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【相模原市中央区】亀ヶ池八幡宮 「旧本殿」が県重要文化財に 市内最古、1596年建立

タウンニュース

旧本殿前で話を聞かせてくれた根岸浩行宮司

 上溝に鎮座する亀ヶ池八幡宮の「旧本殿(附 文禄五年棟札)」について、新たに神奈川県指定重要文化財に指定することを県教育委員会が3月11日の定例会で決定した。430年前、徳川家康の江戸入府直後に造営された市内最古の神社建築として、地域の歴史を今に伝える。

「文禄五年」の墨書

 旧本殿はかつては本殿として覆屋(おおいや)の中に収められていたが、平成20年代の修理に伴い屋外へ移設された。現在は末社「亀八招福稲荷神社」として祀られている。

 指定を決定付けたのは、旧本殿内で発見された「文禄五年棟札」。長年の経年変化により肉眼での判読は難しかったが、2014年に行われた赤外線調査で内容が明らかになった。表面には「八幡大菩薩」の文字とともに、「大納言様御入国七年目(徳川家康の江戸入府から7年目)」という記述が確認された。これにより、旧本殿が文禄5年(1596年)に建立された相模原市内最古の神社建築であることが裏付けられ、16年に市指定有形文化財に指定された。

 今回の指定で市内の県指定重要文化財は計18件となった。中央区内では田名向原遺跡の住居状遺構出土の旧石器時代石器群に続き2件目となる。

中世の面影残す

 県教委が公開した資料によると、建築様式は正面の屋根が庇状に延びた「一間社流造(いっけんしゃながれづくり)」が採用されており、桁行2・16mと農村部の社殿としては大型。保存状態が良好なことから、早い段階で覆屋が建てられ風雨による劣化を免れたとみられている。領主層の主導によって建てられたと考えられ、装飾が少なく、簡素な組物などに中世的な社殿の面影を色濃く残している。同宮の根岸浩行宮司によると、正面の蟇股(かえるまた)に施された鳥や脇障子の「唐獅子牡丹」「竹に獅子」の彫物には魔除けの意味があると考えられるという。

 江戸時代以前の神社建築は全国的に数が少なく、関東では特に稀少とされる。県内では鎌倉市に室町時代の社殿が2棟あり、いずれも国重要文化財に指定されている。

 根岸宮司は「430年前から引き継がれてきた地元の宝物。後世に伝えるべく、しっかり守っていきたい。手を合わせ、神様のご加護をいただくとともに、歴史や地域への愛着を感じてもらえたら」と話している。

蟇股の鳥の彫物(上)、向拝の直材の虹梁(下)

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