文化財を守れ! 名張・福成就寺で再建後初の消防訓練 6年前に火災
文化財防火デーの1月26日、6年前に火災があった三重県名張市箕曲中村の福成就寺で、本堂再建後は初となる消防訓練があった。
同寺は2019年5月3日、木造平屋瓦ぶきの本堂や庫裏など計約350平方メートルが全焼。本尊の薬師如来は焼失したが、国の重要文化財「黒漆厨子」は持ち出されて無事だった。
その後、本堂は檀家らの寄付で23年に再建。奈良県宇陀市の大本山室生寺から、新本尊も迎えた。
この日の訓練には消防や檀家ら約90人が参加。本堂から出火したとの想定で、岩田妙信住職(59)が消防に通報し、檀家らが消火器を使って初期消火に当たったり、文化財に見立てた箱を本堂から搬出したりした。
その後に消防隊員が到着し、手際よくホースを伸ばして放水。消火作業中に負傷者が1人出たと想定し、救護訓練も行われた。
訓練後、栁澤宗弘消防長は「火事の時、初期消火や119番通報、けが人の搬送を今日のようにやって頂いたら少ない被害で済む。忘れることなくお願いしたい」とあいさつ。檀家総代長の松村康則さん(73)は「火を出さないことが一番。たき火にも気を付けたい」と話した。
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