル作品ならではの不安も吐露。それだけに現在の大きな反響については「安心感が一番大きかった」と語りました。
次の話題はオーディション当時の思い出。寺澤さんと永瀬さんは「(演技の)正解が全然わからなかった」とその日を振り返ります。限られた設定資料と『ミルキー☆ハイウェイ』の映像だけを頼りにキャラクターを構築したと語りました。
永瀬さんは「テープオーディションの時はまさに体当たりの気持ちでした」、寺澤さんは「ディレクションをたくさんいただく中で、段々とチハルのことが分かってきた感じでした」と当時の様子を詳らかにしました。
亀山監督は「セリフを読む瞬間よりも、普段の受け答えや染み出る人間性を見ていた」と語り、オーディションで“素の人柄”を重視していたことを明かします。山谷さんのテープオーディションでは「マックスのセリフよりも、その前の自己紹介部分の声の感じが『あ、なんかいいな』と思って」と配役の決め手を語ると、山谷さんも「その自己紹介をした自分、グッジョブですね」と笑いを誘いました。
また山谷さんは、収録時の独特なディレクションについても言及。「お腹から声を出さないで」「気合を入れすぎないで」といった指示を受けて「10年以上やってきた“声優としての鎧”を剥がされる感覚でした」と振り返ります。
本作では、“アニメらしい芝居”よりも「今生まれた言葉」のような自然な会話劇が求められていたとのこと。亀山監督は「一般的なアニメの発声をやめてください、というのは申し訳なかった」としつつ「それでも自然に喋るだけで、やっぱり声優さんは良い声なんです」と、キャスト陣への信頼を語りました。
その言葉を受けた永瀬さんから語られたのは、アフレコ前に監督自らが全話分の仮音声を入れた映像を見た際の衝撃について。「監督のお芝居がめちゃくちゃ面白かった」とコメントしました。
すると亀山監督は「仮アフレコを自分の中での“正解”にしすぎたことで、皆さんの個性を拾い切れていなかったかもしれない」という反省を明かします。しかしその一方で「皆さんの演技を受けて、さらにキャラクターの解像度が上がった」とも語り「次回作を作ることになった時は、よりやりやすいセリフ回しや演技になっていると思います」と、今後への期待をのぞかせました。
また、アニメ放送中から放送後にかけて、カートやマックスの元の顔をはじめとしたキャラクター設定が次々と公開されていることも話題に。
永瀬さんは「みんな色んな事情を抱えながらも、そこを軸にはしていない」「収録当時は詳しい情報がなかったからこそ、逆に良い演技が出来たのかもしれません」とコメント。これに亀山監督も「辛い経歴があったとしても、“今”元気に生きていたらいいなと思っていて。観ていてしんどくならないアニメにしたかった」と、本作に込めた想いを明かしました。
大注目のDSセキュリティー社設定が公開!「今後やるべきことも見えてきた」
続く「質問コーナー」では、“役の第一印象と現在の解釈”についてトークが展開されました。
山谷さんはマックスについて「最初は見た目から、派手でチャラいキャラクターだと思っていた」「でも実際は思った以上に淡々としていた」と印象の変化を語ります。収録を重ね、ディレクションを受けながら、少しずつキャラクター像を固めていったそうです。また永瀬さんは、カートとマックスの“女の子への呼び方”に注目。「“ちゃん付け”で呼ぶギャップがすごく可愛い」と熱弁すると、客席からも納得の声が上がりました。
永瀬さんはマキナの第一印象について「可愛い子の隣にいる、ちょっと尖った子みたいな関係性を想像していた」と振り返ります。しかし実際に収録を重ね、完成した映像を見たことで印象は大きく変化。「意外と対等な友達同士なんだなと感じました」と、チハルとの自然体な距離感が見えてきたことを明かしました。
本作のオーディションにて、永瀬さんは当初アカネ役も受けていたとのこと。そんなオーディションでの一幕として「マキナ役では、かなり色々な演技を追加でお願いした記憶があります」と、当時の様子を紹介したのは亀山監督。「演技の幅が広かった」と、永瀬さんの表現力を絶賛しました。
寺澤さんはチハルについて「最初は人見知りで、マキナの後ろに隠れるタイプかと思っていた」とコメント。「ファミレスで注文する時もマキナに任せていそうなイメージだった」と笑いを交えつつ「実際はちゃんと自分からコミュニケーションを取りに行ける、“陽”の部分が強い子だった」と印象の変化を明かしました。
これに対し亀山監督も「寺澤さんの演技を見て、チハルのキャラクター性を変えていった部分がある」と告白。元々はもう少し“だるさ”のあるキャラクターを想定していたそうですが、寺澤さんの明るい芝居を受け「もう少しテンション高めの子の方がしっくりくる」と感じたと明かしました。
「皆さんの演技によって、キャラクターが具体化していった」——そんな監督の言葉からは、本作がキャスト陣とのセッションの中で形作られていった作品であることが伝わってきます。亀山監督は「キャラクターの魅力の半分以上は皆さんのおかげです」と、改めてキャスト陣に感謝を伝えました。
