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標準ズーム並みのサイズ感で話題! キヤノンの望遠ズーム「RF70-200mm F4 L IS USM」レビュー

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標準ズーム並みのサイズ感で話題! キヤノンの望遠ズーム「RF70-200mm F4 L IS USM」レビュー

キヤノンのミラーレスカメラ「EOS Rシステム」の交換レンズ「RFレンズ」の新製品として2021年3月上旬に発売になった「RF70-200mm F4 L IS USM」。ズーム全域で開放F値がF4の、いわゆる“小三元レンズ”の望遠ズームレンズだ。従来モデル以上にコンパクトかつ高画質に進化しており、価格.comでの評判も上々。実写作例を交えながら、その実力をレビューしよう。

2021年3月上旬に発売になったRF70-200mm F4 L IS USM(カメラボディは「EOS R5」)。「L(Luxury)シリーズ」の望遠ズームレンズで、外観は望遠Lズームの象徴する白塗装だ

大幅な小型・軽量化と高画質を両立。サイズ感はF4標準ズーム並み

RF70-200mm F4 L IS USMの主な特徴
・焦点距離70~200mmをカバーする、RFマウント用・フルサイズ対応の超望遠ズームレンズ
・絞り開放値:F4(ズーム全域)
・ズーム全域で高画質な11群16枚(UDレンズ4枚)のレンズ構成
・絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
・最短撮影距離:0.6m(ズーム全域)、最大撮影倍率0.28倍(200mm時)
・フレア・ゴーストを抑制するコーティング「ASC」
・2基のナノUSMによる電子式フローティングフォーカス
・補正効果5.0段分(EOS R5/R6装着時は最大7.5段分)の手ブレ補正
・フィルター径:77mm
・防塵・防滴構造、フッ素コーティング
・83.5(最大径)×119.0(全長、レンズ収納時)mm/約695gの小型・軽量設計
・価格.com最安価格193050円(2021年4月30日現在)

RFレンズは、キヤノン初のフルサイズミラーレスカメラ「EOS R」の発売にあわせて2018年10月に第1弾製品が登場して以降、順調にラインアップを拡充している。2021年5月現在では、絞り開放F2.8通しの“大三元レンズ”や超望遠ズームレンズ、マクロレンズなど、計17本(※エクステンダーは除く)が発売になっている。その特徴は、大口径・ショートバックフォーカスの「RFマウント」のメリットを生かした光学設計によって高画質と小型・軽量を両立していること。一眼レフ用「EFレンズ」を超える画質を、よりコンパクトな鏡筒で得られるようになっている。

今回紹介するRF70-200mm F4 L IS USMは、そんなRFレンズの特徴をしっかりと押さえた、高性能な望遠ズームレンズ。プロ品質の光学性能・操作性・堅牢性を備えた「L(Luxury)シリーズ」に属する、焦点距離70~200mm/絞り開放F4通しの、いわゆる“小三元レンズ”の望遠ズームだ。見どころはいくつかあるが、特に注目したいのは約83.5(最大径)×119.0(全長、レンズ収納時)mmで約695gというサイズ感。RFマウントならではの光学系の小型化とあわせて、ほかのRFズームレンズと同様、ズーム時に全長が変わるアウターズームを採用することで、焦点距離70~200mm/絞り開放F4のレンズとして世界最短・最軽量(2021年5月現在)を実現しているのだ。

一眼レフ用「EFレンズ」の同等スペック品「EF70-200mm F4L IS II USM」と比べてみると、最大径は約3.5mm大きくなっているものの、全長は約57mm短く、重量は約85g軽い。RF70-200mm F4 L IS USMはズーム時に全長が変化するアウターズーム、EF70-200mm F4L IS II USMは変化しないインナーズームという違いはあるとはいえ、レンズ収納時(広角端時)のRF70-200mm F4 L IS USMは全長がとても短く、「絞り開放F4通しの標準ズームレンズ並み」と言っていいサイズ感となっている。

左のRF70-200mm F4 L IS USMは約83.5(最大径)×119.0(全長、レンズ収納時)mmで約695g、右のEF70-200mm F4L IS II USMは80(最大径)×176(全長)mmで約780g。RF70-200mm F4 L IS USMは全長がEF70-200mm F4L IS II USMより約57mm短くなっている
キヤノンはRFレンズにおいてアウターズームを積極的に採用している。RF70-200mm F4 L IS USMは望遠端でレンズが最も繰り出し、全長が約174.7mmになる。望遠端時の全長はEF70-200mm F4L IS II USMとほぼ同じだ

