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【FM802×SPICE ヘビロな人のヘビロ曲~あの人のルーツはこの10曲~】6月度ヘビーローテーションアーティスト・空音編

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【FM802×SPICE ヘビロな人のヘビロ曲~あの人のルーツはこの10曲~】

大阪のラジオ局、FM802が自信を持って1ヵ月間毎日、特定の楽曲をOAするヘビーローテーション。そのヘビロアーティストに、自身のルーツとなる楽曲のアンケートを取り、その話を交えながらFM802DJがインタビューする企画【FM802×SPICE ヘビロな人のヘビロ曲~あの人のルーツはこの10曲~】。今回は、2020年6月のヘビーローテーションアーティスト・空音。6月24日(水)に発売された2ndアルバム『19FACT』に収録されている「Fight me feat. yonkey」が6月度のヘビ―ローテーションに選ばれた。今回の対談はFM802で『Poppin'FLAG!!!』(毎週火曜、24:00-27:00放送)を担当しているDJの板東さえかが、空音から見た今の音楽シーンや、ヘビロ曲を通して空音の音楽に詰まっているポジティブな要素の源について、さらに意外なラインナップとなったルーツ曲の選曲理由についても話を訊いた。

【FM802×SPICE ヘビロな人のヘビロ曲~あの人のルーツはこの10曲~】


●自分の音楽性を大事にしている先輩の背中ってかっこいいんです●

ーー本日はよろしくお願いします。空音さんがの存在が徐々に知れ渡っていく中で、改めて関西から新生が出てきたなという感じで嬉しくなりました。

本当ですか? まだ実感がないです(笑)。

ーー周りの多くの方は私と同じ気持ちだと思いますよ。「尼崎からスターが出た!」 と。

尼崎がいい街、誇らしい街というのは、もっと全面に出して伝えたいと思っていますが、自分が尼崎のスターだという意識はまだないです。実感するにはもっと大きくなってからじゃないといけないんだろうなと思います。

ーー今はその途中経過という感じですね。

そうですね。まだまだだなと思っています。

ーー空音さんの目線から見た、今の関西のストリート音楽シーンはどのように映っていますか?

関西というか、大阪のストリート界隈は、特にアメリカ村を中心に結構アンダーグラウンドな文化が強いと感じていました。逆に言うとポップス寄りな音楽をする人はなかなか出てない印象がありますし、ある意味、固定概念の中で音楽をやっている人が多いのかなとも思います。

ーー固定概念というと?

「ここに居るんだったら、こういう音楽をしないといけない」という考え方というか。僕は聴いている音楽のジャンルも色々で、自分がやりたいことの方向性がもっとポップス寄りですし、そういうラフに音楽をやるという考え方はもっとあっていいと思っています。

ーー色んな音楽を取り入れるバンドは多いですが、確かにストリートで考えると、ある程度、決まった枠はあるかもしれないですね。

バンドでも活動の幅を広げるために、東京に拠点を置く流れが多いじゃないですか。関西に根付きながら、やりたい音楽を突き詰めている人って、少し前まであまりいなかったなと。

ーー大阪に根付いて自分たちのやりたいことを長くやっている方だと、韻シストが真っ先に浮かびました。空音さんはBASIさんとも交流がありますよね。

そうですね。年齢で言うと父親くらい離れているんですけど(笑)。

ーー最近のシーンを見ると、地元で長く音楽をやっている存在、それこそ韻シストを筆頭にした先輩の影響を受けている次世代がどんどん出てきているなぁという印象もあります。

そうなんです。それは僕も感じています。それこそちょうど僕らの世代が、その方々からすると息子くらい離れているから、気にかけてくださったりしていて。関西で自分の音楽性を大事にして、長くやっている人の背中ってかなり大きくて、夢があるんです。それを見て続こうとする若い子も、小さい夢じゃなくて大きい野望を持てるし、強い芯を持って音楽をする子たちが増えてきている気がします。ワクワクしますね。

ーー背中で語ってくれる偉大な先輩がいるから、自分たちも行けるという自信に繋がっていると。

そうです。やっぱり地元に根付いて音楽を生業にするってかっこいいんですよ。

●同世代で注目されている人は積極的なんです●

【FM802×SPICE ヘビロな人のヘビロ曲~あの人のルーツはこの10曲~】

ーーそもそも空音さんが音楽を生業にしたいと思い始めたのは、いつ頃なんですか?

