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【夏の意外な不調】夏に便秘が増える理由とすぐできるセルフケア

ウレぴあ総研

「最近、なんだか便がスッキリ出ない日がある」「おなかが張って苦しくて、夏バテかな? と思っていたけど、もしかしておなかの調子も悪いのかな?」など、夏の暑さで体調を崩しやすい時期に、こんなおなかの不調を感じていませんか? 実は、夏は意外な原因で便秘になりやすい季節なのです。

この記事では、なぜ夏に便秘が起こりやすくなるのか、その原因を詳しく解説します。そして、すぐに実践できる効果的なセルフケア方法を紹介します。

なぜ夏は便秘になりやすい?意外な原因とは?

mimot.(ミモット)

「夏は暑くて水分を多く摂るから、むしろ便秘とは無縁なのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、夏の生活習慣には、便秘を引き起こす落とし穴が潜んでいるのです。

1.知らぬ間の「水分不足」が便を硬くするため

発汗による水分喪失: 夏は、意識しなくても大量の汗をかきます。運動時はもちろん、じっとしていても汗は出ており、体内の水分がどんどん失われていきます。

気づきにくい脱水状態: 暑い屋外だけでなく、実は冷房の効いた乾燥した室内でも、皮膚や呼吸から水分は絶えず蒸発しています。とくに、忙しいときや何かに集中しているときは、のどの渇きを感じにくく、知らず知らずのうちにからだは水分不足に陥っていることがあります。

便への直接的な影響: 体内の水分量が不足すると、私たちのからだは生命維持のために、腸内の便から水分をできるだけ多く吸収しようとします。その結果、便は硬く小さくなり、大腸の中をスムーズに移動しにくくなって、排出しづらい状態になってしまうのです。

2.夏の食生活の乱れが腸内環境を悪化させるため

冷たいものの摂りすぎによる腸機能低下: 暑いと、ついアイスクリームやかき氷、キンキンに冷えた飲み物、そうめんや冷やし中華といった冷たい麺類に手が伸びがちです。しかし、これらの冷たいものは胃腸を直接冷やし、消化酵素の働きを鈍らせます。すると、腸の動きが弱まり、便秘を引き起こしやすくなります。

食物繊維不足に陥りやすい食生活: 夏バテで食欲がないと、「とりあえず食べやすいものを」と、そうめん、パン、おにぎりといった炭水化物中心の簡単な食事で済ませてしまうことが増えませんか? こうした食生活では、便通をよくするために不可欠な食物繊維の摂取量が不足しがちです。食物繊維には、便のかさを増やして腸を刺激する「不溶性食物繊維」と、便を柔らかくして滑りをよくし、善玉菌のエサとなる「水溶性食物繊維」があり、どちらもバランスよく摂ることが大切です。

3.生活習慣の乱れが腸の働きを停滞させるため

運動不足による腸への刺激減少: 猛暑のなかでは、外出を控えたり、からだを動かすのが億劫になったりしがちです。しかし、運動不足は腸への物理的な刺激を減らし、腸の動きを低下させる原因になります。また、運動不足は腹筋の衰えにもつながり、便を押し出す力を弱めてしまいます。

自律神経の乱れが腸のコントロールを狂わせる: 屋外の猛烈な暑さと、冷房がガンガンに効いた室内との急激な温度差は、私たちの体温調節などを司る自律神経に大きな負担をかけ、バランスを乱します。自律神経は、胃腸の消化・吸収・蠕動運動といった働きもコントロールしているため、そのバランスが崩れると、便秘だけでなく下痢なども引き起こしやすくなります。

4.ストレスが腸の動きを不安定にする

暑さそのものが、実はからだにとって大きなストレスとなります。それに加え、夏休み中の旅行やイベントなどで生活リズムが不規則になったり、逆に夏休み明けの仕事や学業へのプレッシャーを感じたりすることも、精神的なストレスとなり得ます。ストレスは腸の働きに敏感に影響し、ある人は下痢をしやすく、またある人は腸の動きが鈍くなって便秘になるなど、人によって異なる反応を引き起こすことがあります。

これらの要因がひとつ、あるいは複数絡み合うことで、夏特有の便秘が引き起こされるのです。

快腸生活を取り戻す!今日からできるセルフケアを紹介

mimot.(ミモット)

毎日の生活のなかで少し意識するだけで、腸内環境を整え、スッキリ快腸を目指せるセルフケア方法をご紹介します。

1.「飲む」習慣を見直し、上手な水分補給を

こまめな水分補給が基本:のどが渇いたと感じる前に、コップ1杯程度の水分を1日に何度も分けて飲む習慣をつけましょう。1日の目標摂取量は、食事以外で1.5~2リットル程度といわれています。

何を飲むかも大切:基本は水や白湯、ノンカフェインの麦茶などがおすすめです。スポーツドリンクは糖分が多く含まれているため、大量に汗をかいた時以外は控えめにするのが賢明です。

朝1杯の水で腸を目覚めさせる:起床後すぐにコップ1杯の常温の水や白湯を飲むと、胃腸が刺激され、腸の蠕動運動が活発になり、自然な便意を促す効果が期待できます。「腸活のゴールデンタイム」とも言われます。

