ヤエン釣り入門解説【シーズン・道具・エサ・ポイント・釣り方】唯一無二のドキドキ感が病みつきに!
ヤエン釣りをやってみたいでも、どんなタックルや道具が必要で、どこのポイントで、どんな風にヤエン釣りをしていいかわからない方に向けて、タックル解説から必要な道具、ポイント、ヤエン投入後のやり取りの仕方まで詳しく解説したいと思います。
ヤエン釣りの概要
ヤエン釣りとは、アオリイカを狙う釣り方で生きたアジを使って、アジにはイカを掛ける針はついておらず、イカがアジを抱いてからヤエンと呼ばれる釣具をイカに送り掛ける釣り方です。
魅力
ヤエン釣りの魅力は、アオリイカのアタリがあってからやり取りの本番でヤエンを掛けやすい距離まで寄せる動作や、ヤエンを投入してからイカのもとへ送る全ての動作で、イカに如何に気づかれないようにするかが面白い点です。とてもスリリングな釣りです。
シーズン
ヤエン釣りができる季節は水温によって変わりますが、福井県は春シーズンは4月末から6月末、秋シーズンは9月中旬から11月末です。三重県は、どの時季でもアオリイカは狙えますが、7月8月9月は数が少ないです。
ヤエン釣りのタックル
ヤエン専用ロッドか磯竿1号~2号がオススメです。専用ロッドなら、D社だとバトルゲームアオリワン、S社ならアオリスタがメジャーどころです。筆者はメインロッドを、バトルゲームアオリワン、サブにアオリスタSiを使用してますが、どちらもオススメです。
リールは、リアドラグ式かレバー式リールを使いますが、初心者はリアドラグ式がオススメです。D社ならバトルゲームLBQD(レバーブレーキ)、アオリトライアルBR(リアドラグ+フロントドラグ)、アオリマチック BR(リアドラグ+フロントドラグ)。S社なら、アオリスタBB(リアドラグ)、アオリスタCi4(リアドラグ)になります。
ライン
ラインは、ヤエン専用のメーターごとに色分けされているラインを使うとイカまでの距離が把握しやすくオススメです。フロロカーボンを使いましょう。号数は年間を通して2号で大丈夫です。
ヤエン釣りの仕掛け
まずはなんと言ってもヤエンです。これはイカを掛ける仕掛けです。ヤマシタ、がまかつ、ダイワ、シマノ、その他メーカーから出ています。筆者は自作してますが、最初は市販品で十分です。
おすすめはヤマシタのアオリヤエンとアオリヤエン必掛、呑印のんきヤエンです。季節によって使うサイズも変わり、春はM~LL、秋はS~Mです。
オトリフックにオモリ
エサのアジを掛ける針です。潜助君はiKAクラから出ているアジにつけるオモリです。アジを沈めるのに使います。
ヤエン釣りに必要な道具
そのほかに、アジを活かしておくアジバケツか、アジスカリも重要です。防波堤や筏の場合、スカリに入れて海に入れておけば、エアーポンプを使わずに済み便利です。
バケツの場合は、エアーポンプが必須です。乾電池式と充電式があります。筆者は乾電池式を使っていますが、充電式ですと電池の残量が分かり便利です。アジを掬う時にはアジネットがあった方が良いでしょう。網を使わず、手で掴もうとすると不必要に暴れさせ、弱らせる原因となりますので網を使って掬います。
玉網/ギャフ
かかったイカを取り込むのに必須です。ギャフがオススメですが、ヒラメなどの魚もかかる可能性がありますので両方持っていくのもありです。
竿受け
ヤエン用の竿受けがオススメです。筆者はダイワバトルゲームヤエンスタンドを使ってます。
ピトン
ピトン用竿受け:地磯で使います。
サンドポール:サーフの場合こちらの竿受けの方を使います。
水汲みバケツ
アジバケツの水の入れ替えや、竿受けの固定に使います。2つあると便利です。
ヘッドライト
暗い時間帯から釣り場に行くこともあるので必須です。
ライフジャケット
身を守るものです。もちろん必須です。
タオル
アジを触った後に手を拭いたりと、何かと使う機会が多いです。
ヤエン釣りの代表的なエサ
ヤエン釣りの代表的なエサは、基本的にアジです。理由としては、尾っぽにゼイゴと呼ばれる硬い鱗がありそこに針がつけやすく、イカとやり取りしたときにアジの身が切れにくいのと、季節によって適したサイズが手に入るからです。
釣行前は、必ずアジが手に入るか釣りエサ屋に電話連絡を忘れずに。売り切れで手に入らず、何も用意してない場合、釣りそのものが成立せず帰宅するという悲しい事態になります。
