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守谷さんぽのおすすめ8スポット。都市と土、中間色って美しい

さんたつ

【散歩の達人】守谷さんぽ_0

約36平方キロメートルと茨城県で4番目に狭い市町村の守谷。コンパクトながらも、都市と郊外、田園が絶妙に共存し、移住する人もいっぱい。野鳥の声で目覚め、自然散策に出かけ、地場野菜を味わう。そんな楽しい週末がここに。

思わず目が合う器量よしパン『バッケンバルト』

きのこのタルティーヌ302円(左下)、ライ麦くるみパン367円など。
店主の小川さん夫妻。「曽祖父の家を改装し開業しました」。
入って左側にイートインスペース。
絵本に出てきそうなパン屋さん、『バッケンバルト』。

くるみとぶどうのライ麦パン518円やプチフランス80円といったハード系の主食用パンや、アーモンドクロワッサン410円などが人気。「味がいいのはもちろん、きれいな形、フォルムを大切にしています」という小川さんの言葉も、コロンとかわいいクロワッサン291円を見れば納得だ。ワンドリンクオーダーで、イートインもOK!

10:00~17:00ごろ、土・日休。
☎︎0297-48-5152

鍬を振り鍋を振るママさん農家『べじびより』

紫色のカブ・ふじ化粧やコールラビなど珍しい野菜も栽培。「畑で野菜をお渡しする畑受け取り便も受け付けています」と髙橋さん。「夏はゴーヤやトウモロコシ、オクラが旬に」。
『もりやコレクション』での販売風景。

髙橋さんは守谷に移住して7年後の2023年、本格的に農業を開始。「TV制作の仕事で取材した千葉県の農家さんの野菜のおいしさに感銘を受け、畑をやりたいとスイッチが入りました」。約8000平方メートルの畑で120種近い野菜を栽培。甘みやうまみがのるよう、野菜によって土の成分を調整しているそう。webサイト販売のほか、守谷駅1階の『もりやコレクション』などで購入できる。

Instagram:vege_bio_ri

皿を彩るのは地元生産者への愛『テネレの木』

季節のお野菜とそば粉のガレットスモークサーモン1540円。「地元『藤井商店』の牛肉や豚肉で作る料理もぜひ」と店主の亀田さん。
「美しいお庭も見てくださいね」。

守谷を中心とした茨城県南部の食材が主役。守谷産常陸秋そばで作るガレットは、レンコンやダイコン、ブロッコリーなど地元野菜で彩られる。スイーツには常総市の「お菓子の店 石塚」の味を継いだロールクレープ300円~、ドリンクには『ミルク工房もりや』ののむヨーグルト570円など地元愛が随所に。生ビールは、守谷に工場のあるアサヒ!

11:00~21:00、水・第3木休(不定休あり)。
☎︎0297-21-3208

愛犬よりも大きな口でカブりつけ『BROOKSTND GRILL』

パテは国産牛をブレンド、バンズは地元ベーカリー『クーロンヌ』に特注。
店主の粕谷洋介さん。「バーガーと相性のいいポテトも好評です」。
大型犬と小型犬用のドッグランも。

粕谷さん夫婦は、飼っていた大型犬が伸び伸び遊べるよう、妻の遥さんの実家がある守谷に移住。ドッグラン併設のハンバーガーショップを始めた。愛犬の名を冠したパティバーガー2170円は、粒マスタードを使ったタルタルソースとニンニク・ショウガを効かせたテリヤキソースがパテ2枚に降り注ぎ、満腹必至。

11:00~19:30LO、火・水休(不定休あり)。
☎︎0297-51-1458

安心して遊び回れる空間に親子の笑顔咲く『遊育(あそいく)施設 あそびの森もりっ子』

壁面デザインは花や川など守谷の自然をイメージ。月に数回、でこぼこレースなどのイベントも開催。
プレイリーダーの皆さん。「パパの参加率も高いです」。

未就学児を対象とした屋内の遊び場。「おもちゃの多くは知育玩具に定評のあるボーネルンドのもの。思い切り体を動かし、笑って泣いて遊んで育つことができる場です」と施設長の菊地明子さん。どう遊ぶか戸惑っている親子がいても、ボーネルンドの研修を受けたプレイリーダーが遊び方を促してくれる。要予約で市内在住者100円、市外在住者200円。

10:00~16:45の間の5クール制、金休。
☎︎0297-46-2323

夏の風物詩、祇園祭ももうすぐ!「守谷総鎮守八坂神社」

拝殿横には御神木のケヤキ。
宮司の下村さん。「祇園祭ではお神楽も奉納されます」。
素戔嗚尊が描かれた御朱印帳2000円など。
境内には土中から見つかった力石も。

創建は、大同元年(806)。主祭神の素戔嗚尊(すさのをのみこと)は牛頭天王(ごずてんのう)とも呼ばれており、江戸時代までは牛頭天王宮の名で親しまれていた。境外社として河獺(かわうそ)弁天も管理していることから、カワウソおみくじ600円の授与も。7月25日には祇園祭を開催。神輿や山車5台が市街地を練り歩くほか、高さ約10mの巨大な幟が各町内に立つ。

