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旬の地元食材で作る家庭料理、秋葉区の「はなの台所」。

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旬の地元食材で作る家庭料理、秋葉区の「はなの台所」。

新潟市秋葉区の住宅街に先月オープンした「はなの台所」。ぱっと見、お店らしさを感じさせない建物が周囲の住宅にさりげなく馴染んでいます。いったいどんなお店なんでしょうか。今回はオーナーの酒井さんに、お店を始めたいきさつやこだわりを聞いてきました。

はなの台所

酒井 清子 Kiyoko Sakai

1976年富山県生まれ。新潟大学農学部から大学院に進み「美味しい鶏肉」を研究。大学院修了後は新潟県立大学、富山の製薬会社、新潟薬科大学、新潟大学医学部で15年以上研究の仕事に携わる。育児休暇を機に人生を見つめ直し、ピアBandaiのナチュレ片山やパン屋、「おいしいNiigata事業創造組合」での仕事を経て、2021年7月に「はなの台所」をオープン。

長い研究員人生から、飲食関係の道に。

——オープンおめでとうございます。こちらはどんなお店なんですか?

酒井さん:旬の食材を使った家庭料理を提供していて、ランチやテイクアウト、夜は居酒屋としてもご利用いただけます。

——店内のインテリアは木を多く使っていて、家庭的で落ち着けますね。

酒井さん:栗の古材を使ったテーブルや、アカシアの木を使ったフロアになっています。お客様に居心地よくゆっくり過ごしていただきたいので、インテリアにはこだわりましたね。

——酒井さんは以前から飲食業界に興味があったり、お店をやってみたいと思っていたりしたんですか?

酒井さん:食品に関わる仕事に興味はあったんですけど、まったく違うかたちで関わってきました。調理の仕事ではなく食品関係の研究をやっていたんです。

——たとえば、どんな研究を?

酒井さん:最初は新潟大学の農学部で食品関係の勉強をして、大学院では「エサで鶏肉の味が変わるのか」という研究をしていました。その後も新潟県立大学で教授の助手をしたり、富山の製薬会社、新潟薬科大学、新潟大学医学部で15年以上も研究の仕事を続けてきたんです。一度富山に戻りましたが、結婚を機にまた新潟で暮らし始めました。

——本当にずっと研究をしてきたんですね。みんな食品関係?

酒井さん:いえ、薬品の研究もあったし、最後の新潟大学医学部では脳研究所というところで繁殖の研究をしていました。

——それがどうして飲食の仕事を始めることになったんですか?

酒井さん:4人目の子どもが生まれたときに、産休や育休で仕事から離れた時期があったんです。そのときに自分の人生を見つめ直してみたんですね。研究も大事な仕事なんだけど、もっと身近なところで仕事の成果を感じたいと思うようになったんです。そのときに思い出したのが、昔からやってみたいと思っていた飲食店だったんです。あとはうちの子どもたちの影響もありましたね。

——どんな影響なんでしょうか?

酒井さん:私の長男はある時期から学校に行かなくなってしまったんです。いわゆる不登校児童なんですが、自分の気持ちを正直に貫き通す姿を見ていて、私も自分の本当にやりたいことをやってみようと思ったんですよね。

——なるほど。それで自分のお店を始めることにしたんですね。

酒井さん:でも飲食業界のことをまったく知らなかったので、まずはピアBandaiの中にある「ナチュレ片山」さんとパン屋さんで、掛け持ちしながら働きました。丁寧な生活を送りたいと思っていたので、ナチュレ片山さんはもともと大好きなお店だったんです。そこで働くうちに「たなか農園」の奥さんと知り合って、たなか農園さんが関わっている「おいしいNiigata事業創造組合」の事務を担当するようになりました。

——「おいしいNiigata事業創造組合」ってなんですか?

酒井さん:新潟の農家さんが集まって、情報や技術を共有しながらお互いに美味しい農産物を作ることを目指した組合です。今は「協同組合 人田畑(ひとたはた)」という組合に生まれ変わりました。そこでいろいろな農家さんと触れ合っているうちに、自分のやりたいと思うお店のイメージが固まってきたんです。

農家の応援をしながら、手づくりの家庭料理を提供。

——「自分のやりたいお店のイメージ」ってどういうものなんですか?

酒井さん:まず新潟でがんばっている農家さんを応援していきたいという思いがありました。知り合いの農家さんから直接仕入れることも多いので、新鮮な食材を安心して使うことができるんです。あとは、せっかくの新鮮な食材を生かすためにも、添加物はできるだけ使わずに、味付けもシンプルにするよう心掛けています。

——農家さんたちとの付き合いが生かされているんですね。他にもイメージしていたことってあるんですか?

酒井さん:あとは手づくりにこだわった家庭料理ですね。研究員の仕事をしていたときは忙しくてご飯も作れないこともあって、買ってきた惣菜で済ませたりしていたんです。その頃の反省もあって、日々の食事の大切さを皆さんに伝えていけたらと思っています。

——失礼ですけど、料理の仕事は経験していらっしゃるんでしたっけ?

酒井さん:ピアBandaiの中の「ピアットジョルニ」さんでデリを作らせてもらっていたことはあります。あとは私が家で作ってきた料理なんですよ。食べた人がほっとしてくれるような「お母さんの家庭料理」を作っていきたいですね。手づくりにこだわっているので、料理に使っている味噌も自家製なんです。

——食材と手づくりにこだわっているから、安心して食べることができますね。まだ始めて間もないですけど、自分のお店をオープンしてみていかがですか?

酒井さん:研究員だった頃の方が収入は多かったんですけど、生活は今の方が充実していますね。まだ子どもも小さくて面倒を見なけらばならないので、週4日の営業にさせていただいているんです。私も無理なく続けていきたいので、子どもの成長に合わせながら営業していけたらと思っています。

——これからやってみたいことがあったら教えてください。

酒井さん:今月から2回くらい「親子ピザ作り教室」を開催する予定です。お申し込みはお電話やInstagramのDMで受け付けています。今後もメニューで好評なものがあったら料理教室をやっていきたいですね。あと、長男が家で料理やお菓子を作ってくれるので、ゆくゆくは一緒にお店をやっていけたら嬉しいですね。

知り合いの農家から仕入れる安心な新鮮食材を使いながら、手づくりした家庭の味にこだわっている酒井さん。「研究員時代よりも今が充実している」と語る姿は、本当に楽しそうで、きらきらと輝いて見えました。家庭の味が恋しい人はぜひ訪れてみてください。ランチやテイクアウトの他、夜は居酒屋としてもゆっくり過ごすことができますよ。

はなの台所

新潟県新潟市秋葉区荻島3-16-9

0250-47-8283

火〜木曜11:00-18:00/金曜11:00-21:00/土曜11:00-20:00

日月曜休

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