活きアジが無かったら
シーズン中はアジが売り切れで、手に入らないことも。そんな場合は他のエサを使うか、スーパーで売っているアジを塩漬けしたものを持っていくか、現地で釣った魚を使う方法があります。他のエサの例としては、銀兵(ウグイ)がオススメです。
しかし、春シーズンの大型を相手する場合はすぐ食べきってしまうか身切れを起こす可能性があるので注意です。秋シーズンでは問題なく使えて、アジでなかなかアタリがでないときに、銀兵が有効だった経験があります。現地でサビキ等で釣る場合は、秋シーズンはシマイサキの幼魚が釣れたらエサとして非常に有効です。
他にはチャリコ(真鯛の幼魚)、ネンブツダイ、メジナも使えます。しかし、根魚(カサゴ、ソイなど)はあまり活発に泳がないのでエサには向いていませんので注意です。
活きアジが売ってる場所(三重、福井)
筆者が釣行する三重エリア、福井エリアで活きアジが売っている場所を紹介します。
三重
三重は、ほぼ年中アオリが釣れるという特徴がありアジも常備している店舗が多いです。また、予約も可能なので釣行前に予約しておくのをオススメです。
えさきち各店舗
つりエサ市場各店舗
福井
福井の特徴としては、シーズンがはっきりしておりそれに合わせてエサ屋もアジの取り扱いをしています。また、筆者が問い合わせた時は予約は不可だったので注意です。
釣りエサスーパー越前
303釣具店
なかむら釣具店 若狭街道店
釣エサ・釣具 なかむら敦賀店
ヤエン釣りの代表的なポイント
ヤエン釣りは意外とどんなフィールドでも成立します。
堤防
一番アクセスがしやすく、他の釣りをやっている方には馴染み深いポイントだと思います。基本、堤防のどのエリアから攻めてもアオリイカのアタリがある可能性はありますが、筆者のオススメは堤防の先端、そして付け根です。
堤防の付け根は、海流があたることによってプランクトンが多くそこに小魚が集まりやすく、それを狙ったアオリが居ることが多いです。堤防の先端は潮通しがよく、アオリが通過するところなのでアタリがある可能性が高いです。
また、沖に藻や障害物(岩、テトラ、沈みテトラ)があるところも攻めるとアタリが出る可能性が高いでしょう。
筏
初心者の方にもっともオススメしたいのが、渡船屋を利用した筏にのってのヤエン釣りです。アオリイカ用の筏は、ポイントに設置してあるので、アタリが出る確率が非常に高く、周りに釣人がいないのでプレッシャーも低いです。四方ともポイントでありますが、岸に向かって攻めるのが基本です。
地磯
地磯もアオリイカのポイントです。潮通しがよく、アオリイカだけでなく青物なども可能性があります。
サーフ
サーフからもヤエン釣りは可能です。三重県の南伊勢から尾鷲あたりまでの、沖が急に深くなるサーフが有望です。特に海水浴禁止のサーフは、キャストできる範囲でもかなり深くなります。サーフの沖に沈みテトラがあるところはかなりの確率でアオリイカのアタリが出ると思います。
福井エリアは、遠浅のサーフで初心者の方には難しくあまりおすすめできません。筆者は過去に何度か実績がありますので、慣れてきたら攻めてみるのも面白いかもしれません。
ヤエン釣りの基本の釣り方
アジのゼイゴと呼ばれる硬い鱗を通すように針を掛け、アジを優しくキャストします。勢いよくキャストしたり、体全体が海面に当たると弱る原因になるので注意してください。置き竿で待つ方法もありますが、自分でアジを操作してイカからのアタリを待つ方が色々得られる情報が多いです。
アジの操作の方法は、リールのベールを立ててラインをサミングしつつ、アジの泳ぎ具合に合わせてラインを放出します。竿はアジに進んでほしい方向とは逆に竿を引きます、左にいってほしいなら右、右なら左です。アジを潜らせたい場合は竿を立てます。これを繰り返し、狙いたいポイントまでアジを泳がせることによって、置き竿よりアタリが多く出る可能性があります。
ドラグの設定方法
イカのアタリが出るまでは、ラインを手で軽く引っ張ってラインが出るドラグ設定で大丈夫です。ヤエン投入後は、手で強めに引っ張ってラインが出る設定です。あまりガチガチにドラグを締めるとイカが身切れを起こして、バレる可能性があるので注意です。
アタリの出し方
