【緊急企画】猛暑襲来! 子どもを「熱中症」から守れ 対策グッズ&予防方法 〔パパママ〕に徹底取材(2025年最新版)
猛暑の時期の子どもの通園や通学、赤ちゃんのお出かけにおすすめの熱中症対策グッズや熱中症の予防方法をご紹介。トレンドは塩分摂取、進化した保冷剤、教育現場での変化など2025年の最新情報を子育て中の親に調査しています。
猛暑や雨などによって通園、通学で苦労したことのあるパパママの割合(アンケート結果)梅雨を飛び越していきなり夏がやってきたようです。
コクリコでは、全国のパパママに熱中症対策をアンケート。本記事では2025年度最新版の「子どもの熱中症対策」をお伝えいたします。
アンケート概況:
コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に 2025年4月2日~15日インターネット上で実施。有効回答数は108件。
過酷な暑さの中での通園通学
コクリコラボアンケート(2023年6月13日~2023年6月26日インターネット上で実施。有効回答数は165件)
2023年の夏、コクリコラボが子育て中のパパママに「猛暑や雨などによって通園、通学で苦労したことはありますか?」と聞いたところ、8割以上が「ある」「たまにある」と回答していました。
実際、こども家庭庁の発表によると、2023年の子どもの熱中症による救急搬送人員は1万384人(5月~9月の合計)にのぼっており、前年度に比べて2180人多かったとのこと。熱中症は時には命の問題にも直結するため、パパママは無関心ではいられませんね。
2025年最新「子どもの熱中症対策」をご紹介
気象庁の発表では、2025年の6月から8月の気温は全国的に平年より高くなり、熱中症警戒ランクも「厳重警戒」の日数が増える見込みです。熱中症対策はもはや子育ての必修科目といえそうですね。それでは、パパママから寄せられた2025年版「子どもの熱中症対策」をご紹介しましょう。
◆「塩分の摂取」が定番化
2023年時の調査と比較して、今回とくに多く寄せられたのは「体の中から熱中症を防ぐ」ものでした。ほとんどの方が水分補給に気をつけていますが、今年は「塩分の摂取」を意識しているという意見が大幅に増加。熱中症対策の新常識になったといえるのではないでしょうか。
……塩タブレットを常備して、定期的に食べさせている。
……どこでも水筒持参。塩や塩飴を持たせる。
……朝起きて食事の進みが悪いときは、ラムネや食塩の入ったタブレットを食べさせて登校させています。
タブレットや飴などで手軽な塩分補給を心掛けているという声が多かったです。登校前に塩分摂取をこころがける習慣もよさそうですね。
◆新常識「アイススラリー」とは
……アイススラリーがおすすめです。
「アイススラリー」を教えてくれたママもいました。こちらは凍らせて飲むタイプのポカリスエットです。「スラリー」とは「液体と細かい氷の混合物」のこと(公式サイトより)。
流動性が高いことから通常の氷よりも体の内部を効率よく冷やすといわれています。最近注目されている運動前に一時的に深部体温を下げる「プレクーリング」ができる、新しい熱中症対策だということです。
◆冷却剤が進化している!
前回の調査では熱中症対策の第2位にあがっていた「冷却剤」も進化を遂げています。まずは座談会に参加したママからの耳寄り情報をお伝えしましょう。
小5・小2・年長の男の子のママ……救急救命講習を受ける機会があり、そこで熱中症について詳しく教えてもらいました。手の平や足の裏には太い血管が流れていて、アイスノンを握ったりする方が体温が下がりやすいというデータがあるそうなんです。そして、実際にやってみると、首のみに当てるよりも手の平で握るのが効果的だと感じました。
こちらのママが教えてくれたとおり、手のひらには、AVA(Arteriovenous Anastomoses)という体温調整を担う血管があり、AVAを冷やすと冷えた血液が体内を巡り全身のクールダウンにつながります。
・参考:『手のひら冷却で熱中症予防 流水や保冷剤で全身クールダウン 体温調整する血管「AVA」に注目』
(2022年7月29日付 東京新聞朝刊)
そうはいっても、気温が高い環境では冷却剤自体を冷たく保つのも大変。そんな悩みに対して寄せられたアイデアもありました。
……保冷バッグの中に保冷バッグを入れて二重にして飲みものを入れておくと、1日中ひんやりが続くようです!
……去年取り入れた、350ml缶が6本入るサイズのクーラーボックスはすごくよかったです。軽いし、冷却剤をたくさん入れて持ち歩けば熱中症対策になるし、ちょっと休みたいときにはイスにもなる(笑)。最高でした。
似たようなお話は野球っ子ママによる暑さ対策の記事にも書かれていますので、あわせて参考にしてください。
・参考:コクリコ記事『夏の通学・部活にピッタリの「暑さ対策」 学童野球のママ友から聞いた真夏の屋外でも長持ちする「3大工夫」を伝授』
座談会では、冷却剤の代わりに氷囊(ひょうのう)をおすすめしてくれたママがいました。
小5女の子のママ……携帯氷囊という魔法瓶構造になっている筒のようなものがあるのですが、かなり長持ちするので、とても役に立っています。
外が高い気温でも魔法瓶構造であれば心強いですね。
・参考:Peacock アイスパックシリーズ
……帽子の裏に入れる保冷剤。
レビューでは持続時間について賛否あるようですが、帽子のなかに入れて頭を冷やせる保冷剤を教えてくれたママもいました。
……朝はネッククーラーで対策できるけれど、去年の下校中に熱中症で気分が悪くなり公園で休んで帰ってきたということがあったので、帰り用にパンチで冷える冷却剤を持たせるようになりました。
冷却剤のデメリットは、登校前に凍らせても、下校時には溶けてしまうこと。その点、瞬間冷却パックであれば、使いたいときに冷やせるので便利ですね。それにしても下校中に熱中症になってしまったとは……本当に過酷なことがうかがえるエピソードです。
写真:PantherMedia/イメージマート
◆赤ちゃんを守る! ベビーの熱中症対策
大人以上に暑さが即、命にかかわりかねない赤ちゃん。言葉で訴えることもできないので、猛暑の時期のパパママはとても神経を使いますよね。ベビーグッズも進化を遂げています。
……新情報なのかどうかはわからないのですが、熱中症対策としていろいろ調べた上で、昨年の夏はエアラブ(airluv)が、ベビーカーやチャイルドシートを使う際に大活躍しました。最近アップデートされた新バージョンはさらに改良されているらしく気になっています!
