猫が飼い主を『蹴る』ときの理由3選 結構痛い猫キック、やめてもらう方法は
1.野生の血が騒ぐのさ
窓際でまったりくつろぐみなさんの愛猫も、実は、現役のハンターです。ただ、おうちで暮らしていると、獲物と遭遇する機会がないだけ。もしチャンスさえあれば、自慢のハンティング能力を駆使し、獲物を次々にゲットするはずです。
大昔の猫の主食は、ウサギをはじめ、ネズミ、野鳥、昆虫など、敏捷性に優れた手強い相手たちばかりです。確実に仕留めるためには、狩りのテクニックを究めるしかありません。
そういう意味で、猫パンチと同じように、猫キックもまた、狩りにおける大事な「戦力」です。
飼い主さんの腕を前足でつかみながら、後ろ足で高速けりけりけりけり。すっかりハンターと化した愛猫が考えるのは、決定的なダメージを与え、いかに早く獲物を弱らせるか、のみです。
脳内では、ものにした後のごちそうをきっと思い描いています。
2.かまってほしくて…
猫の特徴のひとつは、同じ行動でも、状況によって意味が違ってくることです。猫キックも例外ではなく、狩猟本能のほかに、飼い主さんにかまって欲しい、遊んで欲しい、というリクエストを込めているときもあります。
子猫時代から兄弟猫などとのじゃれ合いを通じて、猫は自慢のキックを身につけ、実践レベルまで高めていきます。狩りで命をつなぐ動物ならではの成長ストーリーです。
愛猫が飼い主さんに猫キックで絡んできた場合、もしかすると子猫時代の記憶が再現されているのかもしれません。
あまりものかわいさに見とれていると、勢いあまって、キックの力、甘噛みの圧が強くなってくることがあります。興奮状態の猫キックには少々、用心が必要です。
3.ストレスが溜まってんだよ!
猫キックの3つ目の理由は、ズバリ、ストレス発散です。飼い主さん自身はきちんとお世話しているつもりでも、愛猫のニーズと合っていなかったり、日頃から忙し過ぎて疎かになったり、十分にカバーできない状況もあるかもしれません。
猫はストレスにとても敏感な動物で、言葉の代わりに、行動や態度で自分の気持ちを示します。狩りの欲求が満たされず、運動もしっかりできないと、イライラが蓄積。
そんな状態のところに、ちょうど飼い主さんの腕があれば、「獲物、見っけ!」と反応し、猫キックを連発します。
個体差はありますが、日々、身体を十分に動かし、狩りの欲求を満たすことは、心身の健康を保つ意味で非常に重要です。
もしストレスによる猫キックが続くようであれば、適度におもちゃで遊んだり、キャットタワーを導入したり、猫の習性に基づいた生活習慣・環境を整えてみてください。ストレスを溜めないことが長寿の秘訣です。
まとめ
猫キックは、格闘技系アクションとしては、猫パンチに並び、称される技です。見た目のかわいさとは裏腹に、ちょっと笑えないハードさが持ち味。
今回は、愛猫がなぜ飼い主さんを猫キックの標的にするのか、「本能」「要求」「ストレス」、3つの理由を指摘しました。けりけりに込めた愛猫の真意を見極めつつ、それぞれ適切な方法で対応してみてください。