白金でひと休み。喫茶とバー、1つの空間に2人のプロが待つ店へ
昨年イムズから移転し、大宮の仮店舗で営業を行ってきた「Koyama Coffee」ですが、準備を続けていた店舗が遂に完成。今年の3月から新店舗での営業をスタートしており、遅ればせながら出かけてきました。
場所はかつての仮店舗のすぐそば。お隣は「御菓子 TUGI」、2階は「THE ROAM BAR」という、スタイリッシュなビルの1階です。白い暖簾には「Koyama Coffee」に加え、もう一つ「THE ROAM BAR EST」という店名が……。
実は、新たな店舗はこれまでとひと味違います。「THE ROAM BAR」のオーナーバーテンダー・和田博司さん(左)と、「Koyama Coffee」のオーナー・小山貴史さんのお2人で1つの空間をシェアして営業を行っているんです。
「和田さんとは10年来の付き合いで、互いの店のファンという間柄でした。イムズの閉館が決まった時に、『一緒にお店をやりませんか?』と声をかけていただき、新しい試みの店舗が実現しました」と小山さん。
「かねてより『THE ROAM BAR』とはまた違う、お昼からでも気軽にカクテルを楽しめるお店を作りたいと考えていて……。カクテルだけでなく小山さんが淹れる美味しいコーヒーも楽しめるお店ならぐんと入りやすくなるし、2人で支え合って面白いお店作りができる!とひらめいて、小山さんにご相談したんです」と和田さん。
インテリアデザインや木工プロダクトを手掛ける「スリークラウド」と、家具工房「DOUBLE=DOUBLE FURNITURE」(共に糸島)が手掛けたという空間は軽すぎず、重すぎず。カジュアルさとシックで落ち着いた雰囲気を併せ持ち、抜群の居心地の良さです。全席禁煙なので「バーに行きたいけれどタバコが苦手……」という方もご安心を。
入口から向かって左側にはコンクリート打ちっぱなしの床にハイチェアーを。右側には絨毯を敷いてローチェアを置くという面白い造りになっており、イムズの「Koyama Coffee」で使っていたタモの一枚板カウンターが両側に配されていました。
10〜19時は「Koyama Coffee」
まずは「Koyama Coffee」でひと休み。小山さんのご実家は1973(昭和48)年創業の老舗「珈琲ひいらぎ」で、ひいらぎのスタイルを継承しています。通常の2倍はありそうな量の炭火焙煎豆をかなり粗めに挽き、贅沢にドリップするのもひいらぎの流儀。雑味のない味わいの秘密だそう。一杯ずつゆっくり丁寧に湯を落とす小山さんの美しい所作と香りを前に、肩の力がスーッと抜けていきます。
今回はモカ・コロンビア・ブラジルの3種を合わせる「オリジナルブレンド」(800円)をいただきました。酸味と苦味、コクと軽やかさのバランスが見事で、美しい余韻にもうっとり。ちなみに、カップはズラリと並ぶアンティークカップの中から好きなものを選べますよ。
14〜21時は「THE ROAM BAR EST」
「良いものをカジュアルに」をテーマとしたバー「THE ROAM BAR EST」は、14時からの営業です。嬉しいことにチャージはなし。スタンダードカクテルからクラシックなレシピをアレンジしたもの、季節の素材を生かした一杯まで、和田さんが作る本格的なカクテルを、お昼から1杯からでも気軽に味わえるとは贅沢ですね。普段バーに行き慣れていないという方も、ここなら立ち寄りやすいと思います。
カクテルは1杯1200円から揃い、夏にぴったりの「ヘンドリックス・ソニック」(1400円)をいただきました。キュウリとバラのエッセンスが香るプレミアムジン「ヘンドリックス」に、フィーバーツリーのトニックウォーターを合わせた爽快な一杯で、添えたキュウリのスライスが目にも涼やかです。明るいうちから味わうカクテルって、たまらなく美味し〜!
ドリップしたコーヒーをシェイカーに入れ、そのまま急速に冷やすアイスコーヒーを作る小山さんと、カクテル用の氷を包丁で丁寧に削る和田さん。プロの手仕事風景にも、目を奪われます。
美味しいコーヒーやカクテルが味わいたくなったら、迷わず覗いてみてください。
《Koyama Coffee》
《THE ROAM BAR EST》
福岡市中央区白金1-10-15 KADONO ビル1階
092-526-0577
※掲載しているメニューや価格は取材時のものです。訪問する際にはお店のSNSや電話等でご確認ください。