「準決勝が一番、怖かった」金メダリスト・池崎大輔選手が語るパリ2024パラリンピック
「あ」、こういう見方、考え方もあるんだ。世の中の様々な「あ」を探し多様な選択肢をリスナーの皆さんと共有する番組。
パリ2024パラリンピックで見事金メダルを獲得した車いすラグビー日本代表の池崎大輔選手が生出演!
準決勝直前にキャプテンの池選手に「俺、怖いんだけど、、、」
井上:準決勝、点差だけ見ると、一番の山場だったのかなと思うんですが?
池崎:本当その通りです。リオも東京もそうですけど、準決勝の壁があって、いつもそこは乗り越えられなくて決勝の舞台っていうのは立てなかったんですね。やっぱり、準決勝が一番緊張したというか、ここを乗り越えればっていう気持ちがありました。
井上:違いました?準決勝。
池崎:全然違いましたね。もう準決勝が一番緊張しました。色んなことが蘇ってくるから、いっつも、ここでやられてるので。でも、ここを乗り越えたら絶対頂点にはいけるっていう自信があったんです。
犬山:そのときどんなメンタルの保ち方というか?
池崎:本当に緊張するし、正直、キャプテンの池には言ったんですけど、「めっちゃ俺怖いと…」
井上:えっ!そんなこと言うことあるんですか?
池崎:今までで初めて言いました。これだけ期待されてて、こんなに多くの方に支えられてサポートしてもらって、8年越しのリオ、東京と、やっとこの場まで来たと。でも、ここにいる自分がすごく怖いって思ったんですよね。
井上:それは、どのタイミングで伝えたんですか?
池崎:コートに並ぶところです。
井上&犬山:え!試合の直前?選手村とかではなく?
井上:池さんの反応は?
キャプテンの池選手は笑っていつも通り
池崎:笑ってました。
井上:すげえなー
池崎:和ませるっていう感じで、わかってても口にも出さないし、池はいつもそばにいたから一緒にやってたから、わかってるんですよね。
井上:わかってても、やっぱりいつも通りの自分たちでやれば、今の日本ならしっかり勝てる乗り越えられるっていう、、、
池崎:そういう自信は僕よりもやっぱさすがキャプテン(池)は持ってました。
井上:ずっと突き進んで第一線でやってらっしゃった池崎さんでも、怖いとかそういう思いになったんですね。でも、その瞬間っていうのはそれを逆に口にできるのも強いと思うんですよ。だって、それ言わない方がいいし、伝播したら怖いし、それを言えるって強いですよね。
池崎:いやもう強いのかも本当気持ちで負けてたのかわかんないすけど、それを池には言いましたね。
犬山:池さんには言えるっていう関係性なんだ。
井上:その因縁のオーストラリアとの試合は、シーソーゲームもシーソーゲーム。延長戦になって、観てる方、誰もが言ってもこの試合が一番緊張したって言いますよね。もうほぼ全員これじゃないですか?池崎さんがこの試合でポイントとして一つ挙げるとしたらどの瞬間ですか?
池崎:正直、覚えてないんすよ、覚えてないすけど、やっぱ4ピリの残り8秒。これは、よく言うんですけどそこでやっぱり同点に追いついたっていうところじゃないですかね。
井上:そんな心境だったんですね。メカニック担当の川崎さんはどうでしたか?
川崎:そうですね正直な話、ちょっと俺、どうしようって感じでしたね。どうしようかなっていうのは、例えば点が入って同点になっても、やっぱりどうしても取られたらどうしようとか、何かそれまでも考えてしまう。リスクの方を考えてですね取られたら2点取り返すのって8秒って無理よねみたいな。。。
井上:そういう最悪のケースは考えるわけですよね。
池崎:そうですねなんか、シナリオとかじゃないですけど、やっぱり過去の2大会、いわゆる準決勝の壁って言われる壁っていうのが…目の前の本当うわーって感じになったんです。
(TBSラジオ『井上貴博 土曜日の「あ」』より抜粋)