ただ、アジを泳がすだけでなく軽く竿を煽ったりしてアジの動きに変化をつけましょう。海の中で、弱ったアジに見えたり鱗が光りイカへの誘いになります。また、竿先の動きが急に暴れるようになったときも近くにイカがいるかもしれないので、ここで誘いを入れるのも有効的です。
ヒット後のやり取り
イカがアジを抱いたら、高確率で沖に走ろうとしますので無理にラインを止めずに送ってあげましょう。走りが止まったら、イカを寄せます。ここで、リアドラグはあえて絞めずにスプールを手で押さえて寄せます。理由は、寄せている最中にイカが嫌がり急に走り出す時がありますが、ドラグを締めてしまうとドラグを緩めるのが間に合わない可能性があるからです。
しかし、スプールを抑えてるだけなら抑えてる手を離すだけですぐラインを送り出すことができます。また、寄せる時は竿を立てて縦に寄せるとその範囲しか寄せれませんので、竿を少し下ろして竿を横に持ってくるように寄せ、竿が横に来たら今度は竿を上に持ってくるように寄せると一回の動作でそこそこ寄せることができると思います。
ある程度、寄せてきてラインと海面の角度が45度ぐらいになったらヤエン投入のタイミングです。
ヤエンの投入方法
イカのアタリがあり、ある程度寄せたらヤエンを投入します。投入方法は、リールのベールをあけてラインをサミングしながらロッドを立ててラインを手繰り寄せます。ラインを掴み、ヤエンの糸掛け部分にラインを掛け海に投入します。
この投入のときに注意してほしいのは、しっかり海面までのラインを張っておくのと、ヤエンが海に入るまでは掴んだラインを離さないことです。放すとヤエンにラインが絡む原因になるからです。
アワセ方とタイミング
ヤエンがアオリイカに到達の判断方法は、穂先の動きとイカの引き方で判断できます。ヤエン投入後、イカに接近すると普段と違う2段引きのような引きをすることがあります。これがヤエン到達の合図です。
ただ、ヤエンはかかっておらずイカから少し離れた位置にヤエンがあることが多いので、ここでアワセはいれてはいけません。穂先の動きでの判断方法は、ヤエンがイカの下に入ってない場合は穂先が少しおじぎをし、そこから更にイカの重みで穂先がおじぎをする動きをします。
しかし、ヤエンがイカの下に到達した場合は、ヤエンの重みを感じず穂先がおじぎをします。それがヤエン到達の合図で、アワセをいれましょう。アワセの入れ方は、竿を下ろして横に振ってください。
初心者はアワセ不要?
初心者の方には、ヤエン到達の判断がなかなかできず、到達してないのにアワセをいれてせっかくのイカをバラしてしまうリスクがあると思います。初心者の方は、あえてアワセを入れずイカが視認できるところまで寄せる方がバラすリスクは少ないです。
イカが嫌がって走ったらラインを送り、ゆっくり寄せることに集中して目の前までイカを寄せて、確実にヤエンがイカの元に届いてることを確認してからアワセを入れれば大丈夫です。ただ、春先の大型はアジが完食される恐れがありますので注意してください。
イカの取り込み方法
イカがヤエンにかかり取り込みする際ときも、バラす要因の一つです。イカは正面(ゲソ側)から取り込もうとするとイカが嫌がり逃げようとしますので、イカの頭から取り込む必要があります。玉網で強引に正面から掬うか、イカを自分に向かって横にして掬う方法もありますが非常にやりづらいです。
また、ヤエンが玉網に絡まりなかなか解けないというトラブルも発生します。ギャフですと、イカに認識されにくく軽いので片手でも操作しやすく、ヤエンが絡まるトラブルもないのでオススメです。
カツイチから出ているイカギャフがオススメです。通常のギャフより、細かい針が付いておりギャフ掛けに慣れてない方でも、スムーズにギャフが掛けれます。具体的な掛け方は、イカを自分に向かって横になるようにし、頭から胴体を狙ってギャフを引っ掛けてください。
釣行時の注意点
ライフジャケットは必須です。足場が良くても必ず着けましょう。ライフジャケットなしで海に落下した場合、命を落とす危険性があります。また、周りの方にも迷惑をかけますので、必ずライフジャケットは着けましょう。最低限のルールとしては、他の釣り人が多い堤防では竿は1本が望ましいでしょう。
また、他の釣りをしている方の真横はアジを広範囲に泳がせにくく、お祭りする可能がありますので絶対やめましょう。また、近くで釣りをする場合は一言挨拶をしましょう。
<ナカイカ/TSURINEWSライター>