ちなみに、キヤノンの絞り開放F4通しの標準ズームレンズのサイズ・重量を見てみると、RFレンズの「RF24-105mm F4 L IS USM」は 83.5(最大径)×107.3(全長)mm/約700g、EFレンズの「EF24-105mm F4L IS II USM」は83.5mm×118mm/約795g。RF70-200mm F4 L IS USMはこれら2本と同じ最大径で、EF24-105mm F4L IS II USMとほぼ同じ全長、RF24-105mm F4 L IS USMとほぼ同じ重量となっている。「絞り開放F4通しの標準ズームレンズ並み」というのが決して大げさではないことが伝わるだろう。

鏡筒左手側に各種スイッチを装備。上から撮影距離範囲切り替えスイッチ、フォーカスモードスイッチ、手ブレ補正スイッチ、手ブレ補正モード選択スイッチが並んでいる
右手側には、ズーム位置を広角端でロックするズームリングロックレバーが備わっている

Lシリーズのレンズらしく光学性能にもすぐれ、「UDレンズ」4枚を含む11群16枚のレンズ構成を採用。中心から周辺まで色収差を低減し、ズーム全域で高画質を実現しているという。さらに、フォーカスレンズとフローティングレンズの2つのレンズ群を、2つの超音波モーター「ナノUSM」で個別に制御する電子式フローティングフォーカスを採用し、すぐれた近接撮影性能を実現。EF70-200mm F4L IS II USMでは1m(ズーム全域)だった最短撮影距離は0.6m(ズーム全域)に短くなり、近接撮影時の画質も向上しているとのことだ。

手ブレ補正はレンズ単体で5.0段分、ボディ内手ブレ補正搭載の「EOS R5/R6」との組み合わせでは7.5段分の補正効果を発揮。絞り開放F2.8通しの望遠ズームレンズ「RF70-200mm F2.8 L IS USM」と同等の性能となっている。

付属のレンズフード「ET-83G(WIII)」を装着したイメージ

実写作例&レビュー

※以下に掲載する作例は、EOS R5にRF70-200mm F2.8 L IS USMを組み合わせて撮影しています。最後に掲載する作例1点を除いて、すべてJPEG形式の最高画質で撮影したもの(JPEG撮って出し)になります。

※サムネイル画像をクリックすると、撮影写真を長辺900ピクセルに縮小した画像が開きます。リサイズを行っていない撮影写真は、サムネイル画像下のテキストリンクをクリックすると開きます。なお、撮影写真は開くのに時間がかかる場合があります。

EOS R5、RF70-200mm F4 L IS USM、200mm、ISO100、F6.3、1/125秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、13.5MB)
EOS R5、RF70-200mm F4 L IS USM、200mm、ISO100、F4、1/320秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、12.2MB)
EOS R5、RF70-200mm F4 L IS USM、70mm、ISO100、F8、1/40秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、25.0MB)
EOS R5、RF70-200mm F4 L IS USM、70mm、ISO100、F4、1/125秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、9.4MB)
EOS R5、RF70-200mm F4 L IS USM、200mm、ISO6400、F4、1/1600秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、17.8MB)
EOS R5、RF70-200mm F4 L IS USM、70mm、ISO100、F11、1/10秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、27.9MB)
EOS R5、RF70-200mm F4 L IS USM、104mm、ISO800、F8、1/400秒、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、37.6MB)
EOS R5、RF70-200mm F4 L IS USM、70mm、ISO100、F4、1/200秒、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、9.2MB)
EOS R5、RF70-200mm F4 L IS USM、70mm、ISO100、F11、1/13秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(8192×5464、23.8MB)
EOS R5、RF70-200mm F4 L IS USM、96mm、ISO100、F11、1/50秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、JPEG
撮影写真(5464×8192、18.9MB)
EOS R5、RF70-200mm F4 L IS USM、179mm、ISO100、F14、1/80秒、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:風景、オートライティングオプティマイザ:しない、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)、カメラ内RAW現像で明瞭度+2/露出補正+0.3
撮影写真(8192×5464、17.8MB)

RFレンズはどれも高画質なので試用前の期待値はどうしても高くなってしまうが、RF70-200mm F4 L IS USMを使ってみて、期待を裏切らないとてもよく写る望遠ズームレンズに仕上がっていると感じた。ズーム全域で絞り開放から画像全域で解像感が高く、クリアで抜けのよい描写が得られる。ボケは若干硬い感じがすることもあるが、輪郭の色付きが少なく、2線ボケもよく抑えられている。望遠側になると歪曲収差と周辺光量落ちがわずかに目立つようになるなど細かいところを見れば気になる点もあるが、「ズーム全域で高画質」という触れ込みに偽りはない。

