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スペシャリテ解体新書 日髙 良実シェフのアクアパッツァ 24年6月号

料理王国

スペシャリテ解体新書 日髙 良実シェフのアクアパッツァ 24年6月号

トップシェフの厨房での手元や仕込み風景など、普段なかなか見ることができない動画をお届けする人気YouTubeチャンネル「料理王国」。今春から一流シェフが手がけるスペシャリテをテーマに、作家・料理家として活躍する樋口直哉さんがそのおいしさの秘密についてロジカルに解説する新企画「スペシャリテ解体新書」がスタート。第1回は日髙良実シェフをゲストに迎え、日髙シェフの“アクアパッツァ”の秘密に迫ります。

トマトとアサリの成分、強火による白湯状態が鍵

今や、本場のイタリア人よりも日本人のほうが「アクアパッツァ」を知っている。流布したのは日髙良実さんであることも、料理業界の人であればもはや常識。魚に焼き色をつけて皮つきで提供することや、海水の代わりとしてアサリを入れるなど、イタリアのレシピそのままではなく日本人向きにアレンジを加えたことで、不動の人気となった。

最初の修業先、神戸のフレンチ「アラン・シャペル」でオーバル形フライパンが使われていたことから、この料理に用いるように。

まずはミニトマトをセミドライにするところから拝見。「ご家庭ならば手軽に生のままでもいいですが、セミドライにするとうま味が凝縮されてよりおいしく仕上がります」と日髙さん。「トマトのうま味はグルタミン酸で、低温加熱することで、グアニル酸が増えるという研究報告があります。この方法は理にかなってますね」と樋口さん。

「美味しくなれと念じるのは科学的ではないけれど、効果あり? 」「はい、大事なことですね」

続いて丸ごとの魚の両面を焼く。今回はマダイだが、たいていの旬の魚が生かせるとのこと。フライパンを傾け、側面との角を使って魚の腹も焼いたら、水を注いで煮る。“暴れ水”の料理名通り、火力は強火で沸き立たせた状態だ。「ワインやだしは使わず、素材から出る味だけで作ります」(日髙さん)。

マダイの内側骨付近の温度変化を測定。

後半でアサリやセミドライトマト、パセリを投入、「ムール貝やハマグリも試したが主張が強過ぎ、アサリがベスト」(日髙さん)。
「アサリのコハク酸はうま味成分ではなく有機酸の一種で、複雑味に寄与します。そして何より、魚のゼラチン質と脂を巻き込んで白湯スープ状になったソースが決め手ですね」(樋口さん)。詳細は動画でぜひ!

一流シェフのスペシャリテを徹底分析!日髙 良実シェフのアクアパッツァの美味しさの秘密を究明せよ!

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