airluv(エアラブ)は、ファン付きのベビーカーシート。保冷剤ポケットがついているほか、バージョンによっては全体が接触冷感素材でできていたり、空気清浄機能のついたファンがあったりと、赤ちゃんの快適性を追求しています。
……実際には使ってないのですが、春生まれの子にプレゼントを探しているときに見つけたベビーカー用のファンはいいなと思いました。昔は保冷剤しかなかったので。
こちらのママは別のファン付きのベビーカーシートを教えてくれました。「ベビーカー用クールファンシート ヒーミークール LOWYA」はダブルファンで、より強力な送風が実現しているそう。今後はベビーカーにファン付きシートはあたりまえの時代がくるのかもしれません。
座談会では、1歳になったばかりのお子さんのママからこんな情報がありました。
1歳男の子のママ……ハンディファンを外の暑い所で使うと逆に熱風が来てしまうので、涼しい所で使うようにしています。
外気温が40℃近い昨今の夏は、熱中症予防と思っての行動が予想外の結果をもたらす可能性もあります。グッズを正しく利用しながら、赤ちゃんを暑さから守りたいですね。
◆危険な暑さの通園通学を乗り切る
危険な暑さのなかでの通園や通学。2025年の夏に向けた対策を聞きました。まずは小学生向けの情報から。
……毎年ランドセルを背負ってた背中が暑くてあせもができてかわいそうなので、今年はひんやり背あてパッド(軽量保冷剤付き)を買おうと思います。
ランドセルの背中部分は通気性が悪く、あせもになってしまうことも。市販のバックパック用のものもありますが、セイバンからはランドセル用に開発された保冷剤付きの背あてパッドが出ています。
……クールタオルを登下校で使う予定です。今年は在宅ワークの比率を上げ、下校時間に時間を作るように調整して、途中まで来るまで迎えに行こうかと考えています。下校時間は一番暑い時間で、毎年真っ赤な顔と汗だくで帰ってくるため、熱中症が心配です。学校から家まで30分以上かかり、日陰が少ないので。
ママが仕事の調整をし、下校時間にお迎えにいくという声。日陰の少ない道を30分以上子どもだけで歩かせるのは確かに心配です。
……男の子も日傘推進!!
直射日光をさえぎり暑さを緩和できる日傘。有効活用したいものですが、以前のコクリコラボで「学校の謎ルール」を調査したときには、日傘は禁止というルールがあるという声もありました。
しかし、座談会では最近になって学校側のルールが変更になったと話してくれたママがいました。
中2男の子、小5女の子のママ……昨年から学校の登下校で、首に付けるリングがOKになったり、飲みものもスポーツドリンクがOKになりました。
中2と5歳の男の子、小5女の子のママ……小学校と中学校はお茶ではなく、スポーツドリンクを持たせるよう今年から連絡がありました。学校に行くのに帽子は必須で、日傘については各家庭に任されています。学校では、夏はクーラーが常についています。
教育現場でも熱中症対策についてかなり理解が進んでいるといえるでしょう。なかにはこんな声も。
……保冷剤を帰りまで凍らせておくのが課題になりそう。暑い地域の学校には、たつの市のように冷凍庫を設置してほしいです。
こちらのママが教えてくれた情報を調べたところ、兵庫県たつの市では下校時にぬるくなってしまうランドセル用の保冷剤を再冷却するための冷凍庫が市内全16校に設置されているそうです。このように自治体主導での熱中症対策が広がっていくといいですね。
・参考:小学校に冷凍庫は定着するのか?実際の様子を取材しました!(金谷早紀子) | 繊研新聞
……帽子を被らせることはもちろんですが、うちはサングラスをかけさせてます。ファッション的にもおしゃれで本人も喜んでつけてくれます。サングラスは目からの吸収を妨げてくれるので、効果的だと本で読みました。
屋外活動の際は目からの紫外線を防ぐのも大切です。お子さんの喜びそうなサングラスを一緒に選ぶのも楽しそう。
……暑熱順化という言葉を、今年初めて知りました。言われてみれば子どもは全館空調に慣れきり、暑さに弱い。今年はチャレンジしてみようと思っています。
「暑熱順化(しょねつじゅんか)」とは、体を次第に暑さに慣れさせること。本格的な暑さが来る前に、数日から2週間ほどかけて軽い運動や入浴によって汗をかくことが大切だそうです。無理なくチャレンジしてみたいですね。
猛暑に負けない! 熱中症対策で子どもの命を守ろう
本格的な夏が来る前の調査にもかかわらず、多くの最新の熱中症予防グッズやアドバイスを集めることができました。それだけ現役子育て中のパパママは、子どもの命を守るために情報収集をしたり、予防法や対処法を実践しているのだということが伝わってきました。今回ご紹介した以外にみなさんのおすすめの熱中症対策はありますか?
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。
「子どもの熱中症を防げ! 通園・通学の暑さ対策 やってよかったリアルな実例」では、朝の登園・登校前にできる対策などが掲載されています。
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