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初代から続くプレデターの“流儀”とブレない中にある“新しさ”が交錯する新章――『プレデター:バッドランド』ティア役日本版声優・早見沙織さんインタビュー

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

映画『プレデター:バッドランド』が、2025年11月7日(金)より公開中!

シリーズ誕生以来、数々の傑作を生み出してきた稀代のアクション映画『プレデター』の新章。これまでは人間やエイリアンの前に立ちはだかる敵として描かれてきたプレデターが主人公として描かれます。

アニメイトタイムズでは、映画公開を記念して、ティアの日本版声優を務める早見沙織さんにインタビュー。作品の見どころや収録秘話、お仕事の“相棒”などを語っていただきました。

【写真】『プレデター:バッドランド』早見沙織インタビュー

ティアとのコミュニケーションを通して、プレデターをより身近に感じられる

ーー1987年から続く『プレデター』シリーズ作品に対する印象をお聞かせください。

ティア役・早見沙織さん(以下、早見):最初に作品の存在を知ったのは幼少期でした。今作の作品に関わる前の印象としては、得体の知れない怖い存在。そして何よりも強いハンターというイメージもあったのですが、今作で印象がガラッと変わりました。

ーーティア役の日本版声優に決まった時の率直なお気持ちをお聞かせください。

早見:実はティア役のエル・ファニングさんのインスタグラムを拝見していて、そこに今作の予告が掲載されていたんです。その予告を見た時に「面白そう。どんな物語なんだろう?」と感じまして。その後でオファーをいただいたので、驚きました。

ーー今作『プレデター:バッドランド』の魅力をお聞かせください。

早見:まず、プレデターが主人公であるということ。ティアはアンドロイドなので、相手の言語に合わせてコミュニケーションが取れて、プレデターのデクが話す言語も理解できるんです。

ふたりの交流を通して、「プレデターはこんなことを考えて、日々を過ごしているんだ」とより身近に感じることができます。そういう意味で、デクにも感情移入できますし、ティアとの相棒感も楽しんでいただけると思います。

ーー先ほどお話いただいた通り、プレデターに対するイメージが変わる作品ですよね。

早見:そうですね。そのうえで初代から続くプレデターの戦いにおける流儀や信念は決してブレないまま、その中に新しさがあります。

それは今作にしかないものですし、「プレデターにバディができるなんて、誰が想像しただろう?」「相棒と息を合わせるプレデターを見たことがありますか?」と思います。

ーー今作の日本語版の魅力は、どこにあると思いますか?

早見:プレデターのセリフはプレデター語で展開されるので、吹替版でもほとんど字幕なんです。特に冒頭はプレデターのシーンがとても多いので、吹替版だと思って見ていたけれど、「あれ?」と思うような驚きがあると思います。

ティアは陽気でチャーミングなキャラクター

ーー感情表現豊かな陽気で明るいティアを演じるにあたって、どんなことを意識されましたか?

早見:デクとの出会いのシーンで、ティアはずっとしゃべっている陽気でチャーミングなキャラクターです。

ですので、私自身も最初から自分の気持ちを開いて、「楽しみながらアフレコ収録ができたらいいな」と思っていました。

ーーティアを演じるエル・ファニングさんの印象や演技についてお聞かせください。

早見:エル・ファニングさんの陽気で、おちゃめで、コミカルなお芝居が大好きなんです。今作はもちろん、(エル・ファニングさんの)吹替えを担当させていただいた別作品でも、コミカルなシーンの表情や声の抑揚がとても印象的でした。そういった彼女の雰囲気を声でも表現できたらと思っています。

ーーティアを演じた中で、特に印象的だったシーンを教えてください。

早見:デクと出会った瞬間から“ティア節”全開と言いますか……常にしゃべっています。ティアが崖の上に放り投げられる場面では、怯えたり、恐れたり、怒ったりするのかと思いきや、ものすごく楽しんでいて。エル・ファニングさんの楽しそうな表現が本当にかわいらしくて、とても印象的でした。

ーーアンドロイドを演じるうえで意識されていることがあればお聞かせください。

早見:個人的に「アンドロイド」というワードを聞くと、もう少し無表情で感情の起伏に乏しいイメージが湧いていましたが……ティアを演じるにあたっては「あまり考えない方がいいかな」と。このコンビに関しては、ティアがアンドロイドだったからこそ、垣根を越えて交流できている。人間だったらまた違う描き方になっていた気がします。

ーー強さを求めて狩りを続けるプレデターですが、早見さんが作品の中で感じるティアの強さとはどんなところだと思いますか。

早見:新しいものや危機に対して、柔軟に対応できるところ、どんな時も陽気さを失わないところが彼女の強さではないでしょうか。

これまでの『プレデター』シリーズから考えると、ファーストコンタクトは緊張感のあるものでした。ですが、今回はプレデターとそうでないものが出会う緊張感が全くありません。デクの言葉にチューニングを合わせて、すぐにレスポンスする対応力や一方的に話しかける明るさが1ミリも揺らがないんです。

彼女には色々な目的があり、それを軸に動いているというのも余裕につながっている要因かもしれません。後半にかけては、ティアに関する秘密も明かされ、彼女の周りに何が広がっていたのかが見えてくると思います。

早見さんが感じる『プレデター』の魅力

ーー収録時の印象的な出来事をお聞かせください。

早見:本番に臨む前は「ティアとして、楽しみながら収録できたらいいな」と思っていましたが、録れども録れども、自分ばかりが話していることに気づきました。

プレデターのデクは基本的には字幕なので、「ということは、吹替版をご覧になる方はずっと自分の声を聞くことになるんだ」と感じて、より気合が入りましたし、プレッシャーも感じました。

また、今回の作品では、エル・ファニングさんが陽気なだけでなく、ものすごくシリアスな表情のお芝居もされています。そのふり幅をどのように日本語で表現していくかは、私自身も答えがない状況で現場へ行きました。現場では「しっかり変えたい」というディレクションがあったので「今回はそこをしっかり作っていくんだな」と思い、挑みました。

ーー『プレデター』シリーズが長く愛される理由はどこにあると思いますか?

早見:いくつか作品を観直す中で感じたのですが、プレデターがあまり出てこないんです。冒頭から存在はしているのですが、しっかりと登場するのは後半が多い。

完全に明るみに出ていない中でも、強烈なインパクトを残す存在感。映像全体を観ているだけで、勝手に想像してしまうほどの強烈な個性があるのかなと思います。姿が見えなくても、自分の中にいるんです。それがシリーズの力強さだと思いますし、だからこそ今回の作品では、最初のシーンから登場するという展開がとても面白かったです。これまでの積み重ねがあったうえで、最初から出てくるデクという存在に対して、非常に興味をそそられました。

ーー作品の中で、ティアはデクという相棒と出会いますが、早見さんにとって、お仕事の“相棒”は何ですか?

早見:音の鳴らない服でしょうか。収録のマイクは性能が良いので、少しでも衣擦れがあると、音を拾ってしまいます。例えば、“シャカシャカパンツ”を履いて収録すると、衣擦れで録り直しになります。ですので、お店屋さんで洋服を買う時は必ず布をと擦り合わせて、音が鳴らないかを確かめています。恐らく他の職業の方はあまりしないはずです。気になる服があったとしても、「収録や仕事で着られないと、そんなに着られないかな」と、色々なことを考えて服を買うようになりました。

[インタビュー/宋莉淑(ソン・リスク)撮影/胃の上心臓]

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