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ハットさん、おかえりなさい!ジュビロ磐田U-15監督にレジェンド服部年宏氏が就任!初の育成現場に「難しい。でも楽しい」と充実感たっぷり

アットエス


サッカーのジュビロ磐田U-15監督に、クラブの黄金期に守備的MFとして活躍した服部年宏さんが就任した。クラブレジェンドとして過去には強化部長などを務めた時期もあったが、育成現場のど真ん中で子どもたちを指導するのは初めてだ。

「本当に難しい。でも楽しい」。子どもたちの未来とクラブの未来の両方を見据え、プロを目指して頑張る中学生たちと真剣に向き合う日々を語ってもらった。

【服部年宏】
1973年9月23日生まれ。清水第四中、東海大第一高出身。磐田や東京V、鳥取、岐阜でプレーし、アトランタ五輪やフランスW杯、日韓W杯でメンバー入りした。国際Aマッチ44試合出場。引退後は磐田の強化部長やトップチームヘッドコーチを務め、2022〜23年は福島ユナイテッドFC監督。24年はFC今治の監督として、クラブを初のJ2昇格に導いた。

服部年宏監督インタビュー

ー久々に静岡に戻ってきて居心地はどうですか?
知ってる人も多いですし、ストレスなく、スッと入ることができたので、そこは楽でした(笑)

ー今はどういうことを重視してチーム作りを進めていますか。
個の成長がメインです。ここがゴールではないので、ユースやその先につなげるためのベースの部分を大切にすることを心掛けています。

ー育成の現場は初めてですよね。子どもを指導する楽しさや難しさはありますか?
本当に繊細な年代なので、難しさはありすぎて…何と言えばいいかな(笑)子どもに掛ける一言で大きく変わってしまうことを考えると、やっぱり一つ一つの言葉や一つ一つの練習が非常に大事な時期だなと思います。中学3年はサッカーだけじゃなく、受験などいろいろなものが混ざってくる時期なので、本当に難しいなと感じています。

ただその中でも、トレーニング一つで一気に伸びたり、声掛け一つで急に伸びたりするのを見ていると、それはもうめちゃくちゃ楽しいです。

ー言葉一つで選手がすごく変化していくんですね。
同じことを言い続けていると、ある時、ポーンっていきなり伸びたりすることがあるんです。だから大事なことは言い続けたい。一回声掛けして、一言で終わるなんてことはあり得なくて…。自分が何かを言った後に選手がもがいて、また違う一言を掛けるとスッと伸びたりするっていうのはすごく面白いですね。

ー他クラブでもずっとトップチームに関わり、いろいろな経験をしてきたと思います。この中学年代で重視しなければいけないのはどんなことだと思いますか。
これからそれぞれがどのカテゴリーを目指すかで違ってきますが、本当にプロを目指すなら、特長をもっともっと磨かなきゃいけない。全体的に上手い選手ばっかりになってしまっても…。上に行った時に自分の武器がないと厳しい。

でも、ジュニアユースの年代では、みんながみんなプロにはなれるわけではありません。この選手たちは本当にみんなプロを目指して頑張っているけれど、ほとんどの選手はプロになれないのが現実。そうであれば、やっぱりサッカーをずっと好きでやっていられるような「うまさ」も伝えたいと思っています。

僕なんて技術はない選手だったけれど、それでも「サッカーがうまい」と言われたこともありました。それはボールを扱う技術ばかりが、「うまさ」ではないから。駆け引きだったり、相手を見てプレーを変えることだったり。守備でいえば、頭を使ったポジショニング一つでボールを奪うとか。やっぱりサッカーって、うまいと楽しいんですよ。「技術がある」ではなく、「サッカーがうまい」という選手を育てたいですね。

現役時代の服部監督=2002年4月


ー今は小学年代から、多くのチームで球際やハードワークを求めています。中学年代からは戦術的なことも教えていく必要があるんですか?
戦術を受け入れる耳や頭は必要になってくると思います。ただ、戦術にあまりにもハメすぎてしまうと、個を消してしまうことにもなってしまう。大まかなところは伝えますが、「戦術、戦術」という指導は全然やっていないです。

ージュビロ磐田U-15はプロの養成機関でもあります。トップチームの戦術やスタイル、システムを意識していく必要は?
ユース(高校年代)はある程度はそうした意識を持たなければいけないかもしれない。トップチームにパッと呼ばれたりすることもあるので。

でもジュニアユースに関しては…(笑)クルークスや松原后がいるわけじゃないから、トップチームのような、あんな攻撃ができるわけじゃない(笑)クラブのフィロソフィー(哲学)はもちろん大切にしなければいけませんが、戦術的なところまでは求められていないと思っています。

トップチームの監督であれば頭の中にある戦術を修正しながら、トップの選手に体現させていくことができるけれど、自分がそれを真似したところで、本当に上辺だけになり、子どもたちにとっても何一ついいことはない。

もちろん最低限の「こういう立ち位置で」とか、サッカーの本質的なところは教えますが、トップの戦術は特に意識はしてないです。

ただ、ユースチームにはつながるようにとは思っています。ジュニアユースの練習の前に、同じグラウンドでユースの練習をやっているので、それを見たり、安間さん(ユース監督)と連携したりして、そこは対応できるようにしていきたいです。

ーハットさんの指導は厳しいんですか?
それは選手に聞かないと分からない(笑)でも、そんなにべったりな感じではないですね。少し線は引いています。

やはりトップチームとは違いますね。トップは結果にフォーカスできるけれど、ここでは結果にフォーカスしたところで…。もちろん勝つことを目指してやるけれど、同時進行。勝ちだけではない。

ー東海地域だけを見ても、静岡がタレント力で他県を圧倒するのは難しい時代に入っていると感じます。
個のタレントでは、今は愛知県の方が圧倒的にたくさんいますね。(U-15東海リーグで戦う)刈谷JYさん、名古屋グランパス、FC.フェルボール愛知も、いい選手がたくさんいます。

ーハットさんはサッカー王国のど真ん中でやってきましたが、今は静岡は苦しい時代が続いています。復活のために必要なことは?
昔の静岡のアドバンテージは、指導者の養成がしっかりしていたことだと思います。今は他県も指導者養成はしっかりしているし、人口的な問題もあるし、ネガティブな要素はたくさんある。だけど、やることは一つ。いきなりすごい選手が出てくるわけではないので、もう一度みんなでしっかり、下の世代から育てていくっていうことをやっていくしかないと思う。

静岡の中学、高校年代の指導者もみんな一生懸命に取り組んでいます。他人事じゃなく、みんなが自分ごとで取り組んでいくことが大事かなと思っています。

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