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冷やし蟹ラーメンの食中毒 サルモネラ原因は静岡県で近年1件だけ 飲食店経営者「予防できる」

Shizuoka

■78人が集団食中毒 「割烹こめを」の冷やし蟹ラーメンが原因

東京都港区で8月に開かれた夏祭りで、「冷やし蟹ラーメン」を食べた人のうち、78人が食中毒患者として確認された。港区は9月3日、原因をサルモネラ属菌による食中毒と断定し、ラーメンを調理した「割烹こめを」に7日間の営業停止を命じた。静岡県の飲食店経営者はサルモネラ属菌による食中毒について「予防できる可能性が高い」と指摘する。

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サルモネラ属菌による食中毒は、静岡県ではどの程度起きているのか。2023年以降の県の公表資料を確認すると、発生は1件、患者数は26人だった。一方、原因物質を問わずに見ると、県内では今年だけで13件発生し、計644人が食中毒を発症している。13件のうち、10件はノロウイルスが占めている。

港区みなと保健所によると、食中毒を引き起こした食品は「割烹こめを」が8月22、23日に調理し、「麻布十番納涼まつり」の会場で販売した冷やし蟹ラーメンだった。ラーメンはイベント会場で一から調理したものではなく、港区内の飲食店で調理した上で会場へ持ち込まれていた。

9月3日午前9時時点で患者は男性48人、女性30人の計78人に上る。8月23日午前1時ごろから26日午後4時ごろにかけて、下痢や腹痛、発熱などの症状を訴えた。51人が医療機関を受診し、3人が入院したが、全員すでに退院している。

■「1から向き合います」 オーナーシェフ・こめおさんが謝罪

患者全員に共通する食事が冷やし蟹ラーメン以外になかったほか、複数の患者と調理従事者の便からサルモネラ属菌を検出。食べてから発症するまでの時間や症状もサルモネラ属菌による食中毒と一致したことなどから、港区は冷やし蟹ラーメンを原因食品と断定した。

港区は食品衛生法違反として、「割烹こめを」に9月3日から9日まで7日間の営業停止を命じた。一方、検査した食品2検体から細菌は検出されていない。従事者8人の便のうち2人からサルモネラ属菌が検出されたものの、港区は具体的にどの食材や調理工程で菌が混入したのかまでは公表していない。

「割烹こめを」のオーナーシェフを務め、格闘技イベント「BreakingDown」への出場経験もあるこめおさんは9月3日、自身のXで食中毒について以下のコメントを投稿した。

「体調を崩された皆様、ご家族の皆様、そして関係者の皆様に、多大なる苦痛とご迷惑、ご心配をおかけしましたこと、心より深くお詫び申し上げます。今後は料理人として、お店をこれまで通り営業を続けていいのか。一度、営業を休止し今回の事と1から向き合います」

■サルモネラ属菌による食中毒 静岡県では2023年以降に1件のみ

サルモネラ属菌は、動物の腸管内や川、下水、湖など自然界に広く分布している。静岡県によると、通常の加熱には弱く、卵や食肉、うなぎ、すっぽんのほか、それらから二次汚染を受けた食品などが原因となる。

静岡県内では近年、サルモネラ属菌による食中毒の発生はほとんどない。近年はノロウイルスが多く、その他にカンピロバクターやサポウイルスなども原因となっている。

県の年次統計によると、2023年に発生した食中毒は6件、118人だったが、サルモネラ属菌によるものはなかった。2024年は13件、315人で、このうちサルモネラ属菌による食中毒が1件発生した。発生したのは、伊豆市の旅館だった。旅館が提供した料理を食べた29人のうち26人が下痢や腹痛、発熱などを発症。静岡県は発生要因として「加熱不十分な食肉の提供や緩慢な冷却等の温度管理の不備」を挙げている。

その後、昨年は県内で26件、812人の食中毒が発生したものの、サルモネラ属菌によるものはゼロ。今年も現時点で、サルモネラ属菌による食中毒は確認されていない。つまり、2023年から2026年8月17日までに静岡県内で確認されたサルモネラ属菌による食中毒は、伊豆市の1件のみとなる。

■飲食店経営者が指摘 「普段の取り組み方が表れやすい」

サルモネラ属菌による食中毒を防ぐには、日常的な衛生管理が重要となる。静岡県は予防策として、食材を75℃以上で1分以上十分に加熱することや、卵や食肉を10℃以下で保存することを挙げる。生肉や卵などを扱った手、まな板、包丁、調理器具についても、その都度洗浄・消毒するよう呼びかけている。

飲食店の経営者にとって、サルモネラ菌は他の菌と比較して食中毒を防ぎやすいという。静岡県内で長年、飲食店を経営する男性は、港区で起きた集団食中毒について次のように指摘する。

「飲食店を運営している以上、食中毒のリスクは避けられません。ただ、サルモネラ菌は加熱や消毒で予防できる可能性が高いです。屋外での飲食提供は食中毒に対して、より注意が必要です。普段の取り組み方が表れやすいとも言えます」

そして、こう続けた。

「飲食店は身近なこともあって、タレントや元スポーツ選手、インフルエンサーのように料理の経験がない素人でも参入しやすい業界に思われがちです。しかし、10年経たずに閉店に追い込まれる飲食店をたくさん見てきました。知名度でお客さまを呼べるのは最初の数年です。食中毒を出さないことは基本中の基本ですが、料理やお客さまとの向き合い方に問題があれば、たちまち評判が広がり、経営が成り立たなくなると考えています」

夏から秋にかけては各地で祭りやイベントが続く。店舗内だけでなく、普段とは異なる環境で食品を提供する際にも、加熱や温度管理、手洗い、調理器具の洗浄・消毒といった基本的な衛生管理の徹底が求められる。

(SHIZUOKA Life編集部)

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