画質とあわせて感心したのが携帯性の高さ。絞り開放F4通しの標準ズームレンズと変わらないサイズ感なのでバッグの中に収納しやすく、またレンズを装着した状態で持ち歩いても負担が少ないのがいい。EOS R5との組み合わせでは手ブレ補正の性能も高く、被写体までの距離にもよるが広角側では1/10秒程度、望遠側では1/30秒程度のシャッタースピードを確保できれば、高い確率で手ブレの影響を抑えられる。小型・軽量で手ブレ補正性能にすぐれるので、手持ちで積極的に使うことができる望遠ズームレンズだ。

アウターズームなのでレンズの繰り出しが気になる人もいるかもしれないが、鏡筒の剛性は高く、ズーミングで不安定になる感じはしなかった。AFは滑らかかつ静かな動作で、狙ったところにスピーディーにピントを合わせてくれる。RFレンズの最新Lズームレンズとして十分なAF性能だと感じた。なお、フォーカスブリージングについては、近接撮影に強くなったこともあってか、完璧に抑えられているわけではない。最短撮影距離と無限遠で比べると気になる画角変動が発生する。

参考画像 「EF70-200mm F4L IS II USM」との解像感比較(絞り開放)

同じスペック(焦点距離70~200mm/絞り開放F4)の2つのレンズ、RF70-200mm F4 L IS USMとEF70-200mm F4L IS II USMを使って、同じ被写体を広角端(70mm)と望遠端(200mm)の絞り開放で撮り比べた結果を参考までに紹介しよう。使用したカメラボディはEOS R5で、EF70-200mm F4L IS II USMはマウントアダプター「EF-EOS R」を使ってカメラに装着している。

焦点距離70mm 絞り値F4

白枠の部分が以下に掲載する切り出し部。撮影距離は約20mで、ピントは画像中央付近に合わせた。撮影設定は焦点距離70mm、F4、ISO100、1/160秒、WB:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)
中央部の切り出し画像
周辺部の切り出し画像

RF70-200mm F4 L IS USMの撮影写真(27.2MB)
EF70-200mm F4L IS II USMの撮影写真(24.4MB)

焦点距離200mm 絞り値F4

白枠の部分が以下に掲載する切り出し部。撮影距離は約20mで、ピントは画像中央付近に合わせた。撮影設定は焦点距離200mm、F4、ISO100、1/80秒、WB:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:スタンダード、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、歪曲収差補正:しない、デジタルレンズオプティマイザ:する(標準)
中央部の切り出し画像
周辺部の切り出し画像

RF70-200mm F4 L IS USMの撮影写真(28.4MB)
EF70-200mm F4L IS II USMの撮影写真(27.3MB)

簡単なテストではあるが、RF70-200mm F4 L IS USMのほうが全体的に解像感にすぐれる結果になった。特に周辺で差が出ており、RF70-200mm F4 L IS USMは像が流れる感じが少なく、ディテールがよりシャープに写っている。EF70-200mm F4L IS II USMはズーム全域で安定した画質が得られることで定評があるが、解像感はRF70-200mm F4 L IS USMが上回っていると言えよう。また、広角側の歪曲収差についても、RF70-200mm F4 L IS USMのほうがよく抑えられている点も付け加えておこう。

まとめ スナップでも使いやすいF4望遠ズーム。携帯性重視なら選んで損はない

絞り開放F4通しのズームレンズのいいところは、十分な画質性能を持ちながら、開放F2.8通しのものと比べて小型・軽量で持ち運びやすいこと。RF70-200mm F4 L IS USMは、そんな開放F4通しズームレンズのいいところを従来モデル以上に伸ばした製品と言えるだろう。標準ズームレンズ並みのコンパクトな鏡筒ながらEFレンズを超える高画質が得られるのが魅力で、風景やポートレートといったシーンに加えて、スナップでも使いやすい。携帯性重視なら押さえておいて損のない1本だ。

残念なのは、光学設計上の制限でエクステンダーの装着に対応していないこと。今後、対応エクステンダーが開発されるとは考えにくいので、さらなる望遠域を求めるなら、クロップ撮影や撮影後のトリミングで対応するなど割り切って使ったほうがいいだろう。価格は、価格.com最安価格で193050円(2021年4月30日現在)。EF70-200mm F4L IS II USMと比べると少し高めの設定だが、性能を考慮すると妥当なところではないだろうか。

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