実は、生業にしようと覚悟を決めたのは去年なんです。

ーーえ! めちゃめちゃ最近じゃないですか。

そうなんです。音楽やり始めた当初は、自分が音楽で食べていける自信なんて、少しもなかったし、必要なものを買えるくらいで良いと考えていました。だから就職をしながら……とか考えていたんですが、性格上どっちかに絞らないと、どっちも崩れてしまうと思って、それだったら音楽一本でやろうと、去年覚悟を決めたんです。

ーーしっかり考えていますね。……ほんまに19歳?(笑) 私が10代の頃、何を考えてたやろと思っちゃいますね。

でも僕らの年齢の時期って遊びが中心で良いと思うんです。遊びからしか生まれないものってかなりあると思いますし、それも大事なことですよね。僕は求めているものがたまたま音楽にあったから、この考えになれたのだと思います。

ーーそのナチュラルさも空音さんの魅力だなとは思っていて。「こう思ったらこうでしょ」という疑わないナチュラルさが、楽曲の説得力にも繋がってますよね。

元々、偏見が好きじゃないので、柔軟にいこうと。音楽も色んなジャンルをもっとミックスしたほうが、面白いものが生まれると思っています。あと、出会いの場も広がるので、普段話せないような方と話せる機会が増えますしね。

ーー2ndアルバム『19FACT』も、その柔軟さを持って、同世代の新進気鋭と言われる数々のクリエイターとのコラボを行ってらっしゃいますよね。今回コラボした皆さんとは、どのように出会ったんですか?

同世代で注目されている方は、すごい個性的な方であったり、音楽に対する感性が豊かな方が多くて。そういう方々って積極的にメッセージを投げかけてくれたりするんです。もちろん僕からも行きますけど。

●今の自分があるのはしっかりと指摘してくれる人が周りにいてくれたおかげです●

【FM802×SPICE ヘビロな人のヘビロ曲~あの人のルーツはこの10曲~】

ーーそんな新しい世代の意欲が詰まっている2ndアルバム『19FACT』の中から、FM802の6月度ヘビーローテーション曲として「Fight me feat. yonkey」が毎日オンエアされております。

本当にありがとうございます。感謝です。

ーーこの曲は、本当に空音さんの想いが全面的に出ている楽曲ですよね。特に歌詞が印象的です。こういったポジティブな歌詞は、意識して書いているのですか?

そこまで意識はせずに無意識に出てきますね。僕自身、昔からネガティブを溜め込みたくないし、自分の傷ついた気持ちとかも音楽でケアするようにしてるんです。だから悲しみとか怒りとかを音楽に昇華できるようにしてて。それで自分自身も救われているし、聴いてくれている方も救われてくれればいいなと思っています。

ーー前作は『Fantasy club』で、今作は『19FACT』というタイトル。Fantasy(空想)からfact(事実)という対称のようなタイトルにしたキッカケはあったのですか?

ちょうど前作のツアーで、これまでとは違う規模でライブを行ったんですが、その時に本当に色んな方が動いてくれていて。19歳の新人を助けてくれる人がこんなに居て、その力があるからこそライブができているという事実がありがたいなと思ったんです。その光景を見ていると、空想上のことよりも19年間で感じてきたリアルなことを歌いたくなったのが、最初のキッカケですね。

ーーそれはプライベートな気持ちも含めてのリアル?

そうですね。あんまりプライベートな気持ちは、全面に出さないほうが良いんじゃないかと言われたりもするんですが、それを出しても許されるのが19歳かなと思っています。

ーー先程から思っているのですが、言葉がめちゃくちゃポジティブというか肯定的ですよね。人間がもう出来ているというか、私が19歳のときそんな考え方出来ないってことをサラッと言っちゃう(笑)。

それは、きっと僕の周りに居てくれる人のおかげですね。僕がフリースタイルを始めたころって、もっと生意気だったんです。でも自分の行動、言動をしっかりと指摘してくれる人が周りにいてくれたおかげで、自分がどう見られているかとか、人に優しくされるためには、自分が優しくなるべきとかいうような人間性が出来たんだと思います。