イベント中には、2026年2月に公開された劇場版に関する話題も。寺澤さんと永瀬さんは一緒に映画館へ足を運んだことを明かし「映画館で聞くと低音の響き方が全然違う」と、映画館ならではの音響に感激した様子を見せます。亀山監督も、劇場上映用に音響を再調整していたことを明かし「テレビやスマホでは削られてしまう細かな音も、劇場ではしっかり届けられる」と、音響面へのこだわりを語りました。
続いての質問は、ファンの間でも注目を集めている「ドーズ&スミス防衛サービス(通称:DSセキュリティー社)」について。
“社宅はあるのか”“福利厚生はどうなっているのか”といった細かな質問に対し、亀山監督は詳細な設定(現段階のものとして)を次々に明かしていきます。
現在の設定では、カートとマックスはDSセキュリティー社の施設内で生活しているとのこと。社員たちは社宅兼事務所のような場所で寝泊まりしており、社長は「ブラックすぎると社員が辞めてしまうから」と、ある程度の待遇は整えているそうです。
しかしその一方で、社長の“怖さ”については、「暴力的というより、もっと間接的に恐怖を与えてくるタイプ」と説明。「賃上げ交渉をしている時、突然家族の事情に触れてくるような人物」と具体的に人物像が語られると、会場からは思わず「怖っ!」という声も上がっていました。
そんなDSセキュリティー社の会社規模は“数百人規模”ではなく、両手で数えられる程度の人数感とのこと。ジェイソン、アリス、カート、マックスらの入社順についても語られ、ジェイソンの次にアリスが入社し、カートとマックスは入社から2~3年ほどと、比較的新入りという設定が明かされました。
また、ファンの間で密かに話題になっている“ササキ”という名前についても言及。「設定はちゃんとある」としつつ「Xでも気にしている人が結構いるので、いつか見られたら良いですね」と笑いながらコメント。今後の展開を期待させる一幕となりました。
加えて、カートとマックスの“靴”に関する質問では「軍の支給品」という設定が判明。重力制御のある世界観ならではの特殊機能も備わっているそうで「壁に張り付いて歩ける」といったSF設定も飛び出します。
さらに、マックスの現在のビジュアルについても「カートと一緒に過ごすうちに“今を楽しんでもいいか”と思うようになり、髪の毛を付け足した」という背景が明かされ、キャラクターの内面にまで踏み込んだ濃密なトークが繰り広げられました。DSセキュリティー社への尽きない質問を受け、亀山監督は「DSセキュリティーの詳細をどこかでちゃんと出したほうが良さそうですね」と笑顔を見せます。
最後に、プレゼント抽選会も実施。寺澤さん&永瀬さんのサイン入りポスター、山谷さんサイン入りアクリルスタンド、そして亀山監督サイン入りコンテなど、豪華景品が次々にプレゼントされ、会場は大盛り上がりとなりました。
そしてイベント終盤には、『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』Blu-rayの発売決定がサプライズ発表。さらに発売告知CM映像が上映され、2026年10月28日に発売されることや、「ポッピーくんソフビ(蓄光Ver.)」付き数量限定版の情報、各法人特典の描き下ろしアクリルスタンド情報なども一挙解禁され、会場から大きな拍手が送られました。
最後の挨拶では、キャスト・スタッフ陣それぞれが作品への思いをコメント。
山谷さんは「1時間じゃ短すぎましたね」と名残惜しそうに語りつつ「またこういった機会に恵まれたら嬉しいですし、この物語の続きも見たいので、皆さん引き続き応援よろしくお願いします」とファンへメッセージ。さらに亀山監督へ「体調と心を壊さないように」と温かいエールを送りました。
永瀬さんは「作品そのものはもちろん、少しずつ明かされる設定も本当に面白くて大好きです。自分も一ファンとして追いかけている作品なので、ぜひ続きや新作が見てみたいですね」と作品への想いを熱弁。「これからも体調だけは気をつけてください」と、監督を気遣う場面も印象的でした。
寺澤さんは「ここまで大きな反響になるとは思っていなかった」と率直な心境を吐露。自身の友人や同級生までもが作品にハマっていることに驚きを感じていると明かし「本当にすごい作品に関わらせていただいているんだなと実感しました。私も一人のファンとして続きを楽しみにしています」と感慨深げに語りました。
そして最後に亀山監督は「本編はYouTubeで観られるのに、Blu-rayを買ってイベントまで来てくださるのが本当にありがたい」とファンへ感謝を伝えます。「質問コーナーを通して、今後やるべきことも見えてきたので頑張ります」と力強く締めくくりました。
イベントのラストには、ポッピーくんによるお見送りや、来場者限定のお土産ステッカー配布も実施。作品愛とファンの熱量に満ちた、プレミアムなBlu-ray発売記念イベントとなりました。
【取材:柴山夕日 撮影:胃の上心臓】