2.「食べる」内容と「食べ方」で腸を元気に

食物繊維を意識してたっぷり摂る
・不溶性食物繊維: 便のかさを増やし、腸壁を刺激して蠕動運動を促します。(例:ごぼう、きのこ類、豆類、玄米、おからなど)
・水溶性食物繊維: 便を柔らかくして排出しやすくし、善玉菌のエサとなって腸内環境を整えます。{例:海藻類(わかめ、昆布、もずく)、果物(りんご、バナナ、キウイ)、大麦、こんにゃくなど}
これらをバランスよく、毎日の食事に取り入れましょう。野菜なら1日350g以上が目標です。

良質な油も適度に摂る:オリーブオイル、亜麻仁油、えごま油などの良質な植物油は、便の滑りをよくし、排便をスムーズにする効果が期待できます。ただし、摂りすぎはカロリーオーバーにつながるので注意しましょう。サラダにかけたり、料理の仕上げに使ったりするのがおすすめです。

冷たいものの摂りすぎに注意し、温かい食事を基本に:胃腸を冷やさないよう、できるだけ常温または温かい食事や飲み物を摂るように心がけましょう。冷たいものを摂る場合は、一気に大量にではなく、ゆっくりと少量ずつ味わうようにすると、胃腸への負担を軽減できます。

3.「動く」ことで腸を刺激する

適度な運動を習慣にする:ウォーキング(1日20~30分程度)、軽いジョギング、水泳、サイクリング、ストレッチ、ヨガなど、自分が続けやすい運動を無理のない範囲で行いましょう。運動は腸に直接的な刺激を与えるだけでなく、血行を促進し、自律神経のバランスを整える効果も期待できます。

腹筋を鍛えることも大切:腹筋が弱いと、便を押し出す力が弱くなりがちです。簡単な腹筋運動や体幹トレーニングを取り入れるのも効果的です。

おなかのマッサージで腸の動きをサポート:仰向けに寝てひざを軽く曲げ、おへその周りを時計回りに、手のひらで優しく「の」の字を描くようにマッサージするのも、腸の蠕動運動を助けるのに役立ちます。食後すぐや満腹時は避け、リラックスしているときに行いましょう。

4.「生活リズム」を整えて自律神経をケア!

質の高い睡眠を確保する:毎日できるだけ同じ時間に寝起きし、7時間程度の十分な睡眠時間を確保するよう心がけましょう。寝る前のスマートフォンやパソコンの使用は、ブルーライトが睡眠の質を低下させるため控えめに。寝室の温度や湿度を快適に保ち、リラックスできる環境を整えることも大切です。

上手な冷房利用でからだの負担を減らす:冷房の設定温度を下げすぎず(外気温との差は5℃以内が目安)、冷風が直接からだに当たらないように工夫しましょう。オフィスなどでは、薄手のカーディガンやひざ掛け、靴下などでからだを冷えから守ることも重要です。

ストレスを上手に解消する:趣味の時間を持つ、好きな音楽を聴く、ゆっくりと入浴する、自然の中ですごす、友人や家族と話すなど、自分に合ったリラックス法を見つけ、ストレスをため込まないように心がけましょう。

夏の便秘には漢方薬もおすすめ

「セルフケアを頑張っても、なかなか夏の便秘が改善しない」そんなときは、からだの内側から優しく働きかける漢方薬の力を借りるのもひとつの有効な手段です。

おすすめの漢方薬
麻子仁丸(ましにんがん)
腸を潤し、便を柔らかくして排便をスムーズにします。便が硬くて出にくい、ウサギの糞のような便が出る場合に用いられます。高齢者や産後の便秘にもよく使われます。
夏のポイント: 発汗による水分不足で便が硬くなった場合に適しています。

大柴胡湯(だいさいことう)
比較的体力があり、がっちりした体型の人で、イライラしやすく、胸脇部が張って苦しい、便秘傾向がある場合に用いられます。ストレスによる便秘や、脂っこいものをよく食べる人の便秘にも。
夏のポイント: 夏のイベント疲れやストレス、食生活の乱れからくる便秘に。

大建中湯(だいけんちゅうとう)
おなかが冷えて痛み、腸の動きが悪く、おなかが張る、ガスがたまりやすいといった症状のある人に。医療では腸の手術後などにも使われます。
夏のポイント: エアコンや冷たい飲食物で芯から冷えてしまったおなかの不調に。

「どこに相談したらいいかわからない」「病院に行く時間がない」という人には、オンライン漢方相談サービス「あんしん漢方」などを利用するのもひとつの方法です。スマートフォンやパソコンを使って、自宅にいながら経験豊富な漢方の専門家(医師や薬剤師)に相談できます。忙しい人や、まずは気軽に専門家の意見を聞いてみたいという人におすすめです。

夏の隠れ便秘にさよなら!スッキリ快腸で快適な毎日を

夏は、知らず知らずのうちに水分不足になったり、食生活や生活リズムが乱れたりしやすく、便秘に悩まされる人が意外と多い季節です。しかし、その原因をきちんと理解し、日々の生活のなかで少し意識してセルフケアを行うことで、腸内環境は必ずよい方へ向かいます。

まずは、こまめな水分補給、食物繊維や発酵食品を意識した食事、適度な運動、そして質の高い睡眠とストレスケアを心がけてみてください。そして、どうしても改善が見られない場合や、もっと根本的に体質から見直したいという人は、漢方薬という選択肢も思い出してください。

<この記事の監修者>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師:碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。

世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

(mimot.(ミモット)/あんしん漢方)

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