ーー人間関係がめちゃくちゃ大事ということですね。

そうですね。人間関係には本当に恵まれています。あと、昔からずっと母親に「最初にごめんと謝れる人間にならんとあかん」と教えられていて。相手が悪くても自分から謝る謙虚さを持つことで、優しい人間になるための蓄積をしているなと思えるんです。今の自分を作っている教えで、教えてくれた母に感謝しています。

●情報や知識はあって損することはない●

ーーいやー、何か心が洗われる気分です。しんどい時に耳元で囁いていてほしい(笑)。そんな空音さんの人間性のルーツを聞けたところで、次は音楽のルーツを聴いていきたいと思います。10曲選んでもらっていますが、Superflyとかaikoが入っているのが意外ですね。

強い女性が好きで。海外だとレディー・ガガ、アリアナ・グランデ、テイラー・スウィフトとか。自分の意志を持って戦う女性がカッコ良いなと思っていて、それに通じるものを感じるのがこの二人かなと。

ーーSuperfly「Hi-Five」はデビューアルバムに収録されている初期の曲ですよね?

このアルバムがすごく好きで。母がたくさん聴かせてくれていたんです。全曲良いのでかなり迷ったんですが、アルバム一曲目の「Hi-Five」にしました。​

ーーaiko「くちびる」の選曲理由は?

aikoさんは、恋愛の面で、悲しいこととか辛い事とかを本当にそのまま強く歌ってらっしゃるのがかっこいいなと思っていて。『19FACT』に収録されている「Girl feat. kojikoji」をはじめ、僕の恋愛的な曲の根本にあるのがaikoさんかもなと思ったんです。その中でも特に聴いていたのがこの「くちびる」ですね。

ーー確かにaikoさんの「なんでこの題材をここまでポップにできるの」という感覚は空音さんにもあるかもしれないです。あと、ONE OK ROCKも結構初期の作品を上げてらっしゃいます。

「Let's take it somday」は高校の時に『残響リファレンス』をめちゃくちゃ聴いていて、その中でもライブが良すぎて衝撃だった曲ですね。

ーー私も『残響リファレンス』はめちゃくちゃ好きです(笑)。

本当に名盤ですよね。未だに聴きます。

ーー少し前の名曲をルーツに踏まえつつ、今のシーンと並行している現行の音楽も選んでいただいていますね。

これは最近僕がハマって、ずっとループしていた曲を選びました。電波少女さんの「A BONE feat.Jinmenusagi & NIHA-C」は、ネットラップからメジャーデビューして初めてのアルバム『HEALTH』に収録されているんですけど、このアルバムではメジャーに対する想いを歌っていてかっこいいんです。

ーーネットラップからメジャーに出た時の爆発力ってありますよね。

そうなんです。家で作って家から発信するスタイルのネットラップは、アングラ中のアングラだと思っていて。そんな人がメジャーという表舞台に出た時に感じた、メジャーの良いところ、悪いところを、見事にさらけ出しているのでこのアルバムは好きなんです。

【FM802×SPICE ヘビロな人のヘビロ曲~あの人のルーツはこの10曲~】

ーーあと今や色んなところに引っ張りだこの唾奇さんも選んでらっしゃいます。空音さんから見て、唾奇さんの魅力はどういうところにあると感じますか?

唾奇さんは、沖縄の方だからこそなのか、肩の力を抜いて、遊びのように楽しみながら音楽をやっていらっしゃるのが素敵ですね。色んな形で自分をさらけ出しているのは格好いいですし、僕もそういうスタンスを目指したいと思っています。

ーーなるほど。楽しみながら作られた音楽は、リスナーにもその楽しさが伝わりますしね。本当にこの10曲を見るだけでも色んなジャンルの音楽を聴いて、吸収してきているのだなと思いました。

情報や知識はあって損することはないと思うので、決まったジャンルだけ聴くのではなくて、もっと幅広く音楽を聴いてそれぞれのジャンルの素晴らしさを勉強して、どんどん自分の音楽に入れていきたいです。

ーーちょっと意外な選曲でしたが、さらに空音さんの音楽への興味が増しました。これから世界にも通用する唯一無二のアーティストになる日が来ることを信じて、引き続き追いかけていきたいと思います。ありがとうございました!

文=城本悠太 撮影=渡邉一生

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