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「俵万智 展 #たったひとつのいいね 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」 角川武蔵野ミュージアムにて開催中

所沢なび

時代を超えて愛され続ける国民的歌人 俵万智、初めての本格的個展

2021年7月21日(水)~11月7日(日)12月5日(日)(*会期延長になりました)、「ところざわサクラタウン」内、「角川武蔵野ミュージアム」4Fのエディット&アートギャラリーにて、企画展 「俵万智 展 #たったひとつのいいね 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで」が開催されています。この記事では7月20日に行われたマスコミ向け内覧会での俵万智さんの挨拶を抜粋してご紹介。また、展示の見どころをお伝えします。

*会期延長*来場者に好評を得ていることに加え、コロナ禍による外出自粛や来館者の入場制限などによって、鑑賞の機会が失われることを少しでも減らしたいという意図から、会期延長になりました。

写真提供:角川文化振興財団

俵万智さん「わが子が巣立つのを見つめるよう…」「とても嬉しいこと」と展示に感激!

開催前に一足早く展示を見た俵さん。
「普段は歌集の中に、この手の中に並んでいる歌たちが飛び出して会場の中で生き生きと伸び伸びと遊んでいるという感じを持ちました。この空間の中で、読者の方と新しい出会いをひとつでも多くこの歌たちが経験してくれたら嬉しいなと、わが子が巣立つのを見つめるような、そんな感じもしました。短歌の展示という言葉では言い切れないような、とてもクリエイティブな空間になっていて、そのこと自体の新鮮さというのを、私も展示の中を歩いて感じました。」

▲普段は歌集の中に並ぶ歌たちが飛び出し、生き生きとしている!

展示を通して気付いたこと

今回、学生時代に家族に宛てて書いたはがきの中で、短歌に係る内容が記されているものを展示されていて、俵さんは展示を通して二つの事に気づいたそうです。

▲写真提供:角川文化振興財団

短歌は手紙だ

▲写真提供:角川文化振興財団

「『短歌は日々のことを記すので、日記に似ていますね』とよく言われます。日記は自分のために書いて引き出しの中にしまっておくものですが、手紙というのはこの想いを誰かに伝えたくて書くものなので、誰かに思いを届けたいというのが出発点である短歌は手紙と似ているのだと、私はずっと言って来ました。

今回まさに自分が書いていたハガキにより、短歌は手紙だということを改めて思いました。読むと本当に自分の短歌のタネになるようなことがたくさん書いてあって驚きました。ホームシックで、なんでもない会話がなくて寂しいとか、暑い時に暑いねと言っても暑いねと返してくれる人がいないとか、そういうことを家族に向けて書いているのです。思えば、そこから、〈なんでもない会話なんでもない笑顔なんでもないからふるさとが好き〉という歌や、〈「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ〉といった短歌の元となるタネが、学生時代にかいていたハガキにあると発見できたことは面白い体験でした。

たったひとつのいいね

▲写真提供:角川文化振興財団

「もうひとつは、この展覧会のテーマ『たったひとつのいいね』です。最初の『いいね』が使われている短歌というのが〈「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日〉という歌なのですが、今はSNSで「いいね」が多く使われているのもあって、『俵さん、〚いいね】の元祖ですね』と言われることがあるのですが、自分の中ではちょっと違うという思いがあります。『あれはたったひとつの【いいね】で幸せになれるという歌なんですよ』と。

今はどちらかというと『いいね』の数を競うような、本当はひとつひとつの『いいね』の中にそれぞれの表情があるはずなのに、という思いがずっとありました。

今回『サラダ記念日』から『未来のサイズ』への展示をすることになり『いいね』というテーマを提案された時に、まさに自分にとっての短歌の背骨になるキーワードを提案して頂いたなと、それも大きな気づきのひとつです。言ってみれば、じぶんにとっての短歌というのは、日々の暮らしの中で『いいね』と思えることを見つけてきた、短歌があったから見つけて来られた、短歌のおかげでじぶんは『いいね』という気持ちを重ねて来られた、と。そんなふうにもこの35年を振り返ることができると感じて、本当に素敵なタイトルを提案して頂いたなと嬉しく思っております。」

▲写真提供:角川文化振興財団

俵万智さんの35年の歌業から約300首を厳選

今回の展覧会は、俵万智さんが最新歌集『未来のサイズ』(2020年刊行)にて第55回迢空賞(短歌界に最⾼の業績を⽰した歌集に贈られる賞)を受賞したことがきっかけで企画されました。

▲『未来のサイズ』2020年 角川文化振興財団

俵万智さんの35年の歌業から約300首を厳選。ベストセラー『サラダ記念日』のエリアから、その後の歩みをたどる平成の回廊(4歌集『かぜのてのひら』『チョコレート革命』『プーさんの鼻』『オレがマリオ』の短歌と俵さんの年表を見ていただくエリア)、そして最新作『未来のサイズ』のエリアという3つの空間で構成されています。

▲帯にも、思わず気になってしまう歌が並ぶ『チョコレート革命』1997年 河出書房新社

▲『未来のサイズ』エリアより。高校生のお子さんのユーモアある返答にも着目

気鋭の建築家とデザイナーがタッグを組み、俵万智さんの歌を”魅せる”

会場デザインは、エルメスのディスプレイやイッセイ・ミヤケの展示会構成、ミナへルポネンの店舗内装を手がけてきた「トラフ建築設計事務所」。 http://torafu.com
また、会場のグラフィックやバナーは、東京国立近代美術館や金沢21世紀美術館の展覧会の他、太田市美術館・図書館のサインなど、言葉と美術をつなぐデザインを手がけてきた平野篤史(「AFFORDANCE」)によるものです。 https://affordance.tokyo

▲会場内『未来のサイズ』エリアにて。壁に投影されているのは、沖縄県の石垣島の海の風景です。俵さんが石垣島在住時代に住んでいたマンションの屋上から7月初旬に撮影された映像。10時〜21時までの海の映像で、10時には10時の映像、15時には15時のときに撮影した映像がちょうど流れるようになっている

▲天井には300個の「空気の器」(紙で作られ、空気を包みこむようにかたちを自由に変えられるプロダクト)が吊り下げられ、風になびくように宙に短歌が展開する。俵さんが歌集のあとがきなどで繰り返し書いている「短歌は手紙のようなもの」という言葉をイメージしている

■展覧会詳細

俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで
会期:2021年7月21日(水)~2021年11月7日(日)12月5日(日)(会期延長)
会場:角川武蔵野ミュージアム4F エディット&アートギャラリー
主催:角川武蔵野ミュージアム(公益財団法人角川文化振興財団)
▶特設ページ https://kadcul.com/event/42

チケット価格 (KCMスタンダードチケット)
●オンライン購入価格(税込)
大人(大学生以上):1200円/中高生:1000円/小学生:800円/未就学児:無料
●当日窓口購入価格(税込)
大人(大学生以上):1400円/中高生:1200円/小学生:1000円/未就学児:無料

俵万智 展 #たったひとつの「いいね」 『サラダ記念日』から『未来のサイズ』まで

■施設詳細

【角川武蔵野ミュージアム】
〒359-0023
住所埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
【アクセス】JR武蔵野線「東所沢駅」から徒歩10分
▶角川武蔵野ミュージアム・公式サイト https://kadcul.com/

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