境内参拝自由。
☎︎0297-46-2788

土間と梁(はり)のセピア空間で手繰る十割『田舎そば 美里』

もりそば1200円。かえしにヒゲタ醤油を使うつゆは、辛めでキリッとした味わい。
古材を生かした梁や、土間、漆喰が趣あり。
石畳の先に絶品料理が待つ。

2代目の店主が、茨城の常陸秋そばのほか各地から良質なソバを仕入れ、手打ち。玄そばを仕入れ、粒揃いをし、石臼で碾(ひ)いたそばは、十割ならではの豊かな香りと、十割と思えないほどのみずみずしい喉越し! 日本酒も充実しており、夜は名物のゆり根鍋で一杯やる人も。そばだけの注文でも予約がベター。

営業時間は予約状況で変動、月2〜10日ほど不定休。
☎︎0297-46-1883

面白話と雑談で3坪が笑いに満ちる『sake Biyori!!』

3坪7席の狭さが一体感を生む。「500円前後で飲めるお酒がいっぱい!」。
なすのみぞれ揚げ500円に揚げ餅1個150円をプラス。焼酎の「泥亀」450円は芋と麦を用意。
バラックのような渋い雰囲気。

金型工場の敷地の一部を借り、2010年に誕生した屋台村。7軒並ぶうちの一軒が『sake Biyori!!』だ。「好きな音楽など、どうでもいい話で盛り上がれる店にしたくて」という美鈴さんの人柄に惹かれ、常連が夜な夜な集結。日替わりのズッキーニバーグ500円などの手作り料理を肴(さかな)に、やかんで提供の焼酎を呷(あお)れば、雑談に花が咲く。

19:30~24:00(金・土は19:00~翌2:00ごろ)、日休(不定休あり)。
☎︎なし

利根川を越えるとモードが切り替わる

守谷市役所の高さ約35mのシンボルタワー。
8階の展望台から守谷駅方面を望む。

守谷で生まれ育った『バッケンバルト』の小川さんは小学生のころから夢だったパン屋さんを地元で開業。

「小学校までは50分歩いて通ってました。40年ほど前は、キジかウサギか分かりませんが、猟銃で狩りをする人もいて。子供のころ、その薬莢(やっきょう)集めが楽しかったんです」

BB弾ではなくガチ弾なところに、当時の守谷のワイルドネイチャーを想像する。

守谷に住んで10年、『べじびより』の髙橋道子さんは2児の母でもある。初めて守谷に来たとき、空が広いと感じ、呼吸がしやすかったそう。

「移住直後は都内へ通勤していて、利根川沿いの田園風景を越えるときに、仕事モードと母親モードが切り替わりました」

今は専業農家となり、土と向き合う日々。いち推しのフルーツかぶは、まるでリンゴのような甘さ!

趣味や暮らしを大切にしたいから

守谷にあるTXの総合基地。南西から車両を眺望。

「三方を川に囲まれた肥沃(ひよく)な土地で“ならないものはない”というぐらい守谷の野菜は多品種なんです」とは、『テネレの木』を営む亀田陽子さん。守谷の物産館で店長を務めていたこともあり、ガレットには葉物も根菜類も「これでもか!」と盛り込むほど、地元生産者への愛が深い。

『BROOKSTND GRILL』の粕谷さん夫婦は、都内のアパレル業で働いていたが、愛犬たちのため2021年に移住を決意。「変に発展し過ぎず、田舎感が残っているけど、都心へアクセスしやすいのが守谷の良さ。愛犬との時間、釣りやサーフィンなど、趣味や暮らしを大切にしたい人がこっちに移り住んでいる気がします」と、サーフィンで日焼けした粕谷洋介さん。

ネイティブ組の地元愛も負けてはいない。守谷を見守り続けて1200年余、八坂神社の宮司・下村良弘さんは、もともと氏子として祇園祭に参加していた。

「ひょっとこ踊りを踊るのが大好きだったんです。ただ、つくばエクスプレス開通にあたり区画整理で転居した氏子も多く、祭りの規模は縮小傾向にありました」

当時、サラリーマンだった下村さんは一念発起。25歳のときに神職の資格を獲得し、縁があって八坂神社の宮司となった。

「神社の大切な役割はハレの日を作ること。また、祇園祭でひょっとこ踊りを見られるのが楽しみです」

湿地に木道が整備された守谷野鳥のみち。ここは尾瀬?

八坂神社の脇の道を東に進むと、こんもりとした森が見えてくる。かつて守谷城があった場所だ。いまもV字型の大堀切が残り、森林浴をする人もちらほら。城跡の南側には湿地が広がり、守谷野鳥のみちとして整備されている。あの有名湿原のような気持ちいい風景に、思わず「夏が来れば思い出す~」と口ずさむ。途中にイノシシ出没注意の看板があるけれど、それも自然豊かな証し。駅から徒歩圏内に、こんな森と湿地があることに、守谷のワイルドネイチャー健在を実感!

取材・文=鈴木健太 撮影=逢坂 聡
『散歩の達人』2026年7月号より

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