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35年間一針一針 大平町の阿部さん、作品おひろめ会 友人が開催後押し

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大平町の自宅で手作り品のおひろめ会を開いている阿部さん(中)、友人の岩間さん(左)と高坂さん

 手仕事が織りなす世界で和やかな気持ちに―。釜石市大平町の阿部ミエさん(95)は趣味の手芸を楽しみ、自宅を彩っている。パッチワークの壁掛けや色鮮やかなつるし飾りなど、35年間一針一針縫い、作り続けてきた作品がずらり。24日まで「芸術の秋!おひろめ会」を開いており、近所の人らが足を運んで心温まる展示を楽しんでいる。

作品に囲まれる阿部さん。心温まる世界をゆっくり見てほしいと望む

 大船渡市三陸町吉浜出身の阿部さん。20代前半に結婚し、釜石に移り住んだ。漁業の繁忙期に磯場の手伝いなどをしながら、5人の子を育て、家庭を切り盛り。子どもたちが独立し、夫婦2人での生活が始まった矢先に夫を病気で亡くした。若いころに裁縫を習っていたという阿部さん。「一人でポカーンとするより、何かしよう」と布を使ったものづくりを始めた。

 材料として使っているのはすべて、子どもや孫の服などを解(ほど)いた古布。阿部さんは「誰が着たものか、思い出しながら一針一針に愛情を込めている」と目を細める。手間も時間もかかるが、「出来上がるとやっぱりうれしくて夢中になっちゃう。仕事があると思えば何事も楽しみ」。できる限り作品を作り続けるという。

茶飲み友達と作品を見ながら会話を楽しむ阿部さん(左)

 作品を玄関や茶の間に飾り付けている阿部さんが、手芸と同じように楽しみにしているのが、「ご近所さん」との茶飲み会。話を弾ませる中で、「いろんな人に見てもらいたいね」と作品展開催も話題になっていたという。新型コロナウイルス感染症の影響でできずにいたが、最近は感染拡大が抑えられていることから、ほぼ毎日顔を合わせる高坂タミ子さん(87)がおひろめ会を提案。阿部さんは「最初で最後かもしれない。やってもいいよ」と話に乗った。

おひろめ会の実現に力を合わせた(左から)岩間さん、阿部さん、高坂さん

 おひろめ会では阿部さんが作り続けてきた作品の一部を紹介。40年来の友人でレース編みを得意とする岩間泰子さん(91)、阿部さんの娘3人が持ち寄った作品など、合わせて約1000点が並ぶ。

 3人は「コロナ時代のうっとうしい気持ちを、温かい手作り品を見て和やかな気持ちにしてもらえたら。ゆっくり見てほしい」と声をそろえる。おひろめ会は24日までだが、1週間ほどはそのまま飾り付けることにしている。阿部さん宅は県交通「大平一丁目」バス停近くの住宅地にある。

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