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スキージャンプ小林陵侑、日本男子最多W杯18勝で葛西紀明を超えた強さの理由

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小林陵侑Ⓒゲッティイメージズ

わずか3シーズンで「師匠」の17勝抜く

ノルディックスキー・ジャンプ男子で24歳のエース小林陵侑(土屋ホーム)が2月19日、ルーマニアのルシュノブで行われたワールドカップ(W杯)個人第22戦(ヒルサイズ=HS97メートル)で日本男子の単独最多となる通算18勝目をマークし、同じ所属先で監督を兼任する48歳のレジェンド葛西紀明の通算17勝を超えた。


小林陵は1回目で94メートルで7位につけ、2回目に力強く飛び出してヒルサイズを1.5メートル越える最長不倒の98.5メートルを飛んで逆転。合計257.9点で今季2勝目を挙げた。

W杯初勝利からわずか3シーズン目。国際スキー連盟(FIS)の公式サイトでも大きく取り上げられ「今日の自分のジャンプは満足しているし、かなり良かった。過去のシーズンと比べて夏のトレーニングからいい感覚がなかったが、ここに来て(2月下旬の)世界選手権(ドイツ・オーベルストドルフ)に向けても自信が高まっている」とコメントした。

「師匠」と仰ぐ葛西の記録を超え、自身初の世界選手権金メダルへも期待が膨らむジャンプとなった。

昨季は足踏み、踏み切り改善で復活の兆し

小林陵は「レジェンド」と慕われる葛西紀明がほれ込み、自身が監督を兼任する土屋ホームにスカウトした逸材。2018~19年シーズンのW杯で初優勝を含むシーズン13勝を挙げ、欧州勢以外では初めて個人総合優勝に輝いた。

船木和喜、原田雅彦らを擁し、1990年代に世界屈指の選手層を誇った日本ジャンプ界が再び世界の脚光を浴びることになった。昨季は3勝し、2022年の北京冬季五輪でもメダル候補と期待される。

2019年12月に葛西の記録にあと一つと迫ってから昨季は足踏みが続き、今季も開幕からぴりっとしなかったが、助走や踏み切りで試行錯誤を重ねてシーズン序盤の不振から脱却。2月13日にポーランドのザコパネで行われたW杯個人第20戦(ヒルサイズ=HS140メートル)で今季初優勝し、葛西が持つ日本男子最多記録の通算17勝に並んでいた。

ジャンパー4きょうだい、抜群の瞬発力と空中姿勢の安定感

「日の丸飛行隊」の新時代を切り拓く小林陵はもともと身体能力に定評があり、173センチ、60キロのバランスが取れた体格で長いシーズンを戦うための瞬発力や持久力、ジャンプ力も兼ね備える。足首の類いまれな柔らかさが特徴で、空中姿勢の安定感も随一だ。

兄の潤志郎、姉の諭果と弟の龍尚もジャンプ選手の4きょうだい。5歳でスキーと出会い、小学1年の時からジャンプを始めた。

岩手・盛岡中央高時代まではノルディック複合にも取り組んでおり、全日本中学大会でジャンプと複合の2冠を達成。その強さの理由は、踏み切りから滑空姿勢への移行が抜群に早く、無駄な空気抵抗を受けずに飛べるスタイルにある。

飛距離の秘密は「浮力重視」のバランス技術

靴底の厚さもミリ単位でこだわり、ジャンプのメカニズムを追求。助走の勢いをロスせず、腰を支点に胸を張るような姿勢で前方へ飛び出すから、雪面から離れた高い位置を飛行できるようになり、バランスも崩れにくく飛距離が伸びた。

最大斜度35度強のジャンプ台から飛び出す際の時速は90キロ超。その技術的な特徴は、空中でのスキーと体の抜群のバランス感覚に尽きるといえる。空中で動かず抵抗を受けないスタイルが源流にあるため、推進力ではなく浮力重視の技術がかみ合うと、圧倒的な飛距離を生み出すのだ。

一発勝負の五輪や世界選手権とは異なり、W杯総合争いは4カ月余りの長いシーズンを通して安定して強さを示すことが求められる。欧州でも「鳥人」「怪物」などと称賛されて人気と注目度も高いトップジャンパー。日本人初の年間王者になった天性の才能と実力はやはりただ者ではない。

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記事:田村崇仁

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